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18年下半期ハウスメーカー商品は、『共働き』『子育て世帯』に焦点

2019.1.28

日本の住宅は日本人の価値観の変化や生活スタイルの変化と共に、移り変わってきました。戦後まもなくの時代は、それまで1つの居室で食事をし、就寝の際には布団を敷くという生活が一般的でした。その後、食事用と就寝用の部屋を分ける「食寝分離」の文化が定着し始めると、DK(ダイニングキッチン)と居室を分ける間取りが登場します。

さらに平成の時代を迎えると、個人のプライベート空間が重要視され始め、今では居室の数をnと表記する「nLDK」の間取り形態が浸透しています。これまで、技術開発を背景とするハード面の訴求が主流だったハウスメーカーでしたが、この18年下半期は「新しい家族の暮らし」に立ち返り、家族の住まい方に着目した商品がラインナップに並びました。このようなソフト提案はどちらかと言えば地域ビルダーが強みとしていた部分であり、差別化手法の1つでもありました。今回紹介するハウスメーカーの商品はハード面とソフト面、両面における訴求と言え、ビルダーが商品展開を図るうえで把握しておくべきポイントが多く含まれています。


“家族の時間”と“独りの時間”に配慮


積水ハウスグループの積和建設が発売した木造軸組商品「パルタージュ」は、30~40代の共働き子育て世帯をターゲットに、「家事も、楽しみも、わかちあう家。」をコンセプトとして開発されました。積和建設としては初となる、全国18社の統一商品です。家事も子育ても協力し合う夫婦にとっては、家族全員が楽しく過ごす時間だけでなく、自分の趣味の時間、独りでリラックスできる時間もやはり大切です。この商品では新しい暮らし方提案を積水ハウスグループの住宅品質で提供することで、ハード×ソフトの両面で訴求しています。

具体的な間取り提案としては、まず「土間リビング」を設けることで子どもの遊び場やくつろぎの場として活用できる空間を創出。また、「ファミリークローゼット」は、家族の収納を一箇所にまとめることで、洗濯物を畳んで仕舞うまでの家事効率化が可能です。子どもの宿題、大人の在宅ワーク時など、一人で何かに集中したい時のために「ワークカウンター」も用意されています。


外装の仕上げは屋根に高耐久のガルバリウム鋼板を使用し、外壁に継ぎ目がなくすっきりした納まりが特長のシーリングレスサイディング、さらに木製玄関ドア、樹脂サッシなど、耐久性・意匠性に優れた部材を標準仕様としています。住宅性能に関しても、耐震性能や断熱性能では住宅性能表示制度の最高等級に標準仕様で適合し、長期優良住宅、ZEHにも対応可能です。価格面においては坪単価55万円~と抑え、年間300棟の販売を目標としています。


教育事業者との共同開発で“家族みんなが成長する家“誕生


パナソニックホームズは、学研ホールディングスと共に、子育て世帯に向け戸建住宅NEW「KODOMOTTO(こどもっと)」を開発し18年10月末に発売しました。参考価格としては、ZEH仕様かつ太陽光発電システム5.1kW、蓄電池5.6kWを搭載して、38.67坪2,877万円と設定されています。第一弾が登場してから4年振りとなる新商品で、販売目標は初年度1,000棟とのことです。


この商品では、家族みんなで成長できる3つの要素として、「育ちの基盤」、「育ちの意欲」、「育ちの環境」をコンセプトとしています。「育ちの基盤」は子どもが生まれてから小学校低学年までに身に付けさせたい基盤能力である「運動機能」と「正しい生活習慣」の向上が狙いです。成長に合わせた収納家具提案や、子どもが集中できる環境を用意し、心の整理を促し、想像力の育成を促します。また、住宅内にボルダリング等の体を動かせる環境を整えることで、子どもの運動能力を育てる提案をしています。「育ちの意欲」という観点では、家族がお互いに会話を楽しんだり、お手伝いを促すオープンタイプのキッチンや、宿題や仕事をダイニングテーブルで行う「Familyコワーキング」などを用意。「育ちの環境」では、子どもを含む家族同士の好奇心をはぐくむための空間づくりが特長で、コミュニケーションウォールなどを提案しています。


パナソニック、学研の両社は、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウン(以下、Fujisawa SST)の開発を進めるFujisawa SST協議会に参画しています。それぞれが目指す「子どもの成長や自立心を育むための良好な子育て環境の実現」と「子育て支援」の目的が合致した経緯から、「KODOMOTTO」の共同開発が実現しました。発売にあたっては、Fujisawa SST協議会の協力のもと、現地にモデルハウスをオープンしました。エンドユーザーに体感・共感してもらい、徐々に認知度の向上から拡販を目指しています。

(情報提供:住宅産業研究所)

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