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実態調査から生まれる生活提案(後編)【2014年10月6日】

2014.10.6

○●○●○●○ 工務店MBA 最新業界ニュース ●○●○●○●



「実態調査から生まれる生活提案」(後編)



前回は子育てを中心に、調査・研究に基づく
生活提案の事例をご紹介しました。


今回は、夫婦間や二世帯同居など、
大人同士の関係に注目した調査や、それに基づく
生活提案について見ていくことにします。



■ 夫の家事参加を促す空間提案
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

旭化成ホームズは今年7月、共働き世帯における
夫の家事参加に関する2つの調査結果を公表しました。


1つは「いまどき30代夫の家事参加の実態と
意識〜25年間の調査を踏まえて」というもの。


これによると、今どき夫婦は家事・育児に対して
対等な意識を持ち、夕食の片付けや洗濯物干し、
風呂掃除などを行う夫は5割前後と、25年前に比べて
大幅に増加していることがわかりました。


しかし、すべての家事・育児を完ぺきにこなせる夫は約3割で、
もっと妻をサポートしたいと思いつつも家事に自信がなく、
妻と対等な家事分担ができていないことも判明しました。


もう1つの調査は、「妻の家事ハラ」実態調査です。


これで明らかになったのが、夫の約7割が、家事に関して
「やり方が雑!」や「水や洗剤を使いすぎ!」など、
妻からダメ出し(家事ハラ)された経験があるという実態です。


夫の洗った食器、夫のたたんだ洗濯物を見て、
妻がため息をつきながら洗い直し、
たたみ直しをするという光景は、多くの家庭に見られる
「家事ハラ」の例でしょう。


このような家事ハラを受けた時、夫の9割が
やる気を無くしていることも分かりました。


お互いが対等な家事分担を望んでいても、
夫の家事力がなかなか向上しない原因の一端は、
この「家事ハラ」にあると言えそうです。


旭化成ではこれらの調査を基に、夫婦それぞれの
立場から見たストレスやその解決法をまとめた資料
「夫本・妻本」を配布し、「共働き子育てライフが
10倍楽しくなる家づくり」を提案しています。また、


これに伴い共働き夫婦を支援する3つのアイテムを開発しました。


1)回遊性を高めて夫婦が共に作業できる
  「マルチアイランドキッチン」

2)2帖程度の空間で洗濯の一連の作業を行える
  「ランドリーサンルーム」

3)人別・目的別の収納スペースを1ヶ所に集中させた
  「デイリークローゼット」


これらの提案は、「キッチンに入ると狭い」、
「室内干しの場合、どこに干していいかわからない」、
「子どもの衣類や通学用品の置き場所がわからない」
といった夫の意見を取り入れて開発されました。


家事に慣れていない夫でも効率的に作業できることで、
妻からの家事ハラを抑制し、家事参加意欲を
向上させる工夫が凝らされています。



■ 今どき家族に二世帯住宅の検討を促すきっかけは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

旭化成が「夫本・妻本」に続いて今夏のキャンペーンに
活用したのが、二世帯住宅の「親本・子本」です。


これは、約40年にわたって二世帯住宅の調査・研究を
してきた同社が、親世帯・子世帯別に同居に対して
抱く期待と不安、それに対応するノウハウをまとめた資料です。


家族それぞれの1日の過ごし方をチャートにして示すなど、
同居生活の日常を家族それぞれが具体的にイメージ
できるような内容となっています。


たとえば、学校を終えた孫が帰宅する15時から、
共働きの子世帯妻が帰宅して夕食が始まるまでの19時までを、
親世帯(祖父母)にとっての「孫ともタイム」と名付けて紹介。


日中はのんびりと自分の時間を楽しみ、「孫ともタイム」の間は
孫とおやつやおしゃべりを楽しむ、宿題を見る、習い事の
送り迎えをするといった過ごし方ができるとアピールしています。


子世帯は仕事・育児・家事にゆとりが持てるため、
両世帯がメリットを感じられる暮らしがイメージできます。


「親本・子本」では、このような子育てと仕事の問題に加え、
お金、老後と、同居の動機になりやすい4つの視点から、
同居の魅力を解説しています。


お盆の集客時期に合わせて各地の展示場で同資料を配布し、
同居を考えるきっかけとしての活用を促しました。


家づくりのヒントとなるような生活実態に関するデータは、
今やインターネットなどを通じて手軽に集められるようになりました。


中には、今回ご紹介したように、住宅会社が自ら
調査・研究したデータが公表されている場合もあります。


また、自社の社員も、地元エリアで家庭生活を
営んでいるわけですから、貴重なデータソースになり得ます。


職種に拘らず、幅広く社員の生活実態を調査し、
意見を集めることも、商品開発の第一歩です。


どんな人々が、どんな生活をし、それをよりよくするためには
どんな家が必要か、身近なところから考えてみると、
有用なヒントが得られるかもしれません。




(情報提供:住宅産業研究所)

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