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住宅会社におけるグッドデザイン賞の意義とは商品・トレンド,集客・マーケティング,経営・人材育成

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集客・マーケティング
商品・トレンド
2017.10.30

10月4日、2017年度グッドデザイン賞が発表されました。今年度は審査対象だった4,495件のうち、31%に当たる1,403件が受賞となりました。住宅や不動産、建材メーカー系の企業も多数受賞しており、大手ハウスメーカーでは5社12件です。


2017年度グッドデザイン賞発表、住宅会社の受賞作品多数


なお、住宅関連の受賞作品のうち、野村不動産の「自由に水回りをレイアウトできる住宅『ミライフル』」と、MUJIHOUSEを展開する良品計画の「小屋『無印良品の小屋』」に関しては、「グッドデザイン・ベスト100」にも選出され、グッドデザイン金賞等特別賞の候補となっています。


グッドデザイン賞のベスト100は倍率40倍を超える狭き門であり、2つの応募作品が創造性や機能性の高さの面で審査員に響いた結果と言えるでしょう。


グッドデザイン賞に関する話題は、参加していないから自社には関係がないということではなく、受賞作品の中には参考にできるアイデアがあるかもしれないという観点を持つことが重要です。


野村不動産の「ミライフル」は集合住宅において、住戸の外部に排水立て管を配置することで自由度の高いキッチンレイアウトを可能にした作品です。住戸内にパイプスペースの設置が不要となるため、新築時だけでなく、リフォーム時においてもフレキシブルな間取り変更が可能となるでしょう。


「ミライフル」は集合住宅を対象としているため、戸建住宅とは関係のない作品とも捉えられます。しかし戸建でも2階や3階に水まわり設備を配置する場合は集合住宅同様、下階にパイプスペースの設置するケースが多々あります。


メンテナンスのしやすさやリフォーム時の工事の円滑さなどは新築時の基本設計のフェーズから追求するべきであり、リフォームコストの削減にも寄与することでしょう。


もう1つ、ベスト100に選出された作品が良品計画の「無印良品の小屋」。設計を担当したのは、日本を代表するプロダクトデザイナー深沢直人氏です。


一見するとただの小屋とも捉えられますが、商品の外観写真を見るとシンプルで優れたデザインであることが伝わってきます。


室内は9平米とコンパクトですが、屋根勾配と縁側へ連続する開口により、広がりを感じられるように配慮されています。コンセプトである「小屋のある暮らし」という新しいライフスタイル提案も評価されている点です。


「住宅」を提供する住宅会社にとって馴染みの薄い商品ではありますが、この「小屋」の見せ方やコンセプト提案は普段の営業活動にも反映できる要素でしょう。


例えば、外観や内観パースは建物だけでなく、人を描くことで空間の広さ、天井の高さなど図面上の寸法だけでは把握できない部分を確認できます。リビングでパーティをしている内観パースを披露することで、顧客が「こんな生活が送りたい」と感じ、提案内容に興味を持っていただけるきっかけにもつながるでしょう。


コンセプト提案に関しても、これまで伺ってきた要望などを反映させることで、顧客から「ちゃんと話を聞いてくれる人だ」と印象付けられ、信頼関係の構築につながることを留意しておきたいところです。


エンドユーザーのグッドデザイン賞に対するイメージとは


グッドデザイン賞を広告ツールの1つとして、また営業活動の一貫として活用したいという考えは多くの企業にあるでしょう。


主催する日本デザイン振興会は、グッドデザイン賞の認知率に関する調査を今年1月、2000名内外を対象に実施しました。


まず、「『グッドデザイン賞』を知っていますか」という設問では、55.7%のユーザーが、「良いデザインを選ぶ賞であることを知っている」と答えました。


年齢層で見ると30代前半と60代前半が62.7%と最も高く、40代後半の48.1%が最低でしたが、それでも半数近くが認知しています。年齢に関係なく、国民全体に認知されている賞と言えるでしょう。


「『Gマーク』受賞企業のイメージをお選びください(いくつでも)」という設問では、「センスが良い企業」という回答が最高の61.5%に上りました。


この他、「ものづくりが上手な会社」(回答率55.9%)、「時代をリードする先進的な企業」(回答率33.0%)などプラスイメージを持たせる回答が続きます。


グッドデザイン賞を販促の1つとして活用する企業が多いこともうなずける結果です。


グッドデザイン賞がエンドユーザーにプラスイメージを与える以外にも、受賞企業の社員のモチベーション向上を図れることも忘れてはいけません。社員の使命として、顧客満足度の向上が業務のプライオリティであることはもちろんですが、これまで取り組んできた業務を客観的にグッドデザイン賞として評価されることは社員の満足度向上につながるでしょう。


また、社員に向けても、ユーザーに向けてもプラスな作用を期待できるグッドデザイン賞の受賞を企業目標の1つとして掲げることは有用かもしれません。


(情報提供:住宅産業研究所)

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