【工務店MBA】建築業界の最新ニュース(H22 8/17号)
MBA
2010.8.17
今回のテーマ:工務店の介護事業の可能性 前編 H22/8/9
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【工務店MBA】建築業界の最新ニュース
発行:株式会社ナック
工務店MBA事務局
/www.home-builder.jp/
TEL:03-3343-3000
日下部 興靖
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日下部 興靖
差別化したいからと、 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 他社がやらないニッチ市場を狙い、 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 成果が出ないと悩んでいませんか? ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ●お世話になります。ナックの日下部です。 お盆休み前、ずっと出張していました。 ちょっとした理由があって、 熊本・岡山・三重を周って来て、 某FC(?)の本部からオススメされた 売れている3社に訪問してきたのですが・・・ どの会社も差別化を意識して、成功されていて、 ニッチ市場で上手に経営しているのが、よくわかりました。 バッチリと差別化に成功していて、 「なるほど納得」と感じました。 ニッチ市場とは・・・ ================================================== ニッチ市場(にっちしじょう)とは、市場全体の一部を構成する、 特定のニーズ(需要)を持つ規模の小さい市場のこと。 狭義には、その中でも商品やサービスの供給・提供が 行われていない市場とされる。隙間市場(すきましじょう)ともいう。 (Wikipedia参照) ================================================== しかし、その反面、差別化を行なおうとして、 ニッチを目指しているのに、上手く行かない工務店さんも 「たくさんいるな〜」と、移動中の新幹線の中で 思いをめぐらせていました。 例えば、差別化しなければならないから・・・ ・自然素材の家を建てる(大工系の工務店に多い) ・デザインにこだわった家を建てる(設計事務所系の工務店に多い) などですが、この市場は全くニッチ市場ではなく、 差別かも難しいです。 ほとんどの工務店さんが、何か差別化しなければと、 自然素材の家が得意だというのですが、お客様の目から見て 「自然素材の家なら○○工務店さんだよね!」 と呼ばれるのがニッチ市場を攻める最大の理由です。 しかし、そうはなっていない工務店が多い。 (>_<) ●ニッチな成功事例を紹介 私が住んでいる街には、 「ニッチ市場で上手くやっているなぁ〜」 と思う飲食店がたくさんあります。 宮崎地鶏に特化した焼き鳥屋さんとか・・・ てんぷらをメインにした居酒屋とか・・・ 色々あるのですが、その程度なら大手も参入できる レベルのニッチ市場だなと思います。 しかし・・・ ”ワンタン”が主役のレストラン ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ という店があるのです。 全国の繁華街でB級グルメを味わってきた経験からすると、 ”ワンタン”が主役のレストランというのは珍しいですよね。 行きつけの美容室のオーナーが、 髪を切りながらのトークの中で・・・ ”ワンタン”しかないレストランって、もう行きました? と聞かれたので、もちろんその週末に嫁さんと 出かけたわけです。 枝豆・サラダなど以外は、 ほとんどワンタン。 ゆでワンタン・焼きワンタン・揚げワンタン・スープワンタンから、 ワンタンの生地を使ったピザとか、とにかくワンタンだらけ・・・ 店に入る前は、 「どうせたいしたメニューの数もないだろう・・・」 とちょっと馬鹿にしていたのですが、 頼みきれず・・・ しかも、狭いスペースの店内は満席。 既に常連客も付いていて、 味も美味しい! 「ワンタンは、奥深い食べ物だった!」 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ という衝撃まで与えてもらいました。 ここで私の行動パターンをまとめると・・・ 口コミでその店の事を知り、 ”ワンタンしかない”という切り口に興味を持ち、 馬鹿にしながら行ってみたら衝撃を受けた。 これが飲食店だから、常連になるというオチになりますが、 住宅メーカーでこれができれば・・・??? ニッチ市場に参入するなら、 しっかりと独占できる市場(切り口)を狙い、 ○○の家ならエリアで1番になれる市場を 狙うべきですね! (^_^)/ ●ニッチ市場を狙う意味は・・・ 「中小工務店がニッチ市場を狙う」 という意味合いをもう一度考え直してもらいたいのですが・・・ 例えば・・・ ・大手メーカーと競合したくない ・他の工務店と競合したくない という理由が根本にあったはずですよね。 ようは競合のいない市場で、パイは小さいながらも、 「○○なら、あの工務店!」 と誰にも言われるようになり、小さな市場を独占する というのがニッチ市場のいいところです。 しかし、せっかくニッチ市場に参入したのに、 お客様に○○は付けれませんか? ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ □□ハウスのような、これはできませんか? ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ という要望に対して、 「できます!」 とはじめから答えてしまうと、 競合他社と一緒になってしまいます。 なので、 「この地域で○○系の家を建てるなら、ここ!」 と呼ばれるためには、他社がやっていることを できるだけ排除していくことも大事ですね。 あれも、これも・・・ と欲張ってお客様に見せるのではなく、 「これならこの地域でNO.1です!」 と打ち出せるものに特化した方が、 口コミでお客様が集まるんですよね! さぁ、あなたの会社は、どんなニッチ市場で、 地域NO.1を目指しますか?! (^_^) ○●○●○●○●○ 工務店MBA 業界ニュース ●○●○●○●○● 今回のテーマ「工務店の介護事業の可能性」 前編 ■今後注目の介護事業、市場規模はどれくらい? 新築住宅の需要が低下し、着工数減少に苦しむ 住宅業界においては、新築戸建以外の事業にも ビジネスチャンスを見つけて事業を多角化することも、 ビルダー・工務店の生き残り戦略の一つです。 事業多角化の一分野として、 最近注目を集めているのが介護事業です。 周知のように日本の高齢化は今後急速に進み、 介護は大きな社会問題になりますが、逆に言えば、 大きな成長産業であるとも言えます。 では、介護事業の市場規模はどのくらいあるのでしょうか。 介護保険の歳出額を参考にすると、07年度は6.7兆円の歳出があり、 そのうち保険給付額が6.2兆円でした。 有料老人ホームの半分以上は保険外サービスと言われているので、 その分の市場規模や、紙おむつなどの用品、住宅のバリアフリー改修 なども加味すると、10兆円を超える規模だと思われます。 要介護認定者の数は年々増加しているので、 市場規模は今後も拡大していくでしょう。 ■介護事業の種類 介護事業といっても、業態によって様々な種類があります。 ・特別養護老人ホーム 在宅での介護が困難な重度の要介護者を対象とし、 必ずしも回復を前提としていない。 90%強が社会福祉法人・地方公共団体の運営で、 民間は参入できない。 ・介護老人保健施設 医療やリハビリ等を一定期間行って、在宅での生活に 復帰させることを目的とする。 医療行為を伴うため、8割が医療法人の運営。 ・有料老人ホーム 高齢者を入所させ、生活サービスを提供することを目的とした施設 認可を受ければ開設できるため、民間企業の運営が7割近くを占める。 これらの入所型施設は、建物は大型のものが多く投資額が大きいため、 住宅会社が運営するのは難しく、建築請負にも技術やノウハウが必要です。 同じ入所型の施設でも、規模が小さいグループホームや 高齢者専用賃貸などの業態は、ビルダーでも 取り組みやすいのではないでしょうか。 ・グループホーム 少人数が入所者同士や介助者と触れ合いながら施設内で生活する。 ・高齢者専用賃貸 賃貸住宅にオプションで介護や配食などのサービスを付加した業態。 施設自体は一般の賃貸住宅の延長のような作りなので、 建築請負も比較的容易。 以上は施設に一定期間以上入所するサービスですが、 自宅から通って短期間利用するような通所型サービスもあります。 ・ショートステイ 普段は家庭で介護をしているが、家庭の状況で一時的に介護をすることが できない場合や、介護する家族の精神的・身体的な負担の軽減のために、 短期間入所して日常生活全般の介護を受けることができるサービス。 ・デイサービス ショートステイのようなサービスを日帰りで行う。 ・小規模多機能型 ショートステイとデイサービス、訪問介護など、 1ヶ所で全般的なサービスを提供する。 これまで見てきた業態は、要介護者を受け入れる施設が必要ですが、 要介護者の元へこちらから出向く訪問介護という業態もあります。 介護士と営業拠点を確保すれば進出できる事業ですが、 保険給付額が少ないため、採算ラインを維持するのが 難しいと言われています。 その他の介護関連事業としては、介護用品のレンタルや、 介護タクシーの運営などがあります。 こうした様々な業態の中で、ビルダー・工務店が 参入しやすいところを考えると、まずは商業建築や 医院建築の延長で、介護施設の建築請負をすること。 自社で運営するのであれば、ショートステイやデイサービスなどの小 規模な通所型のサービスが参入しやすいのではないでしょうか。 次週は実際に介護事業を行っているビルダーの事例をご紹介します。 (情報提供:住宅産業研究所)