新たな暮らし方を提案する住宅会社の新商品
10月22日、政府は、未来への投資の拡大に向けた成長戦略と構造改革の加速化を図るための会議である未来投資会議を開きました。未来投資会議では、現行の65歳までの継続雇用の義務付けを、70歳まで引き上げる案等が検討に入っています。
未来投資会議の議長である安倍首相は、「高齢者の希望、特性に応じて、多様な選択肢を許容する方向で検討したい」としたうえで、来年夏までに結論をまとめ、速やかに法改正をするよう指示し「人生100年時代」を踏まえた、雇用改革について議論を行っています。
日本人の健康寿命が延び、元気に活躍する高齢者が増えたことで、高齢者が長く生き生きとした生活ができるような社会制度の整備が急がれています。住宅会社各社では、「人生100年時代」を見据えたものや、増加する共働き世帯をサポートするもの等、社会や暮らしの変化に対応した新しい暮らし方を提案する新商品が発表されています。
“脱LDK”で100年先を見据えた家
積水ハウスでは10月3日より、新コンセプトモデルの「イズ・ロイエ ファミリースイート」を販売しています。「ファミリースイート」は、同社の住生活研究所で行っている「住めば住むほど幸せ住まい」研究の成果と先進技術により、「わが家だけのファミリースイート」をコンセプトに考案されたモデルとなっています。従来の「LDK発想」から脱却した「新しいリビングのあり方」を提案しています。
住生活研究所の研究成果によると、リビングは食事、団らん、くつろぎ等の、家族の様々な役割を受け止めていることが分かりました。そこでこれからのリビングは、従来のL=くつろぎ、D=食事、K=調理といった、単機能で考える「LDK発想」から脱却し、過ごし方を縛らない「多用途空間=大きな広間」であるべきと考えたということです。
「ファミリースイート」は、多用途に利用できる仕切りのない大空間リビングを中心とする新しい住まいづくりの提案となっています。家族でテレビを見るといった、「一緒にいて一緒にする」ことと、スマホやPCを使う、お茶を飲むといった「一緒にいながら思い思いに過ごす」ことを両立できる空間の広さの確保と、家族の気配、つながりを伝えるための仕切りの排除を取り入れています。
積水ハウスの標準梁の約10倍の強度を持つオリジナル大断面梁の「ダイナミックビーム」を採用することで、30~40坪の住まいでも最大スパン7m、約30帖の大空間リビングを実現しました。さらに同じ外形の従来型プランと比べ、低コスト化も可能としています。また、人生100年時代を見据え、将来の家族構成の変化等で必要な部屋数や用途が変化しても、構造がシンプルであるため、リノベーション時の制約が少なく、将来のリフォームの設計変更等にも柔軟に対応できるということです。坪単価は69.5万円からで、積水ハウスではイズ・シリーズでの年間販売棟数6,000棟を目標としています。
子供の自立を促し、共働き家族をサポート
ミサワホームが10月6日より販売している「スマートスタイル H 新スキップ蔵」は、増加する共働き世帯を応援するため、スキップフロアを取り入れた新商品です。5層のスキップフロア空間に、ライフスタイルや収納提案、子育てサポート、環境性能等のスマートな新デザインが盛り込まれています。
1階玄関ホールのファミリーロッカーには、毎日使う通勤鞄やランドセル、コート等を収納することで、身支度の習慣化を図ります。また、朝晩の歯磨きや手洗い、洗顔も子供自身で出来るように、2階にある2つの子供部屋の間には洗面スペースを設ける等、様々な工夫を取り入れています。
さらに、スキップフロアデザインで2階を子供専用フロア、2.5階を親専用フロアとし、空間的な距離を置くことで、お互いの生活を尊重し、子供の自立を促しています。生活デザインでは、水まわりスペースを隣接させた集中設計を取り入れているほか、水まわり周辺を自由に行き来できる行き止まりのない「サーキュレーションプラン」、洗濯物を“干す・取り込む・畳む・しまう”を効率的に行える「ランドリー動線」を採用し、家事効率を高めました。また、キッチンからは洗面所、バスルームが見通せるので、家事をしながら子供の朝の準備、夜の入浴の様子を見守ることができます。
ミサワホームでは、全16プラン(東西反転プランを含む)を用意し、販売目標は「スマートスタイル」シリーズ全体で年間1,300棟としています。
(情報提供:住宅産業研究所)