最新データに見る、一次取得層の情報収集事情市場動向
先週は国土交通省の「住宅市場動向調査」を取り上げましたが、今週は総務省が発表した「令和元年版 情報通信白書」から、皆さんの集客戦略に関わるデータをいくつかご紹介します。
一次取得層の新聞離れ・テレビ離れ、実際のデータを見ると…
先週のメールマガジンで「ネット>紙の顕著化」「新聞折り込みの落ち込み」について取り上げましたが、情報通信白書が示す「主なメディアの平均利用時間」を見ると、この傾向が顕著に現れています。また、新聞離れと同じく近年叫ばれている「テレビ離れ」の実像も見えてきます。一次取得層のボリュームゾーンである30代の、平日1日あたりの平均利用時間を、ここ5年間の推移で見てみましょう。
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ネット利用 :110.7分(87.6分)
新聞閲読 : 3.0分(4.1分)
テレビ(リアルタイム)視聴:124.4分(151.6分)
テレビ(録画) : 17.4分(15.6分)
※2018年度の結果/()内は2014年度
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ネットの利用時間は、ここ5年間だけで見ても約26%増加。新聞は平均閲読時間が3分程度にとどまっており、利用率も30代では13.0%と低迷しています。また、リアルタイムでのテレビ視聴時間も、この5年間で約18%減少。利用率も30代では74.1%にとどまっており、平日にテレビを見ていない30代が、実に4人に1人にのぼっています。10代・20代では、すでにネット利用時間がテレビ利用時間を上回っていますが、近い将来、30代でも同じ現象が起きることは間違いないでしょう。折り込みチラシやテレビCMが自社の認知獲得手段として有効であることは間違いありませんが、一次取得層の世代には届きにくい広告になりつつあるようです。ネット上でのバナー広告・動画広告など、「ネットでいかに認知を広げるか」を考えるべき時期に来ています。
ネット利用「パソコン」は縮小、スマホメインでのネット対策を
ネット上での集客戦略というと、もう1つ見逃してはならないのが「スマホでのネット利用」です。このメールマガジンでもたびたびお伝えしていることですが、住宅業界ではいまだに「スマホ対応していないホームページ」「スマホに配慮していないホームページ」が少なからず見受けられるので、改めて最新のデータを確認しておきましょう。
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インターネット利用端末の種類
スマートフォン:59.5%(59.7%)
パソコン :52.5%(48.2%)
※2018年度の結果/()内は2017年度
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住宅会社のネット担当者の多くは、パソコンの画面だけでホームページなどの内容を確認していますが、スマートフォンでの見た目・使い勝手は、常に意識しなければなりません。テレビを見ない、新聞を読まない一次取得層を取り込むための集客戦略は、これまで以上にネット重視、特に「スマートフォンの限られた画面内でいかに自社を知っていただき、ファンになっていただくか」が、重要なテーマとなるでしょう。
(情報提供:住宅産業研究所)