「2019年版データに見る、住宅業界のWEB集客事情」市場動向
国土交通省が毎年実施している「住宅市場動向調査」では、
住宅を取得した方が、検討過程において建築会社や物件の情報をどのように
収集したのかを毎年調べています。
今回は、最新の令和元年度報告書をもとに、注文住宅建築者・分譲住宅購入者の
情報収集について検証します。
注文住宅:情報収集の「紙→WEB」化、首都圏以外でも顕著に
まずは、注文住宅の結果を見てみましょう。
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※令和元年度の結果/( )内は平成30年度の結果
住宅展示場 :52.5%(53.9%)
知人等の紹介 :24.9%(27.8%)
インターネット :18.9%(16.7%)
住宅情報誌 :14.0%(13.4%)
自身や親族・知人の勤め先:13.3%(16.2%)
新聞等の折り込み広告 : 9.8%( 9.3%)
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広告宣伝の3大ツールであるネット・情報誌・折り込み広告で比較すると、
すべて前年より増加しているものの、ネットの伸び率が高いため、
ここ3年ほど続いている「ネット>紙」の傾向が、より顕著になっています。
また、地域別データに目を向けると、「ネット>紙」が都市圏ではなく地方圏でも
進みつつあることがわかります。
前回調査では、地方圏でのネット利用率は住宅情報誌を下回っていましたが、
今回の調査ではネット17.8%・情報誌14.6%・折り込み9.5%という結果です。
分譲住宅:WEB利用率は高水準、コロナ禍でさらに増加も
次に、分譲住宅の調査結果です。
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※令和元年度の結果/( )内は平成30年度の結果
不動産業者 :48.9%(39.7%)
インターネット :34.3%(36.6%)
通りがかり :20.7%(25.6%)
住宅展示場 :12.8%(12.1%)
知人等の紹介 :11.9%(10.3%)
新聞等の折り込み広告: 7.6%( 8.8%)
住宅情報誌 : 6.4%(10.3%)
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こちらもネット・情報誌・折り込み広告で比較すると、注文住宅以上にネットと
紙広告の差が拡大しています。分譲住宅ではすでにネット中心の集客活動が
定着していることもあり、妥当な結果と言えるでしょう。
さて、ここまでご紹介したデータは、最新結果とはいえ「令和元年度」、
つまりコロナ禍前のデータです。
「ステイホーム」「新しい生活様式」を経て、次回の調査はこれまでと大きく変わり、
特にネットはこれまで以上に伸びることが予想されます。
分譲住宅だけではなく注文住宅でも、都市圏だけではなく地方圏でも、より一層の
対策が求められていると言えるでしょう。
(情報提供:住宅産業研究所)