「CEATEC 2020開催」業界ニュース
今年は完全オンラインの「CEATEC 2020 ONLINE」
アジア最大級のIT・エレクトロニクス展示会である「CEATEC」が
10月20日から23日までの4日間の日程で開催されました。
毎年開催されており、今回は21回目という歴史のある展示会の
CEATECですが、今年は新型コロナウイルスの影響により、
長い歴史上で初めての完全オンラインでの開催となりました。
出展企業は、CEATECのWEB上に展示する商品やサービスの
プレゼンテーションや紹介動画を掲載し、来場者は事前登録した後に
各社が掲載している展示を見ることができます。
また商品カタログ等もWEBからダウンロードすることが可能で、
質問等は用意された問合せフォームやメールで各出展企業の担当者に
直接連絡できるようになっています。
会期中の登録来場者数は8万5650人で、過去に開催されたCEATECの
中では最も少ない人数となりました。
一方で、オンライン開催にしたことで会期中の延べ来場者数は13万人
を突破し、コンファレンスの聴講者数は、延べ10万5210人となり、
昨年の2万8228人を大幅に上回る実績となりました。
また、12月末まで各社の展示や一部のコンファレンスをいつでも
視聴できるようにしたことで、これまでは限られた日程の中で
見学する企業等を絞って見て回る必要があったのが、
より多くの企業の展示を見学することが可能となりました。
CEATECにおいては、先進技術を活用した未来の暮らしや街づくりが
テーマになることが多く、住宅関連企業も数多く出展しています。
今回は完全オンライン開催となったCEATECについて、
各社の展示を含めご紹介します。
テーマは「ニューノーマル社会と共に歩む」
今年のCEATECのテーマは、「ニューノーマル社会と歩むCEATEC」
ということで、住宅以外にIT・エレクトロニクス、金融、旅行、
玩具、工作機械、建築、通信、ヘルスケア等、幅広い業種・産業
の事業者が集まりました。各社の展示内容は「ニューノーマル」を
意識した発表内容となっており、新型コロナウイルスにより
明確になった社会の課題を各社の商品やサービスで解決するという
提案が示されました。
例えば、ワイヤレスやセンシングなどのデジタル技術を使用した
遠隔・非接触、そして仮想空間等の実現、さらに生成されたデータを
AIで分析することで、業務の効率化や新たな価値を提供するといった
サービスが多く提案されています。住宅関連の展示では、
質の高い暮らしを提供する新サービスや商品、新型コロナウイルス
で変化した生活に対応するサービス等が提案されています。
【展示事例1】
沖電気工業(OKI)では、個のウェルネスを実現する
行動変容サービスの一環として、
睡眠改善プログラムを開発し展示しました。
同社の行動変容サービスは、利用者一人一人の行動を分析し、
タイミングよく健康的な行動を提案するというものです。
京都大学健康科学センターとの共同研究によるもので、
各自の行動データをスマートフォン等で収集し、
500種類を超える行動変容メッセージによって、
睡眠に課題のある人への睡眠改善や生活習慣病の予防を促します。
【展示事例2】
在宅勤務が増えたことで、自宅でオンライン会議をする機会が増えた
という人のために開発されたのが、
旭化成エレクトロニクスのボイステクノロジーです。
同社が開発した音響解析機能では、ユーザーの発話を検知し、
マイクのスイッチをオンにすることで、
オンライン会議の快適性を向上することができます。
発言の際に自然とマイクをオンにすることができれば、
スイッチの入れ忘れを防ぎ、煩わしい制御が不要になることでより
議論に集中することができます。
また、ヘッドセットを装着していると、周囲からの呼びかけに
気付かないことがありますが、同社が開発したヘッドセットには、
周りの音を集音して耳に伝える外音取り込み機能が付いています。
必要なタイミングでこの機能のスイッチを入れることで、
より自然に周囲との会話を行うことができます。
その他にもノイズキャンセリングに対応し、
話者の方向の音声のみを狙って抽出することができ、
情報漏洩リスクを減らしたり、家族に気を使いながら小声で
オンライン会議をするといった音のストレスを軽減します。
(情報提供:住宅産業研究所)