住宅販売促進制度を正しく理解し、フル活用する(前編)資金計画,業界ニュース
各種ニュースなどで既にご存じのとおり、昨年末から年明けにかけて、住宅購入者の負担を軽減する様々な促進制度が明らかになりました。住宅市場の冷え込みが長引く中、国がようやく、市場の立て直し政策に本腰を入れ始めたということになります。
発表からあまり時間が経っていないため、制度の一般的な認知度はまだ低いと思われますが、すでに住宅展示場では、お客様から住宅メーカーの営業担当者に対して、制度に関する質問を投げかけるケースが現れ始めているようです。
2015年の住宅営業は、これらの制度をフル活用し、お客様へ「今建てるメリット」を知っていただくことが重要になりそうです。
そのためには、まず自社の営業担当者が、
各種制度を正しく理解することが必要です。
そこで、今回発表された制度を、
改めておさらいしておきましょう。
<補正予算の目玉「エコポイント」「フラット35S」>
まず、平成26年度補正予算において、
住宅政策の目玉と言われているのが
「省エネ住宅ポイント制度」と
「フラット35S金利優遇幅の拡大」の2点です。
■ 省エネ住宅ポイント制度
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一定の省エネ性能を満たす住宅の新築・購入者に対し、
様々な商品と交換できるポイントを国が発行する制度です。
対象となる住宅の要件は、
前回の住宅エコポイントと少し異なります。
今回は、トップランナー基準又は一次消費エネルギー量等級5、
木造の新築住宅の場合では、一次エネルギー消費量等級4・
断熱等性能等級4・省エネルギー等級4のいずれかを満たした場合に、
一律30万ポイント(30万円相当)が発行されます。
交換できる商品は今のところ未定ですが、
前回の住宅エコポイントと同様、商品券・旅行券などの金券や、
各地の特産品などになる可能性が高いでしょう。
国土交通省のウェブサイトに
詳しい情報が掲載されていますので、
一度目を通すことをおすすめします。
補正予算の成立が前提ですが、
2014年12月27日以降に契約した住宅が対象のため、
昨年末から今年にかけてすでに契約済の住宅も、
さかのぼって適用が可能です。
■ フラット35S金利優遇幅の拡大
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フラット35S利用時の金利引き下げ幅が、
これまでの年▲0.3%から年▲0.6%に拡大します。
1月のフラット35で最も低い金利が1.47%ですが、
これに▲0.6%を適用した場合、当初10年間の
優遇金利は0.87%となります。
10年間の優遇を受けられる「金利Aプラン」で、
3,000万円・35年の借入を行った場合、
優遇金利の引き下げによって、
返済総額は約87万円少なくなります。
返済額の軽減による余剰資金を繰り上げ返済に回せば、
メリットはさらに大きくなります。
こちらも、住宅金融支援機構のウェブサイトに
詳しい情報が掲載されていますので、
一通り読んでおくと良いでしょう。
フラット35に関しては、この他にも、
融資金額が物件取得価格の90%を超える場合の
上乗せ金利が引き下げられます。
フラット35Sだけでなく、フラット35も対象です。
上乗せ金利は金融機関により異なりますが、
これまでの年0.44%程度から年0.13%程度まで、
およそ0.31%引き下げられるケースが多いようです。
こちらも補正予算の成立が前提で、
引き下げの実施日は未定ですが、直近の契約に関しては、
この金利での融資が可能と考えて差し支えないでしょう。
次回のメールマガジンでは、
税制面での新たな制度をおさらいすると同時に、
見込み客への効果的な伝え方をお伝えします。
(情報提供:住宅産業研究所)