質の高い生活を訴求するこだわりの住宅新商品
前回は、「人生100年時代」を見据えた新コンセプト商品、共働きの子育て世帯をサポートする工夫を様々に盛り込んだ新商品をご紹介しました。今回は富裕層向けにグレードアップした新商品、最新技術で入居者の利便性を高めた賃貸住宅をご紹介します。
性能、デザインを強化した富裕層向け新商品
大和ハウスは、10月1日より富裕層をターゲットとした最高級戸建住宅の新商品「ジーヴォシグマプレミアム」を販売しています。同商品は、「日々の暮らしに充足感を提供する都市の邸宅」をコンセプトに、断熱・耐震性能を向上させ、長期保証を実現した住宅商品です。
大和ハウスでは、2014年1月に同社の鉄骨住宅の最上位商品として「ジーヴォシグマ」を発売しました。ジーヴォシグマは繰り返しの巨大地震を受けても初期性能を維持できるエネルギー吸収型耐力壁「ディーネクスト」や、採用率80%を超える天井高2m72cm、開口幅最大7m10cmの大空間が好評で、累積販売棟数は13,500棟に上ります。
今回発売した「ジーヴォシグマプレミアム」は、さらに富裕層のニーズを分析・反映した商品となっています。同商品には、厚さ184mmの4層断熱を装填した「外張り断熱通気外壁」と性能を向上させた「新高断熱アルミ樹脂複合サッシ」を採用し、業界最高水準の断熱グレード「エクストラV」仕様を標準としています。構造面では、エネルギー吸収型耐力壁「ディーネクスト」の1階部分の枚数を増やし、躯体を強化した仕様を標準とすることで、耐震等級3の1.5倍の強度を実現しました。
さらに、同社独自の「外張り断熱通気外壁」の二重防水構造を強化したことで、構造・防水初期保証30年を可能としました。また、同社が実施した来場者アンケートから、「富裕層は内と外部のつながりに価値を置く」ということが判明したことを踏まえ、従来から好評を得ている天井高2m72cmと同じ高さに設定したサッシやドアを新たに開発し、標準装備としています。さらに、12mmの深い彫りと繊細な柄を持った新外壁を新開発し、高いデザイン性と耐久性を実現したということです。大和ハウスでは富裕層向けに年間600棟の販売を目標としています。
入居者の利便性、快適性を実現するIoT賃貸住宅
パナソニックホームズは、同社初となるIoT活用による新たな賃貸住宅の第1号物件「スマートグラン荻窪」を9月に竣工、報道陣に公開しました。同物件では、IoTシステムを設備、鍵、宅配ボックスに導入することにより、入居者の利便性や快適性の向上を図っています。パナソニック製のHEMS「AiSEG2」を全戸に導入し、エアコン、電源システム、給湯器、シャッターと連携させることで、スマートフォンでエアコン等の各機器を遠隔操作できるようにしました。
また、鍵の開閉については、「スマートキーシステム」を導入し、スマートフォンの専用アプリをONにしておくと、エントランスのオートロックが自動的に開き、玄関ドアはノブ付近にあるボタンを押すだけで解錠することができ、スマートフォンを鍵の代わりとして使用することができます。また、期限付きで鍵の開閉の権限をスマートフォンを通じて他の端末に与えておくことができ、入居者本人以外でもスマートフォンで鍵の開閉を行うことを可能としています。さらに、賃貸管理の面では、鍵の交換が不要となるため、メンテナンスの手間とコストが削減できます。宅配ボックスは、不在時の宅配物の受け取り、メールで宅配物の到着確認が可能となっています。また、宅配ボックスを活用し、荷物の発送やクリーニングの集荷・着荷、ネットスーパーで購入した食品の受け取りもできるということです。
「スマートグラン荻窪」は、東京都杉並区の荻窪駅から徒歩8分の立地で、敷地面積は767.54㎡、延床面積1,707.14㎡、重量鉄骨造地上5階建てで、総戸数は42戸ということです。パナソニックホームズでは、同物件を東京、名古屋、大阪エリアでのIoT賃貸住宅の拡販に向けたテストマーケティング物件として位置づけ、今後のIoT賃貸住宅の商品企画に活かしていく狙いです。また、2018年度中には、スマートスピーカーと連携した家電・住宅設備機器等の音声認識制御システムを整備し、今後の商品に導入していく予定だということです。
(情報提供:住宅産業研究所)