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技術開発のトレンドは耐震と全館空調商品・トレンド,ハウスメーカー,耐震・制震・免震関係,太陽光/省エネ/ZEH関係

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2018.10.8

震災が発生すると、問題視されるのは建物の耐震性です。2016年の熊本地震時以降、繰り返しの地震により多くの家屋が倒壊したことを受け、繰り返し地震に対する耐震性が重要視されています。大手ハウスメーカーの三井ホームでは、、、、

TVCMで「震度7に60回耐えた家」というフレーズで自社の住宅性能をアピールしていますが、ビルダー業界においては制震装置を住宅に標準化していること訴求する企業が増えており、現在の潮流の1つと言えます。


居住者の安心・安全を支える耐震性能


全国の有力地場ビルダーが採用している制震装置の1つには、住友ゴムが開発した「ミライエ」が挙げられます。


同商品は軸組工法、2×4工法はもちろん、2,700mmの高天井の住宅にも設置可能です。ミライエ内部には特殊な「高減衰ゴム」が導入されています。地面から伝わる地震のエネルギーを、高減衰ゴムに配合している細かいパウダー状の石同士がこすれあい、発熱することで熱エネルギーへと変換し、揺れを最大70%抑えています。震度7のエネルギーを受けると、ゴムは約5度上昇するとのことです。


設置箇所としては延床面積100平米の2階建ての場合、1階に妻方向、桁方向それぞれ2台、合計4台で一定の効果を発揮します。既に全国で設置棟数累計20,000棟を超えており、木造住宅用制震ダンパーとしては供給実績No.1を謳っています。


また、ミライエの有用性は熊本地震でも実証されています。前震からの本震と前例にない揺れにより、多くの家屋が倒壊した中で、熊本県のミライエを装着した全住宅132棟は倒壊しませんでした。


ビルダー業界では開発コストの削減から、制震メーカーの制震装置を使用することが主流でしたが、最近ではビルダーが独自に制震装置を開発するケースも出てきました。


石川県から全国に拠点を拡大してきた秀光ビルドは、年間受注棟数3,000棟を超えるビッグビルダーに成長しました。このスケールメリットを活かし、18年5月、「SKダンパー」を開発しています。


既に実証実験を実施しており、阪神大震災レベル、熊本地震レベルの揺れを10回以上加えても、ほぼ損傷なしという結果が確認されました。この制震材には、優れた制震性能を安定して発揮するフェノール樹脂を採用しています。大臣認定を取得しており、壁倍率は2倍です。


快適な生活を実現する全館空調システム


全館空調最大のメリットは、家中どこにいても一定の温度が保たれることです。温度差が原因のヒートショック発生確率が低減し、居住者の身体的負担軽減を図ることができます。また、エアコンなどの機器が視界に入ってこないため、部屋の見た目がすっきりすることも特長です。


一方デメリットとしては、室内が乾燥しやすくなること。特に冬場に全館空調を起動していると、朝目覚めた時に乾燥から喉を傷めるケースも少なくありません。また、全館空調が故障した際には、家中の冷暖房が効かなくなることもデメリットの1つと言えます。


2010年代後半より、ビルダーによる全館空調開発が徐々に加速しています。ビルダー業界で、認知度の高い全館空調システムといえば、桧家住宅の「Z空調(ゼックウチョウ)」でしょう。俳優の斎藤工氏を起用したTVCMは、インパクトがあり、記憶に残りやすいです。


ヒノキヤグループが2016年12月に発売した全館空調システム「Z空調」の17/12期時点での累計受注件数は2,300棟。引き渡し棟数としては1,100棟まで拡大しました。


「Z空調」の仕組みは、2階建ての住宅であれば1階、2階の天井にビルトイン式のエアコンを埋め込み、ダクトで各部屋に送風されるというものです。全館空調を実現するための建物の断熱性・気密性を「ヒノキヤグループ」が確保し、空調機器を「ダイキン」が開発、換気機器に関しては「協立エアテック」と3社が有する技術力のコラボにより実現した「新時代冷暖システム」です。


身体にも家計にもやさしく、発売当初は無料搭載キャンペーンも打ち出すなど、大々的にアピールしました。同社ではZ空調の性能を確認すべく、実験棟を建設し、実証結果を公表しています。


夏の暑さが厳しい埼玉県伊奈町と、冬の寒さが厳しい長野県佐久市の住宅地に建設し、実証実験では室温と消費電力を計測しました。結果、冬は外気温が-5.1度でも20度以上、夏は外気温が35.3度のときも26度程度に室温を保つことが確認され、断熱・気密性が高い家は省電力・小馬力のエアコンでも、快適な室温を維持できることが証明されました。


温度設定はフロアごとに可能です。2階建ての住宅であれば、日中の太陽による熱射で暑くなりやすい2階の温度は低めに設定したり、人のいない階の空調を弱めたりと臨機応変に対応することができます。


(情報提供:住宅産業研究所)

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