自社の戦力を改めて見直してみる経営・人材育成
ナックの松田です。ちょっと前に、親せきからお土産で、マヨネーズをもらいました。その、マヨネーズは、「わさび屋がつくったマヨネーズ」という商品名で、結構しっかりした紙袋に梱包されていました。
普段、そんなにマヨネーズを食べないので、しばらく冷蔵庫で眠っていただのですが、なんとなく先日食べてみたら、、、
これがなんと、思いのほかクオリティーが高く、そして、旨い(^◇^)
わさび屋さんが作ってるだけあり、わさび独特の辛味が最初にしっかりと主張し、それを、後からマヨネーズがマイルドにフォローする感じが絶妙です!いろんな料理にも相性が良いので、これは、おススメです(^^♪
さてさて、今日はこのマヨネーズの話から、誰もが知っている大手企業の裏の顔について、お伝えしたいと思います。
マヨネーズといえば・・・
皆さま、マヨネーズと聞いて何を思い浮かべますか?
たぶん、恐らく、多くの方が、、、クリクリお目目の赤ちゃんのシルエット、聞くと「あっもうお昼だな」と思っちゃう耳に残るオープニング曲、万が一、これが、思い浮かばなくても、マヨネーズといえば、この会社名をほぼほぼの日本国民が思い浮かべるのではないでしょうか。
そうです!「キューピー」です!!「キューピー」といえば、1919年に設立され、今日、日本の食品企業のトップに君臨し、誰もが知っている大手企業。
1925年から、マヨネーズ製造を開始。ということは、大正時代からマヨネーズ作っているということです!とっても、歴史のある食品を作る歴史ある、企業なんです。
マヨネーズという最強のロングロングヒット商品を持っているですが、、、実は、裏の顔あるんです。。。
「キューピー」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは「マヨネーズ」ですよね。しかし、昨今、「キューピー」の柱とも言える「調味料・タマゴ事業」は良く言えば成熟状態、悪く言えば飽和状態となっているといわれておりました。
その状況を「キューピー」はいち早く見抜き、実は、次なる事業に参入して成功し、好業績を納めているんです。どうしてもマヨネーズのイメージが強い、この会社が状況を打破するために打った一手とはどんなことだったのでしょうか。
カギとなるのは、「ファインケミカル事業」。
全然知りませんでしたが、、、「キューピー」は国内有数のヒアルロン酸メーカーだったんです。
ヒアルロン酸を由来とした美容商品や医薬品などを扱うファインケミカル事業が推進されています。マヨネーズとヒアルロン酸には何の関連性もないように思えますが、そこには、「ニワトリ」という共通点が存在します。
キューピーは、マヨネーズの主原料のひとつである卵の研究を進めており、やがて、対象はニワトリにまで広がりトサカからヒアルロン酸を抽出するに至りました。
ヒアルロン酸といえば、関連の美容商品が多く販売されていますよね。ここに着目し、ヒアルロン酸由来の美容商品を開発、販売を開始しました。
それだけではなく、ヒアルロン酸は美容商品のイメージが強いのですが医薬品としても重要な役割を持っています。白内障の手術後の補助剤や、膝の軟骨の損傷の治療薬などなど、幅広く取り入れられています。
「キューピー」は、こういったヒアルロン酸由来の医薬品の開発にも注力しています。結果として、営業利益で6億円弱の数字を稼ぎ出し、この事業が好業績の裏にある隠し味となりました。
個人的には、インフルエンザワクチンを作るうえで卵は欠かせませんから、卵のことを熟知していて、医療品関係にも精通する「キューピー」の動向に注目したいなと思います。
戦力を活かそうとするマインド
「キューピー」は極端ですが、マヨネーズを美味しくするために関連する材料の研究を突き詰めました。
その結果、確実に大正時代より、美味しく、品質が高く、安全で、かつ大量に製造することができるようになりました。本業から培った知識、技術、経験は、かけがえのない自社の戦力です。
この戦力をどのように活かすか?「キューピー」として、自社の戦力で充分に戦える美容、医薬品への進出という戦略をとったわけです。
同じような例で、「富士フイルム」のアスタリフトは有名ですね。カメラのフイルム屋さんが美容液を作るの!?と、新鮮というか違和感というかとにかく初めての感覚をもったのを覚えています。これも、本業から培った自社の戦力を、美容関係に活かす戦略に基づいています。
企業経営においては、戦略はとても重要なポイントですが、適格な戦略を立てるためには、たくさんの要素を鑑みる必要があります。
でも、どんなに適格な戦略を立てても、それを実行する戦力がいなければ、意味がなくなってしまいます。
ですから、戦略を立てるためには、自社の戦力の把握を欠かせません。
そして、戦力の多くは、その会社で働く人達に、宿ります。
自社で活かしきれていない戦力がもしかしたらありませんか?
今年もあと1カ月、年末商戦を戦い抜き、2017年を迎えるための戦略を立てるために、自社の戦力を改めて見直してみる。そこに、会社の利益につながる、隠し味のヒントが見いだせるかもしれません。