「家」だけで12個も言い方がある!?集客・マーケティング,営業・接客,コミュニケーション
ナックの松田です。ネットの記事を何気なく見ていて、ちょっとドキッとしたことがありました。その記事は、どこかの中学校で生徒にある言葉を使うことを禁止したいう内容でした。テレビでも取り上げられていたので、知っている方もいらっしゃると思いますが、そのある言葉とは、、、
「やばい」
ん~、胸に手をあてて考えてみると、中学生ではないですが、自然に「やばい」を使っているな~今から、使うなと言われたら、ちょっとやばいかも・・・
とっ、ドキッとしましたが、あ~もう使っちゃってるわ(T_T)と、「やばい」が日常に溶け込んでいることを、1人で、実感してました(汗)
「やばい」の意味がやばい!?
どこかの中学校で、禁止された理由は、詳しくは分かりませんが、生徒が、なんでもかんでも「やばい」でしか、表現できなくなってしまうことを、危惧したのかもしれません。
現代での「やばい」の有用性は、とても高く、その証拠に老若男女、幅広く、使われています。
少しやっかいなのは、意味がたくさんあるという部分。辞書での「やばい」の意味は、
・危険や不都合な状況が予測されるさま。
・あぶない。
ですが、若者を中心に意味が、多様化しています。
同じ「やばい」でも、、、
【評価】愛らしい/かっこ悪い/かっこいい/優しい/きれい/かわいい
【温度】冷たい/熱い/寒い/暑い
【味】甘い/辛い/まずい/うまい
【感情】つらい/うれしい/苦しい/楽しい
【状況】厳しい/たいへん
この全部に、「やばい」が当てはまります。
美味しいもの食べて、、、「やっばーい(^o^)」
つらいことがあっても、、、「やばーい(ToT)」
ものすごい暑い日でも、、、「やばっ(汗)」
それぞれ、言葉の調子が違いますが、たくさんの表現に使える超万能選手が、「やばい」。
「やばい」の禁止令については、若者の表現の幅が狭くなるという見解がある一方、場面を選ばず、一言で、たくさんの表現に使える「やばい」は、コミュニケーションを効率化する、人間の言語の進化という見解もあり様々。
これから、5年、10年、20年後には、言語がどんな形になっているか、楽しみでもあり、少し不安も感じさせる、「やばい」の未来。どちらにせよ、これから、どのように変化するか、興味がわきます。
言葉がかもしだす雰囲気
今回、メルマガを書くために、「やばい」について、少し調べていたら、「語感」という言葉に出会いました。
「語感」とは、語が与える、論理的意味以外の主観的な印象。言葉に対する微妙な感覚のこと。
例として、「大工」や「熱血教師」と聞くと、なんか直感的に「男性」を連想しませんか?言葉の先入イメージとも、言いますが。
他にも、「労務者」というと男性、「清純」というと女性、「やんちゃ」は子ども、「老獪」が中高年、「かもしか」といえばすらっとした脚、といった感じで、言葉がかもしだす雰囲気、言葉とともに伝わる感じ、そう表現することで相手に与える印象のことを、「語感」といいます。
この「語感」は、日本人が何かを表現する時に、実は、結構、頻繁に自然に使っています。
例えば、ビジネスの大きなところで言えば、お客様のことを、客/お客/お客さん/クライアント/取引先/といったふうに、状況、立場などによって、使い分けますよね。
どれも、全て同じ意味ですが、相手が受け取る印象や、誰かに伝えるニュアンスで、どれを選択するかが変わります。
思い返すと、誰でも、同じ意味だとしても、自然と言い換えている場面が、少なからずあるはずです。
奥が深い「語感」
最後に、今日、ご紹介したこの「語感」という感覚を養うと、いろいろなところで、役に立ちます。
チラシなどを作る際に、単語の表現をどうしようか、考えたことありませんか?なぜなら、「家」という言葉だけで、家屋、居宅、住まい、住居、住宅、人家、邸宅、豪邸、民家、屋敷、うち。ぱっと思いつくだけで、12個も言い方があります。
この中から、イベントの内容や、場所、ターゲットなどを加味し、最適と考えられる言葉を選ぶ必要がある。
極端ですが、、、集客を目的としたチラシで、「家族が笑顔になる住まい」と「家族が笑顔になる民家」では、「語感」が全然、違います。「語感」がしっくりこないと、相手の印象や伝わり方にも影響してきます。
ですから、相手に伝えるためには、最適な「語感」で言葉を選択することが、とても重要です。
ただ、最適な選択と、言うのは簡単ですが、習得するのは少し、難しいかもしれません。習得するためには、「語感」のバリエーションを増やすことが、ひとつかなと思います。
まずは、「語感」という感覚を少し意識してみてはいかがでしょう。習得できたら、役に立つ武器のひとつになるはずです。
P.S
増やすための資料として、個人的なおすすめは、中村明著「日本語語感の辞典」です。興味がある方は、参考にしていただければと思います。ちなみに、私は図書館で借りました(^o^)