【工務店MBA】建築業界の最新ニュース(H20 6/16号)
MBA
2008.6.16
今回のテーマ:中古住宅再生に参入せよ!【後編】 2008年6月16日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【工務店MBA】建築業界の最新ニュース
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【工務店MBA】建築業界の最新ニュース
発行:株式会社ナック
工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
日下部 興靖
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
日下部 興靖
●はじめに こんにちは!ナックの日下部です。 先日、ある上場企業からセミナーを案内するFAXが来たので、 参加してきました。 なぜ、参加したのかと言うと、宛名に「ハウスメーカーの経営者様へ」 と書かれており、新しいことを提案するような事が書かれていたので、 偵察に行ったのです。 話の内容はとても面白かったのですが、住宅会社さんに向かって 副業を進めるような内容でした。 でも、建築の内容ではないのです。 これって、建築を辞めろと言うことでしょうか? しかし、実際に数多くの参加者が来ていて、後から気が付いたのですが 建築会社向けのセミナーではなかった!!のです。 住宅業界向けとは、私の勘違いだったのでしょうか?(笑) さて、先週に引き続き、中古再生ビジネスについてお送りします! 私の参加してきた事業よりも、良い市場のような気がします。 ○●○●○●○●○ 工務店MBA 業界ニュース ●○●○●○●○● テーマ 「中古住宅再生に参入せよ! 後編」 2.大量にある中古住宅のストックを狙え〜全面リフォーム、中古買取再生 これからの時代、新築ばかりを狙っていては時代に取り残されます。 大手の積水ハウスも、中古再生事業を本格化させてきました。 同社の場合は、自社物件に限っての買取再生事業ですが、新築の目減りを リフォームでカバーしようということでしょう。 大手が本気になったらあっという間に波に乗ってしまいます。 既にブームの波は来ているのです。 自社ストックは一番入り込みやすいので、老舗の工務店の方は、自社の ストックを見直してみると良いでしょう。建替え狙いではなく、 リフォーム狙いでいけば案外受注が取りやすいかもしれません。 ただリフォームは儲からないと言われます。 確かに利益率の低い会社が多いのもまた事実です。 小さいリフォームばかりをやっていると、利益はほとんど出ません。 大体1000万円前後の全面リフォームを狙いたいものです。 少し事例を見てみましょう。 ◆年間7000のリフォーム成功事例〜住友不動産の新築そっくりさん よくチラシが新聞に折り込まれてきますから、皆さんご存知のこと と思います。年間7000棟もの実績で、全国1位のリフォーム業者です。 何故、こんなに成功しているのでしょうか。 細かいことは書ききれませんが、まずターゲットを明確にシニア層に 絞っていることです。新築に建替えるには予算が足りず、このままでは 問題がある物件をリフォームしています。 こういったお客様は、出来ばえに対する期待が建替えほど高くないのが ポイントです。とにかく新築そっくりに仕上げれば満足してもらえます。 納得済みの割り切り客が多いというわけです。またシニア層は引越し などの面倒を嫌いますし、長年住んだ家への愛着という点でも、 リフォームに傾きやすいようです。 価格設定を明確にして、基本工事とオプションを分けているのもポイント になっています。間取り変更などはオプションですから、プランなどは 必要ありません。間取り変更や屋根葺き替え、外壁サイディング等の オプションを加えると、結局1000万円台前半の大きなリフォームになって、 事業としては十分にやっていけます。 旧家を狙って、リフォーム提案するのもいいでしょう。 地域によっては壊すのが勿体ない立派な家もありますよね。 これには技術力が必要ですが、技術に自信ありという工務店は 旧家リフォームを事業化してみてはどうでしょうか。 ◆中古買取再生はフジ住宅が先行 中古の買取再生も、土地仕入れのノウハウを持っていると一つの事業 として成り立ちます。群馬のやすらぎという会社が4000棟くらいで全国1位 ですが、同社は競売物件の買取再生で、「安く仕入れて安く売る」ということで 伸ばしてきました。 土地付き中古再生住宅が1棟1400万円くらいです。 競売の仕入れは独特なノウハウがあるので、少しマネはしにくいかもしれません。 またビルダーでは大阪のフジ住宅が中古買取再生で成功しています。 地域密着の分譲系ビルダーですから、土地情報、買取り査定能力が高く 成功しました。但し戸建のリフォームの場合は、傷みがひどかったりすると、 工事費用が結構かさんでしまいます。 定額制で見積もった場合は、赤字になってしまうこともあるので要注意です。 とにかく、この中古買取再生の事業は、安く仕入れることができれば、 利益を生みやすくなります。 ◆リノベーションはマンションの方が参入しやすい 中古再生の成功事例を見てみると、「様々なノウハウがあって結構 難しいのでは?」と思われるかもしれません。 でもマンションだったらどうでしょう。 マンションは構造をいじることはありませんので、中をすっかり空っぽにして、 スケルトンリフォームをするというやり方が主流です。 最近よく耳にする、「リノベーション」という事業です。 この分野での成功例として、東京のインテリックスがあります。 いち早くこの分野に参入し、年間1500件くらいをこなし、年商500億円にも なりました。 都内23区では中古物件の方が、新築マンションよりも立地が良いことがよく あります。そういうマンションは中古で買ってリノベーションして売れば 結構高く売れます。 デザイン性の高いリフォームを施せば、新築以上の価値にまで高められる場合も あるでしょう。 注意点は、「目に見える部分はきれいに素晴らしく生まれ変わったとしても、 直せない部分もある」ということ。構造が悪いものは論外ですが、管理体制が しっかりとしていないマンションは価値が下がります。 大規模修繕がちゃんとされているか、積立金は貯まっているか、共用部分の清掃や 住民のマナーなど、しっかりしているかなど、チェックする必要はあります。 またマンションでは近隣対策も重要で、騒音問題はもちろん、配管工事などでトラブルに ならないよう、上下両隣への対応はしっかり整えておきましょう。 (情報:株式会社 住宅産業研究所) ●次回予告 次回のテーマは、 「始まった!住宅会社の大淘汰時代」 を予定しています。 お見逃しなく!!!!!