「リフォーム×ネット客」の最新動向業界ニュース
今週と来週は、インターネット上でリフォーム会社とリフォーム検討者のマッチングサービスを展開する「ホームプロ」が発表した「2018年リフォーム実態調査」の結果をご紹介します。ネット上でリフォーム会社選びを行い、工事完了に至った8,649件のお客様は、どのようなお客様なのでしょうか?まず今週は、お客様のプロフィールを見ていきましょう。
シニア層の利用がじわじわ増加、平均単価は200万円超え
お客様の年齢層は、下記のようになっています。
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※カッコ内は前回2017年の結果
20~39歳:15.9%(17.7%)
40~59歳:55.7%(56.5%)
60歳以上:21.1%(20.1%)
無回答 : 7.3%(5.7%)
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わずかではありますが、59歳以下の比率が減少し、60歳以上が増加しています。上記のデータにはありませんが、2016年から2017年にかけても同様の傾向が見られ、シニアの利用率がじわじわ上昇していることが分かります。一次取得層のリノベ需要が伸びているとは言え、リフォームの主要顧客層がシニア層であることは変わりません。スマートフォンやタブレットの普及によってシニア層のネット活用ハードルが下がったことにより、ネット上でのリフォーム顧客像が、業界全体の実態に近付きつつあると言えます。マッチングサイトだけではなく自社ホームページなどにおいても、リフォーム情報はより積極的かつ分かりやすい情報発信が求められるでしょう。リフォームに掛けた費用の平均は209.5万円。前回調査(218.5万円)より減少したものの、引き続き200万円を超えています。また、全体の約1割にのぼる10.5%が500万円以上の工事です。高額案件のお客様がネットで情報収集・会社選定を行う状況がうかがえます。
検討日数は長期化、一方で「即決」との2極化も?
次に、リフォーム会社との契約までに要した日数を見ていきます。ホームプロにリフォーム会社紹介の初回問い合わせを行ってから、リフォーム会社と工事契約を完了するまでの平均日数は72.1日。2016年は70.4日、2017年は71.6日ですから、わずかながら長期化が進んでいます。工事金額別で見ると、500万円以上の工事では平均日数125.9日、約4ヶ月です。また、比較的検討期間が短いと思われる50万円未満の工事でも、平均日数は51.1日と、2ヶ月近くに及んでいることが分かります。ネットのお客様の特性上、複数の会社を比較検討するケースが多いと推測でき、今後も検討期間の長期化傾向は続くものと思われます。一方、全体の3分の1近くにのぼる28.9%は、初回問い合わせから契約完了まで30日以内というお客様です。全体の平均日数は長期化する一方、30日以内での契約割合はここ数年ほぼ変わっておらず、「即決派」と「じっくり派」の2極化が進んでいるとも言えそうです。商談初期段階での積極的なアプローチを怠らない一方で、中長期的な追客も計画的に行うなど、よりお客様の温度感に合わせた接客戦略が重要になりそうです。
(情報提供:住宅産業研究所)