12年ぶりの・・・
ナックの松田です。今週は、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となり、全国的に寒い一週間になるようです。ちなみに、、、、あくまでも、予想の範囲ですが、今年は一部地域で、平年よりも、多い降雪が予想されています。
12年ぶりの・・・
降雪が多い予想がたてられた要因のひとつとして、12年ぶりに発生している「黒潮大蛇行」があげられます。
「黒潮」は、日本列島の南岸に沿って流れ、房総半島沖を東に流れる海流、日本近海の代表的な暖流です。日本付近の海況に多大な影響を持ち、水産、海運等に重要であるだけでなく、大量の熱を熱帯から運ぶことで、日本を含む広い地域の気候に影響しています。この「黒潮」に異変が起こっているのです。
夏ぐらいから、冒頭にも書きましたが、例年とは異なり、「黒潮」が大蛇行していると、とりあげられていました。「黒潮大蛇行」は、1967年以降、5回発生しており、最近では04年7月に発生しています。
気象庁からも、「黒潮が12年ぶりに大蛇行しているとみられる」と正式に発表され、様々な影響が懸念されます。黒潮が蛇行すると、魚の獲れる量が大きく変化するなど、私たちの暮らしに影響が出てきます。
04年の発生時には、シラスやカツオの漁獲量が、著しく下がりました。また、、、黒潮の流路が変わると、沿岸域では水位が上昇し、満潮時には浸水するなどの影響を及ぼす「高潮」にも注意が必要となります。
過去から予想されること。
そして、これからの時期に、最も注意したいのが、降雪です。「大蛇行」の年には、暖気があまり北上しないことから、雪日数が増えるというデータがあります。
しかも、ただの降雪ではなく、災害の程度が著しい場合に気象災害名としても用いられる「豪雪」。過去の記録的な「豪雪」は、黒潮大蛇行の期間と重なるか、その前後に発生しています。
具体的な年数が下記となります。
昭和38年、昭和52年、昭和56年、昭和59年、平成18年。
「大蛇行」の年には、特に、東京に寒波が襲来し、大雪が降る可能性が、高くなるそうです。東京だけではなく、平成18年の豪雪の際には、前年12月、初旬から降り始めた雪が止まず、異常な低温と連続する降雪により記録的な積雪深をもたらしました。
平成18年1月に入っても低温、降雪が止まず、北海道から山口県にいたる雪国全域で死亡者を伴う被害が多発しました。このため県および市町村単位で多数の豪雪対策本部が設置され、長野県,新潟県など6道県では自衛隊の出動が要請されております。
具体的な被害として、住家全壊18棟、半壊28棟、一部損壊4,667棟、床上浸水12棟、床下浸水101棟などが報告されています。
「黒潮大蛇行」のメカニズムや影響は、全て解明されているわけではなく、今日の話も、現時点ではあくまでも、予測の範囲ではありますが、過去のデータからも、今年の冬は、いつもより、用心しておくことが良いかもしれません。