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【工務店MBA】建築業界の最新ニュース(H23 8/22号)

MBA
2011.8.22

今回のテーマ:「値下げ・値引き競争から抜け出そう」後編           H23/8/22

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【工務店MBA】建築業界の最新ニュース
発行:株式会社ナック
工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
中條 達也
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営業「社長!8月のイベント?ほんとうにやるんですか?」

社長「集客が命だから!やっとかないとその後、営業先がなくなるぞ!」

  (ーOー)


営業「え!こんなに暑いんですよ!」

  「勘弁してくださいよ。」

  (>0<)


社長「だったら、自分の知人でもあたって、受注して来い!」

営業「・・・・。」



営業「最近、社長きびしいなぁ〜。」

  「たしかに、受注状況も良いとは言えないからなぁ〜」

  「こんなに暑い中、お客さんだって、家を見に来るひと少ないと思うんだよなぁ〜」

  (ーー;)


営業「なんか、真新しい作戦ないかなぁ〜」
 
  「あっ!そうだ!」

  「いいこと、考えた!」



営業「社長!次のイベントですが、僕に企画させてもらって良いですか?」

社長「ヤル気になったんだな!しっかり、やれよ!」


営業「ハイ、わかりました!」

  (^0^)



●こんにちわ、中條です。


皆さんは、この夏商戦をどのように、乗り切ってられますか?

私は、お盆休みには、他業種の夏商戦をじっくり見てきました。



いくつか見てきましたが、参考になったのが

自動車業界です。



わざわざ、調査に行ったわけではなく、

買い物に行ったついでだったんですが、

大型ショッピングセンターが、各地にありますよね。

そのショッピングセンターで、車業界は、

かなり頻繁に試乗イベントをやっています。

(^^)



みなさんも、出かけた時に、

試乗イベントを見かけたことはないですか?

よく、風船を配ったりしてますよね。

この夏は、特に暑いので、

うちわを配るメーカーが多かったです。



いくつかのメーカーの中でも

わたしが興味をもったのは、

カキ氷を配っている自動車メーカーでした。

(@^^@)



まったく雰囲気が他社と違いました。

とにかく大人気!

子供の列!!



さらに、テントの横に

水風船つり!

その横には金魚すくい!

さらに、浮き輪やビーチボール。

ついでに、海水浴を想像させる大きなポスターがありました。

大人でもワクワクします。

(^o^)



もちろん、こういった演出だけでなく、

しっかりとその隣に、

【ファミリーカー】がグレード別に3台、ありました!



なぜ?ここまでするのか?



そこで、スタッフの方に声をかけて、

いろいろと、聞いてみました。



中條  「最近、いろんなメーカーさんが、ショッピングセンターに来て

     イベントをしてますよね?どうしてですか?」

    (@0@)


スタッフ「今の時代は、余程のヒット車種を生まない限り、

     思うようにショールームに足を運んでくれないんです」

    「ですので、お客様との接触機会を増やすために、

     このようなイベントを行っているんです」



なるほど〜、どこの業界でも

お客さんと出会うためには苦労してるんだなぁ。



そんな中で、集まってきたお客さんに対して、

がむしゃらに我こそは!と

車のアピールをするのかと思いきや・・・

そうではありませんでした。

(よく見ていると、本当に売り込みしてない)



イベントをやっていて、車のアピールをしない!って???

どういう事??

(?0?)



●メーカーの狙いは?


スタッフの方いわく、ズバリ!!

DMを送るリスト客づくりをしている!

だそうです!!

(@O@)



そんなに人がたくさん来て、

隣に自社の販売する自動車があるのに〜!?

売り込みのチャンスを逃すのか〜?

正直、そう思いました。



そのスタッフの方が言うには、

焦ってオススメしても、車は

売れないんだそうです。

(>_<)



ですので、アンケートに答えてもらい、

連絡先などを記入してもらった後、

自由に遊んで帰ってもらうのだそうです。




そして営業は、次のステップから、だそうです。

後日、DMを送り、ショールームに来てもらう。

来てもらったお客さんが、追客のターゲットのようですね。



ターゲットになった後は、

営業マンの力量というべきでしょうか?

いろんな提案をして、車を販売するようです。

(^_^)



一通り、話を聞いて

とても勉強になりました。



●イベントは、情報収集のチャンス


みなさんの地域でも、きっと

同じようなイベントはやっているはずです。

(^_^)



今回は、車業界の事例をお話しましたが、

集客の工夫や、

営業のステップ。



これらの流れ・・・

我々の業界にも共通してませんか?



良い車だから、集客できるものではありません。

良い車だから、車が売れるとは限りません。



サービスが良いから、売れるという

単純な時代ではない、かもしれません。



大事なのは、

きっかけづくりや

無理のない提案をどうするか?が、

この時代には必要なのでしょう。



あなたの会社でも

新しいことや斬新なアイデアを

ドンドン盛り込んで、

挑戦してみませんか?

(^0^)



他の業界のイベントは

ネタの宝庫かもしれないですよ。



暑さに負けず、

かんばりましょうね!

(^O^)/




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○●○●○●○●○ 工務店MBA 業界ニュース ●○●○●○●○●



今回のテーマ「値下げ・値引き競争から抜け出そう」後編



■値下げ・値引きはなぜ起きる?


従来の坪単価設定を下げ、より価格の安い商品を投入する

といった値下げは、どうして多くなっているのでしょうか。



お客様サイドの理由は、年々見込客の年齢が低下し、

所得も下がっているため、高い商品は買えない

という購買力の問題があります。



ただそれ以上に問題と思われるのは、家づくりの常識を

親から受け継いでいない若年層が増えたということです。



例えば価格について言えば、今の日本で普通の家を建てる場合、

坪単価でいくらくらい必要か、といったことを知らない

お客様が多くなっているのです。



これは多分に、ローコストビルダーの急成長と連動しています。



ローコスト住宅と言っても、断熱性能、バリアフリー、

食洗器など、見た目には一般住宅と殆ど変わりません。



それでいてチラシには、30万円を下回るような坪単価が踊っています。



これでは、「我が社は坪50万円が標準です」

と言ったら、高いと言われても仕方ありません。



これに対し企業側も、お客様を納得させるような説明が

できる社員教育ができていません。



坪単価で10万円くらい、あるいはそれ以上の差があるわけですから、

小さな仕様の差くらいでは納得してもらえません。



勢いでライバルに合わせた低価格商品を投入することになります。

では見積書を提出した後で、値引き交渉が発生するのは何故でしょうか。



それを考える前に、値引きというのはそもそも

お客様が言い出すものなのか企業側なのか、

考える必要があります。



以下のデータは、10年近く前の古い調査ですが、

興味ある結果なので見てみましょう。 


【値引き要求】【割合】⇒【実際の値引き】【割合】      

   した   65% ⇒  あった    56%

           ⇒  なかった   9%


 しなかった  35% ⇒  あった    15%

           ⇒  なかった   20%



やはり値引きを要求する人が65%と過半数を占めます。

ただそのうちの9%は値引きなしでも契約しているわけで、

儀礼的に言ってみただけ、という人もいると見られます。



逆に要求しなかったのに値引きがあった人も15%いるわけで、

営業マンが弱腰になっている様子がうかがわれます。



■工務店の値引き戦略


値引きするかしないかは、会社の規模に関係なく

トップの意思次第です。



年間5000棟を超えるハウスメーカーでも、

殆ど値引きしない企業もあります。



ただ値引きが常態化しているのは事実ですし、

値引きしないと契約を取ってこれない社員が多いのも事実です。



自社の実態に合わせ、効果のある方を選択するのが現実的です。


【弊害の少ない値引きの手法】

・建物本体の値引きは極力避け、設備等のサービスで納得してもらう

・施主宅での現場見学会の開催などを条件とする

・値引き提示は、契約してくれることを条件に1回のみ

・今月中に契約していただければ、など着工促進に使う



【値引きしない企業のポイント】

・見積書提出までにライバルを蹴落す

・値引きによる弊害をきちんと説明する

・完成後50年以上メンテナンスしていく商品であることを説明

・リフォームサービス券、家事代行サービス券等でカバー

・何故値引きが悪なのか従業員に徹底する



値引きするにしても、本体見積に関する部分は避けるのが基本です。



自動車でも、顧客満足度の高いディーラーほど、

車両価格は一切値引きせず、付属品などのサービスで

対応しています。



仮に建物で値引きするとしても、

「価格さえ納得いただけたら、ご契約いただけますね」

と確認し、値引き提示は必ず1回だけとすることです。



小刻みに値引きを繰り返すのは、

かえって信用を落とすことになるからです。



値引きは絶対したくないということであれば、

会社の方針、担当者の人柄、商品の特徴などで、

ライバル企業と圧倒的に差別化し、早めに蹴落とすことです。



契約直前まで、対等に競っていたら、値引きはまず避けられません。

契約までに、あなたの会社のファンになっていただくことが必要なのです。



会社によっては値引きを絶対禁止とし、値引きした場合は

歩合給が減るなどペナルティを課すといったケースがあります。



しかし差別化なしでそれをやっても、結局受注が減ったり、

社員の定着率を下げることになります。



それよりむしろ重要なのは、値引きは会社にもお客様にも

よくないことを、全従業員に徹底することです。



先に示したアンケートにあるように、間違っても自分から

値引きを切り出す気の弱い社員に育てないことです。

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○●○●○●○●○ 工務店MBA 業界ニュース ●○●○●○●○●



今回のテーマ「値下げ・値引き競争から抜け出そう」前編



■住宅業界でも価格破壊が進む


日本の商品やサービスの価格は、ここ数年来伸び悩む傾向にあり、

消費者の価格指向もリーマンショック以降一段と強まっています。



消費者物価指数を見ても、日本の物価が

安定していることが分かります。



■総務省 消費者物価指数(単位は%)


        日本  米国  英国  独国  中国  韓国

 ・平成16年  0.0  2.7  3.0  1.7  3.9  3.6

 ・平成17年 −0.3  3.4  2.8  1.5  1.8  2.8

 ・平成18年  0.3  3.2  3.2  1.6  1.5  2.2

 ・平成19年  0.0  2.8  4.3  2.3  4.8  2.5

 ・平成20年  1.4  3.8  4.0  2.6  5.9  4.7

 ・平成21年 −1.4 −0.4 −0.5  0.4 −0.7  2.8

 ・平成22年 −0.7  1.6  4.6  1.1  3.3  2.9
 


住宅の価格も例外ではありません。

例えば住宅金融支援機構のフラット35を利用して

注文住宅を建てた人の平均建築費は、平成20年度が

2,921万円だったのに対し、21年度は2,760万円と、

1年で5.5%(161万円)も下落しています。



また住宅各社の状況を見ても、まず目につくのが

いわゆるローコスト系と呼ばれる、価格競争力を

武器にしたビルダーの元気さです。



注文住宅系のタマホームや建売分譲系の一建設グループの名は、

耳にすることが少なくないと思いますが、他にも全国各地で

そうした業者の成長ぶりが目立ちます。



価格も1000万円以下という、これまでの低価格の常識を

打ち破るような、超ローコスト住宅も登場してきています。



そうした動きに押され、一般のビルダーや工務店でも、

自社で独自に開発したりFCに加盟するなどして、

低価格住宅を品揃えするケースが増えています。



そうした商品を持つことで、集客力をアップしたり、

ローコスト系ビルダーに負けることを防ごうという狙いです。



これまで高価格政策を維持してきた大手ハウスメーカーも、

こうした業界全体の動きを無視できず、ここ2〜3年で

低価格戦略を強めています。



ビルダーほど低価格ではありませんが、

平均で2000万円を割るような、社内では

最も下に位置づけられるような商品です。



中には、床面積は25坪以下ですが、

1000万円を割るケースもあります。



■住宅業界における値引きの実態


住宅は、何千万円もする高額商品だけに、

金額の多少はともかく値引きの慣習が、

昔から少なからずあることはご承知の通りです。



値引きの手法は、以下のようなものがあります。


・建築費そのものを値引く

・仕様・性能をサービスする〜断熱、バリアフリーなど

・設備をサービスする〜エアコン、太陽光発電など

・引っ越し、建替えの場合の仮住まいなどを安価な費用で提供

・モニターなど協力の名目で値引き


さてその値引きの実態ですが、ここ数年いわゆる、

価格の叩き合いというようなケースは少なくなりました。



また数百万円単位という、常識では考えられないような

大幅な値引きを聞くことも、少なくなりました。



ブログなどを通して個人が情報発信しやすくなったことで、

値引き情報をネットで公開され、かえって信用を失くす恐れが

大きくなったことが、理由の一つと思われます。



また値引きを予想して予め見積価格を高めにするといった行為は、

コンプライアンス上でも許されなくなったこともあります。



ただそうとは言っても、広い意味での値引き行為が

大幅に減ったわけではありません。



見聞している範囲では、70〜80%以上は何らかの値引きや

サービスがあると見ていいのではないでしょうか。



良し悪しは別として、ライバル企業は値引きや物品のサービスを、

何らかの形でやっているということです。



あなたの会社が、値引きするにせよしないにせよ、

これを前提として対策を練る必要があります。




(情報提供:住宅産業研究所)

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