2013年度上半期の受注・集客動向(前編)【2014年11月24日】
2014.11.24
○●○●○●○ 工務店MBA 最新業界ニュース ●○●○●○● 「2013年度上半期の受注・集客動向」(前編) 今回は、2013年度上半期の、 大手ハウスメーカーの実績についてお伝えします。 このメールマガジンをお読みの方には、 駆け込みの反動による住宅市場の冷え込みを 実感している方が多いと思います。 大手ハウスメーカーの実績も、 そのような市場環境を反映する結果となりました。 ■ 受注棟数は▲20%超、駆け込み反動続き苦戦続く ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大手ハウスメーカー10社の、2013年4月〜9月の 全体受注棟数(請負・分譲・アパートの合計)は、 前年比でおよそ▲22%でした。 消費増税による駆け込み需要の反動減が長引いており、 各社とも苦戦を強いられています。 月別に見ても、すべての月が前年比で2ケタのマイナスです。 マイナス幅は月を追うごとに右肩下がりとなり、 特に9月は前年比30パーセント以上の大幅マイナスとなりました。 前年度の上半期は駆け込み需要の真っただ中で、 9月がそのピークでした。 そのため、今年度の実績が前年比で 大幅なマイナスになることは、想定内と言えます。 ただし、駆け込みとは関係の無い おととし2012年度の実績と比較しても、 今年度上半期の受注棟数は▲6%となっており、 受注回復の遅れがうかがえます。 特に、各社の主力事業である戸建請負の苦戦が顕著です。 多くの企業で集客数が前年度を下回っており、 見込み客の絶対数が不足しています。 (集客状況については、次回のメールマガジンでも 詳しくお伝えします) また、商談化した見込み客についても、 前年度の駆け込み期のような「いま契約する理由」に乏しく、 商談の先延ばしや長期化が目立っているようです。 消費増税の影響をあまり受けない富裕層に限っては、 この上半期も比較的堅調に推移しているようです。 しかし、富裕層のボリュームそのものが小さいため、 市場全体を好転させる要因とはなっていません。 戸建分譲も請負と同様に、 駆け込みの反動による苦戦が続いています。 しかし、一部の優良物件(高付加価値・好立地など) には動きが出ています。 そのため、各社の実績は、土地の仕入れ状況や 販売タイミングによって明暗が分かれており、 前年比大幅マイナスとなるメーカーがいる一方で、 前年比でプラスとなるメーカーも出ています。 集合住宅は、来年に迫った相続税増税の影響で、 富裕層を中心とした活発な動きが続き、 消費増税の駆け込み終了後も好調を維持しています。 一時は勢いが止まったようにも見えましたが、 夏ごろから富裕層以外の新たな顧客層にも 動きが出始めており、もうしばらく好調が続きそうです。 ■ 各社とも前年比大幅マイナスの中、大和ハウスが健闘 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メーカー各社別の受注実績も、軒並み前年比で ▲10〜35%と、2ケタのマイナスとなりました。 おととし2012年度と比べても、5〜15%のマイナスが目立ちます。 そのような中、比較的健闘を見せているのが、大和ハウスです。 4月〜9月の受注実績は、前年比で▲7%程度にとどまっており、 おととし2012年度との比較では、大手10社で 唯一のプラス(+12%)となっています。 大和ハウスは、分譲住宅・集合住宅がともに 前年比プラスで推移しており、全体を牽引しています。 また、戸建請負においても、他社よりも 小幅なマイナスにとどまっています。 商品構成として、売れ筋本体価格2,000万円クラスの 「ジーヴォV」がボリュームゾーンでしたが、 売れ筋本体価格3,500万円以上の「ジーヴォΣ」が 月間販売目標に近い水準で売れており、増税後も 動きが衰えない富裕層を、新しい顧客層として 取り込むことに成功しています。 (情報提供:住宅産業研究所)