最新データに見る、住宅検討者の集客事情業界ニュース
国土交通省が毎年実施している「住宅市場動向調査」の最新結果が公表されました。この調査の中では、住宅を取得した方が、検討過程において建築会社や物件の情報をどのように収集したのかを調べています。
今回は、注文住宅建築者・分譲住宅購入者のデータをもとに、一戸建て検討者の情報収集について検証します。
注文住宅は「ネット>紙」がさらに顕著に
まずは、注文住宅の結果を見てみましょう。
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住宅展示場 :53.9%(48.8%)
知人等の紹介 :27.8%(24.3%)
インターネット :16.7%(15.9%)
自身や親族・知人の勤め先:16.2%(16.2%)
住宅情報誌 :13.4%(13.0%)
新聞等の折り込み広告 : 9.3%(12.2%)
※2018年度の結果/()内は2017年度
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1位「住宅展示場」・2位「紹介」は前回と変わりませんが、前回3位だった「勤め先」が4位に後退し、代わって「インターネット」が3位に上昇しました。一方、紙ベースの集客ツールである「情報誌」「折り込み」はともに数字を落としており、3年ほど前から続いている「ネット>紙」の傾向が、さらに顕著化しつつあります。中でも落ち込みが目立つのが「折り込み」です。都市部・地方を問わず割合を下げていますが、特に都市部での落ち込みが顕著で、首都圏・中京圏・近畿圏の三大都市圏では、5.9%(前回10.6%)、首都圏に限定すると、2.4%(前回8.6%)まで減少しています。若年層を中心とした新聞購読率の低下が、ここに来て顕著に影響し始めたと言えるでしょう。自社の営業エリアやターゲット顧客層によっては、もちろん折り込みが有効なケースもあると思われますが、過去からの習慣として折り込みを継続しているという住宅会社は、抜本的な集客方法の見直しが急務と言えそうです。
分譲住宅は変わらず「ウェブが最重要媒体」
次は、分譲戸建住宅の結果です。
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不動産業者 :39.7%(42.4%)
インターネット :36.6%(34.7%)
通りがかり :25.6%(25.8%)
住宅展示場 :12.1%(15.3%)
知人等の紹介 :10.3%(13.9%)
住宅情報誌 :10.3%(10.5%)
新聞等の折り込み広告: 8.8%(13.4%)
※2018年度の結果/()内は2017年度
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分譲がメインの会社の方は実感があるかと思いますが、分譲住宅では、ネットが他の集客ツールを大きく上回る状況が、すでに定着しています。また、注文住宅と同様に、折り込みの大幅な落ち込みも見られます。注文住宅・分譲住宅を問わず、この傾向は今後も続くと思われ、特に注文住宅はネットでの情報収集がさらに伸びることが考えられます。ネット集客に本腰を入れていない会社は早急な改善が、そうでない会社もさらなる注力が求められます。
(情報提供:住宅産業研究所)