もやしは語る・・・
ナックの松田です。先日、ある団体が公式サイトにて、切実な内容の発表をしていました。発表の内容としては、このような内容でした。
「これ以上の経費削減への努力はすでに限界を超え健全な経営ができていない状況」
この発表の目的としては、窮状(きゅうじょう)、つまり、困り果てている状況の説明と、理解を求めることでした。
公式サイトを見てみましたが、大変な状況と、打開策として、まずは、理解を得られなければ、始まらないという特殊な状況にあることが窺えました。
なくてはならないもの・・・
冒頭でご紹介した発表は、「工業組合もやし生産者協会」という協会からだされました。
題名は、「もやし生産者の窮状について」
もやしといえば、、、いつの時代も安価に手に入る、日本の食卓には欠かせない野菜ですよね。もやしの安価は他の野菜が勝負にならないほど、10円、20円は当たり前、1円で販売されている場合だってありますよね汗
価格だけでなく、いろいろな料理に相性が良く、ボリュームも出ますから、やっぱり、食卓の味方。発表によれば、現在のもやしの販売価格は約40年前の価格よりも安いそうです!?価格は安くなっていますが、生産コスト自体は特にこの10年で上昇しています。
主な理由は、原料となる緑豆の高騰、最低賃金の上昇、運送費の上昇など。もやし生産者を取り巻く環境は、年々苛酷な状況に陥っています。
もやし農家のみなさんは、機械化でコストダウンできる部分などで、生産コストの上昇をカバーしてきました。
そして、安定的に供給し続けることを最優先に考えてきたからこそ、消費者にもやしはいつでも安いという強いイメージが定着。この強いイメージがあるゆえに、小売店は、、、もやしの値段を上げると、消費者にもやしが高い店と思われ、客足に影響が出る可能性が考えられる。
そんな事情もあり、生産者側からの価格交渉は、なかなか受け入れられないのが、実状のようです。今回の窮状は、生産者の状況が、限界点を迎えているにも関わらず、価格を上げることができない。苦しい状況に、まずは、理解を求めるための発表なんですね。。。
もやしは語る
価格的には、10円、20円かもしれませんが、もやしは、生産者、販売者、消費者に与える影響が大きいことが今回の発表をみて分かりました。
あるエコノミストの方は、もやしの価格と経済について、興味深い見方をされていました。
「もやしの消費額は人々の気持ちを代弁している」
どういう意味かというと、このエコノミストの方は、消費者の節約志向がどれだけ強まっているのかを把握するための手段として、もやしの消費額に注目されました。
天候不順の影響を受けないもやしは、いつでも安価に販売されていますから、価格が高騰する白菜などの代わりとして、その消費量が増えると考えたそうです。
この考えから、データを見ると、例えば、リーマンショックの前後などは、明らかにもやしの消費量が上がっていたそうです。
景気が悪いときに、もやしブームが起こり、反対に景気が良いときには自然ともやしに手が伸びなくなるということだそうです。
株価をみても、株価が下がればもやしの消費量が上がるという、データも出されており、もやしは立派な経済指標とエコノミストの方は、おっしゃられていました。
あまり知られていませんが、もやしは日本にとって、重要なポジションにあるんですね。今回のもやしについては他業種の話ではありますが、どんな業界でも商売をする上で、、、作る、売る、買う、そこに価格という関係性は変わりません。
上がり続ける「生産コスト」上がらない「販売価格」このテーマに相対することは、これからの時代では、他人事ではないことかもしれません。