2013年度上半期の受注・集客動向(後編)【2014年12月1日】
2014.12.1
○●○●○●○ 工務店MBA 最新業界ニュース ●○●○●○● 「2013年度上半期の受注・集客動向」(後編) 前回のメールマガジンでは、2014年度上半期の、 大手ハウスメーカー10社の受注実績をお伝えしました。 大和ハウスが唯一健闘しているものの、 全体的には駆け込みの反動減が長引き、 前年比での大幅マイナスとなっています。 今回は、受注の先行指標となる 「集客」の実績をお伝えします。 ■ 集客は盆明け以降に持ち直しの兆しあり、しかし増税見送りで先行き不透明 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大手ハウスメーカー10社の集客実績は、 4月〜6月は前年比▲15%〜20%で推移しました。 集客は前年7月から伸び悩む傾向にありましたが、 大雪の影響を受けた2月以降に低迷が顕著になり、 6月まで前年比での大幅マイナスが続きました。 期待されていたゴールデンウィークの集客も、 手ごたえを感じたメーカーは少なかったようです。 月別・メーカー別・エリア別に見ると、 一部で集客回復が見られるケースはあったものの、 いずれも一時的なものに終わり、本格回復には 至りませんでした。 7月に入ってマイナス幅は若干改善しましたが、 8月前半からお盆休みにかけて全国を襲った 記録的な天候不順により、集客は再び落ち込みました。 ところが、お盆明けから9月にかけて、 集客回復の兆しが見え始めます。 8月最終週からお客様の動きが活発になり、 8月単月での集客実績は、ほぼ前年並みに回復しました。 8月前半の集客が低迷したことを考えれば、 8月後半の実績は前年以上であったと言えます。 また、9月は前年比で2〜3%程度増加し、 1月以来の前年比プラスとなりました。 前年8月・9月は、すでに駆け込み集客のピークを過ぎており、 前年比のハードルが低いことから、「前年比プラス= 完全な集客回復」とは言い難い面もあります。 また、慎重なお客様が多く、次アポの獲得や商談化に 時間が掛かっているケースも多いようです。 しかし、1年近く低迷した集客に、 ようやく回復の兆しが見え始めたことは、 プラス材料と言えるでしょう。 ■ 下半期の見通し ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最後に、下半期の見通しについてお伝えします。 当初、下半期は消費税10%に向けた 駆け込み受注がカギになると見られていました。 実際、8月後半の集客においては、 消費税10%を意識したお客様が徐々に現れており、 今後さらに増加すると考えられていました。 ところが、実施濃厚だった消費増税は一転、 延期が決定しました。 この延期が、下半期の受注にどう影響するでしょうか? 増税延期の決定前に行った調査では、 多くのメーカーが、 「仮に増税が延期された場合も、 受注は前年並みかそれ以上になる。 しかし増税実施時に比べてプラス幅は縮小する」 と回答しています。 前年度の下半期は、すでに駆け込み後の反動減が 始まっているため、今年度下半期の受注は、 前年比ではプラスとなる見通しが強いようです。 実際、大手10社の10月の受注実績は、 13か月ぶりに前年比プラスとなりました。 メーカー別でも、前年10月も駆け込みが発生した セキスイハイムなどを除き、概ね前年比プラスとなりました。 しかし、消費増税が延期になったことで、 上半期に見られた商談の様子見・長期化傾向が続き、 受注回復が遅れることが考えられます。 住宅エコポイントの復活やフラット35の金利引き下げ幅の拡大、 贈与税非課税枠の延長・拡大なども検討されており、 様子見の要因になるかもしれません。 予測が難しく、厳しい環境下ではありますが、 目の前のお客様を確実に商談・受注につなげるためには、 より丁寧かつ積極的な営業活動が求められそうです。 まず、目の前のお客様に対しては、 「いま契約」することのメリットを伝え、 気持ちを盛り上げることが必要です。 消費増税が延期になったからと言って、 「いま契約」する理由が無くなったわけではありません。 地価上昇や建築費上昇、超低金利の住宅ローンなど、 「いま契約」する理由は多く存在します。 また、建築時期を決めるのは、 増税などの社会的・外部的な理由だけでなく、 結婚・出産・子どもの進学など、お客様1人ひとりの 内部的な理由によるところが大きいです。 これらを積極的に説明し、お客様の決断を促す工夫が必要です。 また、商談の様子見・長期化が続くようであれば、 中長期客に対するフォロー体制・商談化のための 仕掛けが必要でしょう。 現在、一部のメーカーでは、中長期客を対象に、 「家づくりの進め方」や「いま建てるメリット」を 解説するセミナーを頻繁に開催しています。 多くの参加者が集まるうえ、その後の商談に 進むことも多いようです。 来場の本格回復を待つばかりでなく、 このように自社の持つお客様を掘り起こす工夫も求められます。 (情報提供:住宅産業研究所)