受注反動減続く、消費増税の影響は?(前半)【2014年4月28日】
2014.4.28
○●○●○●○ 工務店MBA 最新業界ニュース ●○●○●○● 「受注反動減続く、消費増税の影響は?」(前半) ■景気動向の影響と価格戦略 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 消費税が8%に上がり、 もうすぐ1ヶ月が経とうとしています。 そろそろ消費税が上がったことにも 慣れて来る頃かもしれません。 日本経済新聞社とテレビ東京が実施した世論調査では、 「消費税率が8%に上がった後、家計支出に影響が出たか?」 という質問に対し、「変わらない」という回答が66%を占めました。 「支出を減らした」は31%で、消費意欲は底堅く、 長期的に景気が低迷していくということはなさそうです。 日経新聞が3月に行った社長アンケートでも、 9月頃には景気改善の兆しが出て来るという意見が多数派です。 日本百貨店協会が発表した3月の全国百貨店売上高は、 前年同月比25%増、5ヶ月連続増となりました。 予想通り、駆け込み需要が動いたと言えます。 ただ協会によると「4月は反動減が出ているものの 東京地区では▲15%弱、減少幅は縮小しつつある」 ということで、早期に反動減は収束するかもしれません。 賃上げされた企業もあり、 夏のボーナスもそこそこ期待できます。 まだ増税したばかりで、予測は難しいですが、 6月後半から7月に掛けて、回復が実感できるとも 期待されているようです。 ■大手ハウスメーカーの受注回復進まず ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ そんな中、住宅業界の受注動向は芳しくない状況が、 昨年10月以降、既に半年間も続いています。 予想よりも回復が遅く、 反動減が長引いているという印象です。 大手住宅メーカーの3月受注は、10社全体で 前年同月比▲18%、前月と同水準、 6ヶ月連続のマイナス受注となりました。 商談の絶対数が不足している上、 この時期に住宅を買うというキッカケもそうですが、 購入するという決め手がないことが、 受注低迷の要因と言えるでしょう。 集客は多少戻ったとしても、 商談長期化が目立つという状況は、 今年に入ってからずっと続いているようです。 主要ハウスメーカーが発表している 3月受注は以下の通りです。 ・積水ハウス…注文▲34%、分譲▲23%、賃貸▲3%(金額ベース) ・大和ハウス…注文▲11%、分譲▲4%、賃貸28%(金額ベース) ・ミサワホーム…注文▲21%、分譲▲20%、賃貸▲19%(棟数ベース) ・住友林業…▲23%(金額ベース:注文住宅のみ) ・旭化成ホームズ…▲10%(金額ベース:戸建、集合共にマイナス) ・パナホーム…注文▲16%、分譲14%、集合▲9%(金額ベース) ・三井ホーム…▲34.2%(金額ベース:注文+賃貸の直販のみ) どこも2桁減が続きます。 積水と三井は、3割以上も減少しました。 また、3月までの通期を締めてみると、 以下の通りになります。 ・積水ハウス(1月までの通期)…注文6%、分譲▲2%、賃貸26%(金額ベース) ・大和ハウス…注文8%、分譲21%、賃貸24%(金額ベース) ・ミサワホーム…注文▲5%、分譲2%、賃貸34%(棟数ベース) ・住友林業…6%(金額ベース:注文住宅のみ)、棟数ベースは1%増 ・旭化成ホームズ…1%(金額ベース) ・三井ホーム…9.4%(金額ベース:注文+賃貸の直販のみ) 上期の好調による貯金があったため、 通期で見ればプラスというところが多いようですが、 それでもミサワホームなどは棟数ベースで 出していることもあって、マイナスに転じています。 下期の落ち込みがやはり尾を引いているようです。 ローコスト系も不調が続きます。 例えば、ローコスト大手のタマホームは、 10月以降、30〜50%減という厳しい受注状況が続いています。 ただ、昨年よりも多少マイナス幅が減少して来てはいます。 中堅ビルダー・FCの受注も良くはなく、 1〜3月期は▲30%程度と大幅減のところが 目立っているようですが、昨年10〜12月のどん底よりは マイナス幅が縮小しつつあるようにも思われます。 大手メーカー、ビルダーとも業界全体が厳しい状況には 変わりませんが、4月から始まった、ローン減税拡充や すまい給付金にメリットがあると判断する層は、 少し動き始めているかもしれません。 (情報提供:住宅産業研究所)