「環境配慮」と「居心地の良さ」を追求する木質系商品商品・トレンド
近年、住宅業界では
脱炭素社会の実現に向けて木質系住宅の開発が相次いでいます。
住宅会社各社はマンションや平屋住宅など
様々な木質系住宅を発表しています。
今回は、住宅会社による環境配慮と居心地の良い暮らしを両立した
木質系商品を紹介します。
進むマンションの木質化
2021年12月から、
耐久性や耐震性などの一定条件をクリアした木造・軽量鉄骨造の建物を、
大手不動産ポータルサイトにおいて
「マンション」として登録できることになりました。
これを受け、「木」を軸に事業展開を進めてきた住友林業グループでは、
木造マンションの需要拡大を見込み、商品開発・発売を進めています。
直近では、賃貸用木造マンション商品「Forest Maison GRANDE」を
11月2日に発売しました。
同商品は、
標準仕様でZEH-M Orientedに対応する環境性能の高さが特長となっており、
太陽光パネルによる再生可能エネルギーを活用し、
住戸ごとのゼロエネルギー化も推進していくということです。
CO2の排出量では、
鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて
部材製造や建設時のCO2排出量が少なく、
木材による炭素固定効果も期待できます。
林野庁が発表しているガイドラインによる試算では、
3階建て・延床面積197.27坪のモデルプランの場合、
炭素固定量は約110tと、
約1.7haのスギ林が50年間で吸収するCO2量に相当するということです。
構造は住友林業独自のビッグフレーム構法を採用しており、
3階建て以上で、60分準耐火以上の性能を有しています。
またデザインでは、
水平ラインを強調したシンプルで重厚感のある外観が特長ということです。
さらに、仕様に関しても床や界壁への高遮音仕様の採用、
オートロックの採用、宅配ボックスの完備など全体的な建物性能も高め、
賃貸入居者の居心地の良さを追求しているということです。
同社では首都圏において年間300棟の販売を見込んでいます。
平屋の大屋根による“つながる暮らし”
積水化学工業住宅カンパニーは、
木質系住宅の新商品「グランツーユー平屋つながる暮らし」を
10月14日に発売しました。
近年、住宅の省エネ性や耐震性向上、建築費高騰などの
社会的背景から平屋住宅のニーズが高まっています。
同社の平屋受注棟数もコロナ流行前と比較して
大きく伸長していることから、
今後も平屋のニーズが高まると予想し、
今回の平屋商品を開発したということです。
同商品では、
切妻屋根の庇を延長する屋根パネルと屋根ユニットを新たに開発しました。
太陽光パネル(PV)の設置面積が限られる傾斜屋根において、
PVの搭載容量を最大50%拡大させることで、
ZEHに標準対応するということです。
また、同社の大容量蓄電池「e-Pocket GREEN」との連携により、
優れた環境性、経済性、レジリエンス性を実現しています。
モデルプランにおける試算では、
1年間に使用する電力量の約78%を
クリーンなPV電力で賄うことを可能としたということです。
さらに、2×6ユニット工法「アルティメイトモノコック」を採用しており、
高い耐震性と耐久性を実現しました。
断熱性については、ZEH基準を上回っており、住宅性能表示制度における
「断熱等性能等級6」にも対応可能としています。
建物は、大型の切妻屋根によって生まれる
奥行き最大約2.8mの深い軒下「つながるテラス」を
新たに開発し導入しています。
室内のリビングダイニングからフラットにつながる「連続感」や、
勾配天井や高い軒下空間が連なる「開放感」、
直射日光を遮りながら室内に風を送り込める「快適さ」
を実現したということです。
同商品のターゲットには、
住宅一次取得層の「共働き子育て層」と、
「アクティブシニア層」の2つを設定しています。
それぞれのライフスタイルに合わせて、
ワンフロアの空間で家族とのつながりを感じる暮らしや、
建物の内と外がつながる軒下空間で自然を感じる暮らし、
先進スマート技術で環境に配慮し未来につながる暮らしを
提案していくということです。
同商品は年間300棟の販売目標を掲げています。
(情報提供:住宅産業研究)