具体的に何を忘れてはいけないのか
ナックの松田です。昨日で、東日本大震災から、7年が経ちました。各メディアで、災害時の映像、被災地の現状などを見かけると、今でも当時の記憶が蘇ります。
新しい街になっていく。。。
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私の地元は、被災しており、震災から1ヶ月後くらいに帰省した際に見た、街の様子は今でも忘れられません。
実家は、すぐ近くまで津波がきてましたが、幸いにして、被害を免れましたが、物心ついた頃から練習していたグラウンド、通学路、友達の家、学校、海水浴場など、今まで、在って当たり前の光景が、変わり果てていたことに、言葉を失いました。
私の周りだけでも、住み慣れた「家」、建てたばっかりの「家」、住んでた「アパート」など、「家」を失った人が、たくさんいます。「家」には、生活に必要な家財だけでなく、たくさんの思い出、記憶、写真、記念の物が、詰まっており、かけがいのないものを失った痛みを、目の当たりにし、改めて「家」の存在の大きさを知ったのもこの時です。
7年経った今でも、約7万3千人が全都道府県に避難していて、岩手、宮城、福島の3県では、1万2千人以上が今なお、プレハブの仮設住宅で暮らしているそうです。今では、復興の名の下、街の再生が行われています。
私の地元でも、、、災害公営住宅が市内に、20箇所以上作られ、三陸自動車道が伸びてきている途中で、街中、山の中、あちこちに橋桁が、点々と建設されていたり、ものすごく大きな防潮堤が出来てきていたり、日々、新しい街の姿が、形作られています。
完成までにまだまだで、復興のための変化は続き、時間はかかります。それと同じくらい、それ以上に、生活を根底から覆された現地で、生活している人達には、変化を受け入れられるまでには、7年経ってもまだ時間が必要なのかなと思います。
風化させないの意味
古くから、日本は、自然災害の脅威にさらされてきました。地震、津波、台風、洪水、大雪、世界的に見ても、災害の多い国と、表現されることもあります。
多くの困難を乗り越えてきた日本で、災害後にほぼ必ず言われているのが、「忘れない」「風化させない」ではないかと思います。
この言葉を聞いて、以前にも書いたことが、ありますが、具体的に何を忘れないで、風化させないのか?災害があった後、メディアが取り上げなくなったからといって、その被害が、なくなるわけではありませんよね。当事者でなければ、なおさら、関心が薄れ、風化していくことは、否めません。
一方、被害にあっていれば、悲しみや苦しみは、いつまで消えず、中には、もう思い出したくない、忘れたいと思う人もいるかもしれません。ですが、経験を無駄にしない意識だけは、忘れず、風化させてはならないのではないでしょうか。
「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉があるように、いつ何時、何が起こるか誰にも分かりません。災害が起こった後は、高い危機意識が芽生えます。でも、年月や世代交代を重ねることによって劣化を避けられません。
ですから、危機意識の風化がなるべく少なくなるよう、古くから記念碑などを建て、後世に伝えるようにしているんだと思います。
良くも悪くも、人は忘れる生き物。でも、こういった経験を、次の世代になるべくでも避けてもらえるようにバトンを渡していくことも、現代に生きる私たちの役目のひとつなのかもしれません。