「2020年度グッドデザイン賞発表」商品・トレンド

今年度のグッドデザイン賞のテーマには、デザインを通じて他者や社会、
環境などについて考え、それに応えることを示す「交感」が掲げられており、
4,769件のプロダクトやサービスなどの応募の中から、最終的に1,395件（974社）が
2020年度グッドデザイン賞を受賞しました。今年は新型コロナウイルスの影響で、
毎年開催されている受賞作展は行わず、特設サイトを中心とした
オンラインイベント「GOOD DESIGN SHOW 2020」を
11月30日までの期間限定で開催しています。

10月30日には、特別賞の発表と今年のグッドデザイン賞を象徴する大賞の選出会を
ライブ配信する予定で、大賞選出会が一般公開されるのは、1957年の創設以来、
初めての試みということです。

住宅会社のグッドデザイン賞受賞作品

幅広い領域を対象としたグッドデザイン賞では、住宅業界からも多くの
作品がエントリーされ、受賞しています。
一条工務店は2020年度グッドデザイン賞において、４点の作品が同時受賞しています。
１つ目は、全館換気システムに｢加湿ユニット」を搭載したことで、
本体１台で家中を均等に理想的な湿度に加湿することができる「ロスガード90 うるケア」。

２つ目は、強化ガラスと防犯合わせガラスのダブルバリアを備え、
一般的なガラスと比べ７倍以上の強度を持たせた
「強化ガラス採用トリプル樹脂サッシ」。

３つ目は、免震構造と制振装置で免震・制振性能を高めるだけでなく、
浸水リスクに備え非常用自家発電装置、受水槽を３階フロアに設置し、
被災後も自宅内に留まることを可能にすることで「新たな防災スタンダード」
となる高レジリエンス性を追求した「一条タワー（静岡県浜松市）」です。

そして、４つ目の受賞作品が、「一条工務店住まいのサポートアプリi-サポ」です。
「i-サポ」は、住まいのアフターサービスをサポートするスマートフォン用の
アプリで、暮らしの中で生じる住宅に関する悩み事や困り事の解決を支援します。
アプリを使うことで外出先から太陽光発電設備の稼働状況や消費電力を
確認することができるほか、アフターメンテナンスが必要な場合には、
スマートフォンで不具合箇所を撮影して送信することで、
部材や修繕業者の手配を行うことができます。

従来、住宅設備の消耗部品を交換する場合、ユーザーは仕様書などから
メーカーや型番を調べ、住宅事業者に連絡するといった手間がかかっていました。
「i-サポ」では、自邸に使用されている住宅設備機器の交換部品だけが
表示されるため、ユーザーはアプリにログインするだけで、
必要な部材を注文することが可能となっています。

不動産大手の大京グループでは、分譲マンション「ザ・タワーズフロンティア札幌」と
「マスクOK! 顔認証操作宅配ロッカー」の２件でグッドデザイン賞を受賞しました。
受賞作品２件の内、「マスクOK! 顔認証操作宅配ロッカー」は、
大京グループの穴吹工務店とフルタイムシステム社が共同で開発した
オートロックと宅配ボックスに顔認証技術を組み合わせたセキュリティサービスです。

従来、マスク着用時には、顔認証セキュリティで認証することができませんでしたが、
AIシステムの視認性の向上により、鍵やカードを使うことなく、
マスクをしたままエントランスホールのセキュリティエリアに入館可能としています。
「マスクOK! 顔認証操作宅配ロッカー」の受賞においては、
新型コロナウイルスの感染拡大から衛生面への意識が高まり、
日常生活においてもマスクを着用し、非接触を心掛けることが習慣の一部となった、

新しい生活様式という時代のニーズに応える取り組みが評価されたということで、
時代を映す今年ならではの受賞作品の一つとなっています。

（情報提供：住宅産業研究所）