子どもたちの「安全・安心」に貢献する街づくり業界ニュース

共助と自助を学び子どもたちの防災意識を高める

埼玉県越谷市のポラスグループは、
グループ各社が開発した26点でキッズデザイン賞を受賞しています。
ポラスグループの受賞は５年連続であり、
26点の受賞というのは過去最多ということです。

受賞作品の中で、
優秀作品にノミネートされていたポラスタウン開発による分譲住宅、
「共有地で共助を育み、
暮らしの中で自助を学ぶ家・ディスカバリープロジェクト
東武動物公園コネクト・コミュニティ」が、
奨励賞の「キッズデザイン協議会会長賞」を受賞しています。

同分譲地は、子どもたちが日常生活の中で防災への意識を高め、
自然に防災を学ぶことができるという点が特長となっています。
コミュニケーションを育む工夫を共有地や各住戸に施し、
住民主体の管理組合によるイベントを通して、
老若男女すべての住民が交流を深めることで、
日々の暮らしを楽しむと共に、
災害時には住民同士の関係性が「共助」を誘発するということです。

共有地は、日常時には住民が集ってくつろぎ、
子ども達が遊ぶ公園として利用されますが、
非常時には防災拠点となり、かまどベンチや井戸、
AED を始めとする様々な防災関連アイテムが
役に立つように備えられています。

さらに、各住戸には学校からの手紙や災害マップを貼れるマグネットボート、
アウトドアでも活躍するポータブル電源のほか、
パントリーや消火器などの設備を取り入れることで、
子どもたちが暮らしの中で自然と「自助」の意識を高めることができる
住まいとなるような工夫が施されています。

分譲地内に防災という視点を明確に持たせ、
普段から様々な防災関連アイテムの使い方に慣れ、
有事の際に落ち着いて実践できるように防災リテラシーを
高める仕掛けが盛り込まれている点が評価され、
今回の受賞に至ったということです。

従来の分譲住宅とは一線を画す新しい街並み

埼玉県本庄市のケイアイスター不動産では、
「第17回キッズデザイン賞」において２作品を受賞しています。
同社のキッズデザイン賞の受賞は４年連続５回目となります。
受賞作品の一つであり、
「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門」において受賞した
「小路の小町 Komichi no Komachi」は、
茨城県古河市で開発された全12邸の分譲住宅地です。

一般的な分譲地の境界と建物の「間」となる部分を
「小路」という特別な空間に変更し、
12区画の分譲地に張り巡らされた小路で、
住民同士の暮らしが繋がるという点を
コンセプトとして開発されました。

ブロックとフェンスを用いて区割りする一般的な分譲住宅の概念を覆し、
隣家との境界を小路を使ってつなぐという
新しい発想をデザインに取り入れています。
街の中を複数通っている小路は、
車では侵入することができない通りとして、
住民だけの共有空間となっています。

街に暮らしている住民同士において、
「集い」、「語らい」、「憩い」のための空間として
日々の生活の中に様々なシーンを演出するということです。
また小路には、それぞれに古河市ゆかりの名前を冠しており、
街のシンボルツリーとしてのイロハモミジの木や癒しの草花、
ベンチなどを設置しています。

一方でプライバシーやセキュリティ面にもしっかりと配慮しており、
小路全体に配された街灯りは、
住人の足元を照らしながら外部からの侵入を防ぐ役割を担っています。
また、各住戸には地窓や格子窓を採用することで、
外からの視線を遮る工夫も取り入れているということです。

ケイアイスター不動産が同分譲地の入居者に対して
実施したアンケートによると、
「小路があることで暮らしが安全だと感じる」
と答えた人が88.9％となっています。

同社では、街に小路があることで、
街全体で住民同士の適切なコミュニティが形成されるとともに、
子どもとその親の安心・安全に寄与しているとしています。

(情報提供：住宅産業研究)