CEATECが示す“未来の街”商品・トレンド,業界ニュース,市場動向,ハウスメーカー,IoT/AI/VR関係
今回は、シーテック2017の象徴として、シーテックの会場中央に設けられた「IoTタウン」について取り上げます。「IoTタウン」は、“未来の街”をコンセプトに、異業種を中心とした15のブースで構成されています。IoTによって、私たちの生活がどのように変化するのかという未来の暮らしを提示し、話題を集めました。また、この「IoTタウン」には、住宅関連会社も出展を行っており、未来の住宅についても展示されていますので、ご紹介します。
Society5.0を実現する「IoTタウン」
シーテック2017では、主催者企画により、「Society5.0の展示会」としての立ち位置を強調したことでも話題となりました。「Society5.0」とは、内閣府が発表した「第5期科学技術基本計画」で示された「超スマート社会」の実現を目指す様々な取組みの総称です。
人類がこれまでに形成してきたとされる、
1.「狩猟社会」
2.「農耕社会」
3.「工業社会」
4.「情報社会」
に次ぐ5番目の社会として、国は「超スマート社会」の実現を目指しています。超スマート社会とは、インターネットが形成する仮想世界と、現実世界がつながったシステム社会を意味します。
健康、医療、交通、産業、環境等で使われる様々なモノに内蔵されたセンサーが取得した情報を、仮想空間であるクラウドに集め、ビッグデータ処理等を施し、また個々に還元し、私たちの生活の向上に役立てようというものです。
シーテックのIoTタウンでは、旅行代理店大手のJTBが大型空中ディスプレイやリモート接客システムを展示しました。これらは旅行前の情報収集や、申込みの円滑化が図れ、旅行手配をより発展させたサービスということです。
また、同社とパナソニックが開発したクラウドサービスでは、訪日外国人向けのサービスとして、外国人客の属性や旅程等の情報を様々なサービスと連携させることを可能としました。これにより、旅行の申込時に氏名や宿泊先住所等の記入作業が不要になるということです。
その他にも三菱UFJフィナンシャルグループでは、同社独自の仮想通貨である「MUFGコイン」を使った自動販売機の展示を行いました。これは、MUFGコインでの決済に対応したスマートフォンを自動販売機に近づけると商品が出てくるという仕組みになっています。
同社では、すでに社内で仮想通貨を使った実証実験を行っており、今後実用化に向けてさらに開発を進めていくということです。
家の内と外に展開するスマートホーム
住宅関連会社では、LIXILによるスマートホームの出展が行われました。LIXILでは、IoT技術と、従来のエクステリア商品を融合させた「スマートエクステリア」を展示しています。
近年、防犯意識の高まりや、高齢者やペットなどの見守り需要の拡大、配送業者の人材不足等により、住宅に関する課題は多様化しています。
そこで、LIXILではネットワークシステムを活用してこれらの課題を解決し、便利で安心な暮らしを実現するシステムの開発を行いました。
「スマートエクステリア」は、室内からエクステリア空間までを見守ることのできるホームネットワークシステムです。すべての機器を制御する「ホームユニット」を住宅内部の無線LAN環境に登録し、「屋内/屋外カメラ」を「ホームユニット」に登録することで、外出先からでもスマートフォンを使って屋内外の映像や音声を確認でき、家族やペット、愛車等の様子を見守ることを可能としました。
また、宅配ボックス「リンクスボックス」も「ホームユニット」とつながり、荷物の受け取り・取り出し状況をスマートフォンで確認することが出来ます。
さらに今年6月に発売した「カーゲート用通信ユニット」では、車載リモコンやスマートフォンからカーゲートの開閉操作ができるほか、音声認識機能を利用した開閉操作も可能です。
開閉を通知する機能も搭載しており、家族の外出や帰宅をスマートフォンで確認できるだけでなく、屋外カメラと連動することで侵入者が近づくと検知し、通知してくれるといった自宅の見守り機能も搭載しています。
同社では、今後も異業種連携を進め、スマートホームや住宅へのIoT普及を通じて、豊かで快適な住生活の実現に貢献していくということです。
(情報提供:住宅産業研究所)