賃貸住宅・マンションも「環境に配慮」太陽光/省エネ/ZEH関係
前回は地球温暖化や資源の枯渇、
空気汚染など多くの環境問題が深刻化している中、
地球環境を守るべく注目されている環境共生住宅や、
住宅会社による大規模戸建分譲地の街づくり事例を紹介しました。
今回は、環境共生住宅以外に様々な方法で環境に配慮している
賃貸住宅やマンションについて取り上げます。
子育てにも優しい環境づくり
ミサワホームは、東京都墨田区でZEH-Mに対応した賃貸マンション
「(仮称)ASMACI MAISON(アスマチメゾン)墨田区緑」を
2023年12月に着工しました。
ミサワホームでは、医療・介護・子育て支援を中心に、
地域や社会の課題解決に向けた複合開発や
コンパクトシティー型の街づくり事業を進めています。
その事業第1弾としては、
2018年に千葉県浦安市に複合商業施設「ASMACI浦安」を開発しています。
また、街づくり事業の新しい取り組みの一つとして、
賃貸マンション「アスマチメゾン」を中心に
自社開発のアセット事業を推進しており、
2023年3月に札幌市内で1棟を着工したのに続いて、
今回の「アスマチメゾン墨田区緑」は全国で2件目、
都内では初めてとなる賃貸マンションということです。
「アスマチメゾン墨田区緑」は、
総戸数40戸の建物(Ⅰ棟)と総戸数24戸の建物(Ⅱ棟)の
2棟構成となっています。
都営新宿線「菊川」駅徒歩8分に立地し、
Ⅰ棟は、敷地面積が約407平米の鉄筋コンクリート造9階建てで、
延床面積が約2,424平米となります。
間取りは1LDK~2LDKで、専有面積は43~52平米ということです。
Low-E複層ガラスや、外周部の断熱材を追加するなど高断熱設計で、
エコジョーズやLED照明など高効率な設備機器を採用しており、
ZEH-M Orientedを取得する予定としています。
マンション内の共用部分にはキッズサイクルポートの設置や、
一部住戸にはベビーカー置き場を用意。
子育てしやすい環境づくりに取り組む優良な住宅として
「東京こどもすくすく住宅認定制度」のセレクトモデルに認定されています。
竣工は2025年3月の予定ということです。
環境に優しい素材の住まい
大和ハウスグループのコスモスイニシアは、
リノベーションマンションにおいて
海洋プラスチック廃棄物をアップサイクルした
建材の採用に取り組んでいます。
同社では2020年から郊外型リノベーションマンション
「海プロジェクト」シリーズを展開しています。
第9物件目となる「パークハウス鵠沼海岸」では、
「きれいな海と豊かな暮らしをつないでいきたい」というコンセプトから、
ものづくり工房「TONKAN terrace」の協力のもと、
海洋プラスチック廃棄物をアップサイクルしたタイルを採用しています。
玄関正面のアイストップには、
プラスチック廃棄物を活用したタイルで装飾を施しています。
このタイルは、物件の目の前に位置する
湘南・鵠沼海岸でのビーチクリーン活動で、
コスモスイニシアのスタッフらが自らの手で拾って集めた
海洋プラスチック廃棄物を混ぜ込んで
アップサイクルしたものということです。
「TONKAN terrace」がオリジナルの金型を製作し、
海洋プラスチック廃棄物をタイルへとアップサイクルしています。
また、一部のアクセントクロスには、
環境にやさしい壁紙を採用しています。
レースカーテンには、
ペットボトルなどを原料としてリサイクルした糸を織り込んだ商材を採用。
海洋プラスチック廃棄物で作ったアップサイクルタイル以外にも、
環境に配慮した内装材などを積極的に採用しているということです。
同社では、「パークハウス鵠沼海岸」に続き、
現在湘南エリアの2つのマンションでそれぞれ1住戸ずつを取得しており、
順次販売を開始する計画です。
今後も湘南・鎌倉エリアにおいて
同社スタッフやその家族などと物件周辺でのビーチクリーン活動を継続し、
海洋プラスチック廃棄物をアップサイクルした建材の開発や、
リノベーション物件への採用・展開を推進していくということです。
世界的に深刻化している海洋プラスチック廃棄物の問題や、
その他の環境問題に対してもリノベーションマンション事業を通して、
課題解決に取り組んでいくということです。
(情報提供:住宅産業研究)