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「コロナ禍で変わる住む場所、働く場所」市場動向

商品・トレンド
2021.1.19

コロナ禍で田舎の人気高まる?


このコロナ禍において、
若者の移住に対する関心が徐々に高まっています。
観光地としても有名な埼玉県長瀞町役場は2020年11月、
東京都23区在住で子育てをしている30~40代の都心出身男女200人と
関東甲信かつ東京23区から100分以上掛かる田舎出身の男女100人、
田舎在住で子育てをしている
30~40代の男女200人の合計500人を対象に、
「移住に関する調査」をインターネット調査にて実施しました。

300人の都心在住者にリモートワーク導入の有無を尋ねた
設問においては、「導入している」と回答した人が45.6%。
リモートワークを導入している人に
「リモートワークが浸透する以前と現在とでは、
どのくらい無駄な時間が減ったと感じますか?」
とという設問では、「平均1日3.55時間」、「1か月で71時間」
も無駄な時間が短縮されていることが分かりました。


リモートワークを在宅ワークと仮定すれば、
このメリットとして通勤時間ゼロはもちろん、
満員電車のストレスゼロ、通勤にかかる交通費ゼロ、
なども挙げられます。


また、この300人に「現在までに移住を検討したことがありますか?」
という設問では29.0%が「移住を検討したことがある」
と回答しました。また、Withコロナ時代の
「2021年以降に移住を検討していますか?」という設問においては
3人に1人以上となる34.0%が「移住を検討している」
と回答したとのことです。


年代別に見ると、30代の回答者の内、
2021年以降に移住を検討している人が半数近くの44.0%を占め、
若い世代の方が、移住意欲が高い傾向にあることが分かりました。


そして、移住の理由に関する設問においては、
第1位が「職場でテレワークの制度が導入されたから(43.1%)」、
第2位「山や川・海などの自然豊かなところに住みたいと思ったから(34.9%)」、
第3位「都会ではない場所でマイペースに生活したいと考えたから(34.9%)」
という結果でした。


テレワークが働き方のスタンダードとなれば、
勤務先が都心部にあっても田舎に居を構えることが可能で、
今後自然豊かな地域に住みたいという自然回帰の流れが
強まるかもしれません。


移住候補地として挙がりやすいエリアとしては郊外エリアだけでなく、
別荘地もその一つです。別荘専門の不動産物件検索サイトである
「別荘リゾートネット」は2020年8月に、
別荘検討者からの問い合わせが急増していると公表しました。
7月の問い合わせ件数は前年同月比で3.7倍、
現地への見学予約も2倍に増加しているとのことです。


人気のエリアとしては、伊豆・軽井沢・那須が挙げられますが、
伸び率が高いのは箱根・湘南・富士山麓エリアです。
コロナ禍において長距離移動を伴う旅行が困難な中で、
なるべく移動距離を抑えられるエリアで別荘を検討する人が
増えているようです。


サイト訪問者の年齢層としては、35~44歳が中心で、
前年と比較すると若年化の傾向が見られるとのことです。


密かに高まるサテライトオフィス需要


新型コロナのパンデミックは日本が抱える課題を
浮き彫りにしました。その一つが「東京一極集中」です。
人が密集する場所で新型コロナのクラスターが発生しやすく、
特に東京ではその傾向が如実に表れました。
その中で東京脱出を図る企業も現れました。


大きな話題となったのは、総合人材サービスを展開する
パソナグループの淡路島への本社移転です。
同社は主な本社機能を東京から兵庫県淡路島に移転すると発表し、
既に新本社屋建設プロジェクトも進んでいます。
2024年までに東京本社に在籍する4,600人の内、
1,200人を淡路島へ段階的に移す予定です。


都心部に本社を構える住宅会社にとっても、
一部の本社機能の他県移管は可能でしょう。
地方に拠点を構えることのメリットは事務所の家賃を抑えられることや、
新しい人材確保の機会が増えることなどが挙げられます。


これをいち早く実践したのが埼玉県新座市の増木工業です。
同社は働き方改革推進企業の一つで、
コロナ禍以前からテレワークを導入するなど積極的に
働き方の見直しに取り組んできました。
そして、新型コロナのパンデミック前の2019年に山形県米沢市に
「米沢営業所」を開設しました。
現在、経理や設計、積算など本社業務の一部を
このサテライトオフィスに移管しています。


現地では採用も行い、
ハローワーク米沢で開催した会社説明会には18人が
参加したとのことです。
現在、米沢営業所は埼玉の本社から派遣した社員1人と、
現地で新規採用した2人の合計3人で稼働しています。


この米沢営業所は事業継続計画の一環として、
大規模災害で本社機能が停滞した場合に
バックアップの役割を果たすことも想定しています。

(情報提供:住宅産業研究所)

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