マイナス金利の今、住宅ローンを考える資金計画,業界ニュース,市場動向
1月29日に日銀がマイナス金利の導入を発表して以降、住宅ローンの金利に大きな変化が起きています。
テレビ番組でマイナス金利と住宅ローンの関連性が繰り返し取り上げられた影響で、住宅展示場へ低金利を意識したお客様が来場しているとの声も聞かれます。
そこで今回から3週にわたり、住宅ローンの現状や、さまざまな商品について解説したいと思います。
■マイナス金利から2ヶ月、金利はどこまで下がったか
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まずは、マイナス金利が導入されて以降の住宅ローン金利を、
改めて確認しておきましょう。
フラット35の最低金利は、2月は1.48%でしたが、
3月は1.25%と大幅に下がりました。4月にはさらに下がり、
1.19%です。フラット35Sを利用した場合、
当初5年間または10年間の金利は0.89%となります。
変動金利型は、3大メガバンクは2月・3月・4月とも
0.625%で据え置かれていますが、地方銀行やネット銀行など、
一部で金利の引き下げが行われています。
中には0.5%を下回るケースも出ています。
10年固定型は、3大メガバンクは2月まで1%台でしたが、
3月は揃って0.8%まで引き下げました。
4月はみずほ銀行が0.85%、三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行が0.9%と
やや上昇したものの、3月に続き1%を下回っています。
10年固定型の金利上昇を受け、Yahoo!ニュースのトップニュースなどで
「4月の住宅ローン金利が上昇」と報じられましたが、
3月に続き史上最低水準であることは間違いありません。
そして、フラット35S・変動金利型・10年固定型では
金利が1%を下回っており、住宅ローン控除の利用によって、
実質的なマイナス金利状態となっています。
■住宅ローン商品が多様化、住宅営業マンも幅広い商品知識を
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冒頭にも触れたとおり、マイナス金利導入が発表された2月以降、
低金利を意識したお客様が住宅展示場へ足を
運んでいるという声が聞かれます。
皆さんの会社でも、同様のことが起きているかもしれません。
もともと「住宅ローン」は、住宅購入・建築をお考えのお客様にとって、
最大の関心事の1つです。特にここ数ヶ月は、マイナス金利が
盛んに報じられたこともあり、お客様は住宅ローンに対して
より敏感になっていると言えます。
また近年は、新興のネット銀行を中心に、
住宅ローンの選択肢が非常に増えています。
お客様の中には、ご自身で住宅ローンの情報を積極的に
収集する方も少なくありません。
ところが、住宅会社の営業担当者の中には、
住宅ローンの説明・提案を苦手としている方が少なくありません。
提携ローンのみを紹介し、それを利用しない場合は
お客様まかせにしてしまうというケースも多いようです。
提携ローンを推奨する事情は理解できますが、
それ以外の提案ができない場合、お客様の信頼を
損ねてしまう可能性があります。
逆に、近年実績を伸ばしている工務店・ビルダーは、
商談の初期段階において、住宅ローンも含めた資金計画の提案を行い、
お客様の信頼を得ている会社が多いようです。
より多くの住宅ローンを知り、提携・非提携を含めてお客様に対して
多様な提案をできることが、信頼獲得の有効な手段と
心得ておきたいものです。
来週・再来週は、現在取り扱われている多様な住宅ローン商品の中から、
特徴的なものをいくつか解説します。
今後、お客様へのご提案のヒントになれば幸いです。
(情報提供:住宅産業研究所)