いよいよ待ったなし、ビルダー・工務店のネット対策集客・マーケティング,市場動向,IoT/AI/VR関係
2018年が始まりました。消費増税に伴う8%特例の期限を来年3月に控えていることもあり、今年を「勝負の年」とお考えの方も多いかと思います。一次取得層の人口減少が進行する中、限られたお客様のパイを確実に獲得しなければなりません。集客活動・営業活動の両面で、これまで以上の工夫が求められます。
ネット集客を「今後の重点テーマ」に掲げるビルダーが急増
ここ1年くらいで、集客におけるネット活用について真剣に悩むビルダー・工務店が増えているようです。分譲住宅がメインの会社の多くは、すでにネット集客に前向きですが、ここ1年は注文住宅をメインとする会社でも、「ネット集客をなんとかしたい」という考えが広がり始めています。
住宅産業研究所が全国のビルダーを対象に毎年実施しているアンケート調査の結果を見ると、経営戦略における今後の重点テーマとして「ネット活用」を挙げる会社が急増しています。
経営戦略の今後の重点テーマを「ネット活用」とした割合
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2015年調査:27.5%
2016年調査:38.8%
2017年調査:46.3%
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調査対象となるビルダーが毎年同じではないので単純比較することはできませんが、わずか2年で実に20ポイント近く増えています。
ネットに対する各社の姿勢が変化していることは明らかです。世間一般では「今さらネットに本腰を入れるなんて…」と思われるかもしれませんが、住宅業界、とりわけ注文住宅業界においては、ようやくネットと向き合う会社が増えてきたという印象です。
お客様にも変化…「紙」と「ネット」の差が顕著に
実は、注文住宅を建てる会社だけでなく、注文住宅を建てるお客様側にも変化が見られます。
国土交通省・住宅市場動向調査の調査項目である「注文住宅取得世帯の情報収集方法」を見ると、ここ数年で、ネットと折り込み広告との差が開きつつあるのです。
注文住宅購入者の情報収集方法
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2014年度調査:ネット13.3%・折り込み11.7%
2015年度調査:ネット14.9%・折り込み13.1%
2016年度調査:ネット17.3%・折り込み11.0%
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2014年度の調査では、ネットと折り込み広告の差は1.6ポイントしかなかったのですが、最新の調査では、その差が6.3ポイントまで開いています。お客様側の情報収集も、ここ2~3年で紙→ネットへのシフトが加速しているようです。
冒頭に申し上げた「ネット集客を真剣に悩むビルダー・工務店が急増している」という背景には、このお客様側の変化が影響していると考えます。
これまでは、ネットがさほど得意でなくても、紙広告などでそれなりに集客できたのですが、ここ2~3年でお客様側の情報収集がネットへ傾倒した結果、いよいよネット集客に本腰を入れなければならなくなった…といったところでしょう。
さらに言い換えると、これまでは「ネットが得意な会社が集客・受注を伸ばす」という状況でしたが、これからは「ネットが苦手な会社が集客・受注を落とす」という状況に変わっていくでしょう。
他の業界ではすでに起きていたことが、注文住宅業界でもついに訪れたようです。「いつかはネット集客に注力したいけど…」と後回しにし続けていた会社も、2018年は、「ネットでどのように自社のファンを増やすのか」を、真剣に考える年にしたいものです。後回しは、もう許されません。
(情報提供:住宅産業研究所)