【工務店MBA】建築業界の最新ニュース(H21 6/15号)
MBA
2009.6.22
今回のテーマ:やる気を起こさせる社員の評価〜工務編 09年06月15日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【工務店MBA】建築業界の最新ニュース
発行:株式会社ナック
工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
日下部 興靖
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
日下部 興靖
家を建てるお客様は、どうやって住宅会社を 選んでいるのでしょうか? ●「インサイト」というマーケティング 先日、私の尊敬するWEBデザイン会社があります。 とても、お客様のハートを掴むのが上手で、デザイン性も 良いので、いつも「凄いな〜」と思っている会社です。 ある日、その担当者に、 「どうやったら、そんなページが作成できるの? 勉強方法を教えてよ!」 と質問したところ、オススメしていただいたのが・・・ 「思わず買ってしまう」心のスイッチを見つけるための インサイト実践トレーニング (単行本) 桶谷 功 (著) という本でした。 ●インサイトとは? この本によると、「インサイト」とは・・・ 人が思わずモノを買ったり、行動を起こしたりする 心のホットボタンを、「インサイト」と呼びます。 という事でした。 HONDAのエコカーのお話ではありませんよ! (^_^) ●例えばインサイトとは・・・ 缶コーヒーを選ぶときに、なぜその缶コーヒーを選ぶのか? 例えば、AとBという缶コーヒーがあり、Bという缶コーヒーが 「Bのほうが甘くなくて、味がすっきりしていて後味がいい」と 答えた人に、実験を行ないます 2種類の缶コーヒーを紙コップに注ぎ、飲み比べてもらうと、 必ずしもBを選ぶとは限らないそうです。 と言うことは、缶に印刷されたパッケージやメーカー名、 キャッチコピーなどから「甘くない」「味がすっきり」などの 影響をうけて、購入している可能性がある・・・。 無意識の部分で購入を判断しているんですね! 逆に言えば、 どこから「すっきりした美味しい味」が連想されたのか、 その無意識の部分を解明できれば、売れる商品を設計 することができる・・・ とのことでした。 ●私の感想・・・ インサイト・・・ 「人が思わずモノを買ったり、行動を起こしたりする 心のホットボタン」 この部分がわかれば、その後のマーケティングは とても楽になります。 私がこの本を読んで感じたのは、 「難しく書かれているけど、私がやっていることと一緒だな!」 という事でした。でも、そのインサイトの導き出す方法は、 とても勉強になりました。 私はマイホーム大学を使ってエンドユーザーを集め、 掲載している工務店さんに資料請求をしてもらおうとしています。 マイホーム大学で行なっているマーケティングの根幹には、 「インサイト」をわかった上で行なっているんだ・・・ という事が確認できた本でした。 (わたしは別の方法でインサイトを導き出していました。 それがインサイトという言葉になっているとは知らず、 読んでみて納得できる本でした。難しかったけど・・・。) ●家を建てるお客様のインサイトを知ろう! お客様は住宅会社を選ぶときに、どうやって住宅会社を 選んでいるんでしょうか? お客様は家を建てるときに、多くの住宅会社の中から、 まずは7〜10社くらいに絞り込むと思います。 そこに資料請求してみてから、見学会に参加するか営業マンに 説明を聞いてみて、さらに3社くらいまで絞り込むようです。 何段階かに分けて、絞り込む作業をするんですね。 初期の段階で7〜10社に選ばれなければ、そのお客様との 縁を持つことはできないでしょう。 逆に、そのお客様にどの段階でも選んでもらう事ができれば、 プランや価格で決めると言う「本気の決断」になります。 それ以前の段階では、 「なんとなく、こっちの住宅会社の方がいい感じ!」 「こっちの営業マンのほうが、相性がいい!」 という「無意識の感覚」で決めている可能性が高いのです! ということは、「家づくりをする人のインサイト」がハッキリすれば、 無意識まで利用して営業する事ができるのです。 大手では既に行なわれていることかもしれませんが、 工務店でそこまで考えている社長も少ないと思います。 「この会社がいいな〜」 「この会社に話を聞きたいな〜」 という「心の琴線に触れる」ことを狙ってできるマーケティングが できれば、売上UPも難しくはないでしょうね! 私もまだまだ見つけきれていないと思うので、 皆さんと一緒に探していき、マイホーム大学で 実践していきたいと思います。 ●もう1冊のオススメ本! 最近、本を出版する工務店さんが増えています。 しかし、私はそのような本をご案内することはありませんでした。 でも・・・ http://www.home-builder.jp/trablog/2009/06/post_227.html この本は紹介したいと思います!! (^_^) ●感謝! ありがとうございます! ありがとうございます! 資料請求ツールパックの「事前予約」を、 たくさんいただいています。 本当にありがとうございます。 事前予約の100セットは完売しました。 印刷会社と相談して、次の予約を取りたいと思います。 また、ご案内しますね! v(^_^)v ○●○●○●○●○ 工務店MBA 業界ニュース ●○●○●○●○● 今週のテーマ「やる気を起こさせる社員の評価」〜工務編 1.工事社員に期待する仕事は何? 工事社員の仕事は設計社員以上に多様で、その上、 企業の利益率に影響する業務が少なくありません。 しかしどの企業でも、その業務内容が社員の評価に 反映されることは、あまりないようです。 工事社員に求められている仕事は、大きく以下のように分類されます。 <業務内容> <求められること> 発注・指示 工程管理(工期通りの竣工)、引渡し件数の多さ 巡回・検査 品質管理(図面通りの建物) 予算・決算 利益管理(工事予算の厳守) 施主連絡等 顧客管理(日常的な対話、追加変更、CS) 最も基本的な仕事は、まず予定工期通りに完成して、 お客様に引き渡すこと。 いわゆる「工程管理」という業務です。 それには無理のない工程表を作り、業者を選定・発注し、 日常の巡回で遅れをチェックするといった作業が必要です。 次に、図面通りにミスなく仕上げる「品質管理」業務です。 いくら引き渡し件数が多くても、これができなければ 何の意味もありません。 ただ余程大きなミスでない限り、日常の現場巡回や検査で ミスが見つかることは殆どないのが実態です。 その意味では、品質管理は重要な仕事ですが、 工事社員の業務としての比重は、それ程大きくないと言えます。 工事予算を作成し、竣工後に決算をして、予定通りの 粗利益率が確保されているかどうかを確認する 「利益管理」も、経営上重要な仕事です。 粗利益率が予定を下回る要因は、工程管理のミスで 職人に手待ちさせた、色違いなど資材の発注ミス、 養生の不徹底による損傷・取替えなど様々です。 逆に発注を積算より低くしたなどで、 利益率が上昇するケースもあります。 CS(顧客満足度)が業界の重要テーマになり始めて以来、 工事社員の重要業務になったのが「顧客管理」です。 色々なユーザーアンケートを見ると、工事期間中で 一番多い不満は「連絡がない、少ない」とされています。 このため工事社員に定期的な連絡を義務付けたり、 他の業務を減らして面談回数を増やすような 企業も増えています。 2.工事社員をどう評価するか 工事社員の評価は、決められた業務をその通り実行したか、 という点が重視されるケースが大半です。 ポイントは以下の通り。 ・引渡し件数(件数に応じ手当てがあるケースも) ・予定粗利益率のアップ・ダウン ・工期の遵守 ・お客様の満足度、クレーム(アンケート等) ハウスメーカーを含め殆どの企業では、評価の7〜8割を 引き渡し件数に依っていると思われます。 これは他の職種と比較して、個人による質的な差が 出にくいためでしょう。 営業のような成績による歩合制を設けている企業は 殆ど見られませんが、1件5000円から10,000円くらいの 手当てを支給しているケースはあります。 個人による件数の差は、頻繁に現場に行かずに済む手配を しているなど、段取りの手際の差によるところが大きいようです。 また、利益率は上がるより下がることの方が、 圧倒的に多いのが実情です。 ただ、多くの場合、その原因は営業マンの口約束や 積算の拾いミスなど、前工程にあるようです。 つまり、最終的な引継ぎの時、それを発見する 能力で利益率の差が出るわけです。 一方、利益率が上昇するのも、積算が資材を過剰に 見積もっていたなど、前工程に起因するものが多いようです。 それを工事社員がそのまま下職に発注して余材が出る場合と、 必要量だけ発注し直す場合で、利益率の差が出るわけです。 一般に施主への見積りは余裕のあるケースが多く、 企業によっては粗利益率のアップを工事社員に 指示しています。 ただし、やりすぎると下職との関係が ギクシャクするため、注意が必要です。 お客様の満足度向上を工事社員の重要業務に 位置づけている企業は多くありますが、 その評価は簡単ではありません。 そのため、入居後のアンケート調査の中に、 住み心地だけでなく、工事社員の対応も含めた 質問を設定している企業が増えています。 大きなクレームや工事の遅れなど、目立ったトラブルを 起こさなければ、引き渡し件数で評価されるのが、 多くの企業の現実です。 そのせいか、営業や設計に比較して工事社員の モチベーションが低いというのも、共通した問題です。 入居者からの紹介発生件数や、現場周辺からの引き合い発生など、 もう少し前向きな評価も導入していくべきでは、と考えます。 (情報提供:株式会社 住宅産業研究所)