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既存ストック活用促進に向け、業界、国境を超えた企業連携が進む商品・トレンド,業界ニュース,市場動向

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業界ニュース
2017.9.11

近年、多くのメディアにおいて空き家や空地が問題視されています。しかしながら、空き家は敷地を駐車場として、または民泊の宿泊先として活用するなど、事業として展開できる可能性を秘めています。今回は、既存ストックの事業展開を目的とした代表的なアライアンス事例を紹介します。


akippaと阪急不動産が空き家運用に着手


この8月、akippaと阪急不動産が業務提携契約を締結したことを発表しました。akippaは、契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫に、15分単位でネット予約して駐車できるサービスを運営している企業です。誰でも簡単に駐車場をシェアできます。


貸し手は場所や価格、現場写真を登録し、料金はネット上でやり取りするため、料金メーターの設置も不要です。駐車料金はコイン駐車場より平均で3割以上安価に抑えられるため、利用者も増加傾向です。


2017年7月時点で、予約駐車場サービス・駐車場シェアサービスで業界1位となる、約12,000箇所以上の駐車場拠点数を確保しています。


阪急不動産株式会社は阪急阪神沿線を中心として、土地・住宅・マンションの分譲、土地活用、不動産の仲介、リフォームを展開する阪急阪神ホールディングスグループの不動産会社です。


昨年9月16日より「阪急の空家サポート」を開始し、沿線の空き家のオーナーのお悩み解決に取り組んでいます。


この2社の提携は、「阪急の空家サポート」の新メニューとしてakippaのサービスを加え、阪急不動産の物件がある京阪神において、稼働率の低い駐車場や空き地の所有者に対してサービスへの加入を促すことを目的としています。


阪急不動産では京阪神の人口減少の本格化を見据えて、空き家や空き地の所有者から土地活用に関する相談を受けることが増加しているようです。


akippaは阪急不動産の顧客に対し、空き家に併設されている駐車場をakippaの駐車場として貸し出す提案を積極的に進めていく方針です。


楽天と中国民泊最大手の途家(トゥージア)が日本民泊事業に本格参入


同じ8月、IT大手の楽天のグループ会社、楽天LIFULL STAY株式会社と中国の民泊最大手、途家(トゥージア)が提携することを発表しました。


楽天LIFULL STAYが来年1月に立ち上げる仲介サイトの物件を途家のサイトにも掲載し、訪日中国人客が利用できるようにする予定です。


以前ほど爆買いという言葉は耳に入りにくくなりましたが、日本は依然として中国人にとって人気の観光地です。


日本政府観光局によると2016年、日本を訪れた中国人は近隣諸国で断トツの637万人、訪日外国人客全体の27.6%を占めています。


一方、日本で民泊を利用する中国人は1割に留まっており、今回の提携は潜在的な需要の掘り起こしを見込んでいると推測されます。


中国人の旅行先としては、特に関西を含む西日本が東京よりも距離的に近いこともあり人気で、途家は年内に大阪支店を開設する予定です。


来年、日本で民泊が本格的に解禁されるのを受け、市場開拓に向けて急ピッチといったところでしょう。途家は中国で約50万件の物件を仲介していますが、日本では約5000件に留まっています。


楽天LIFULL STAYは、数万件の民泊受け入れ先をサイト上に掲載する予定で、仲介企業に途家を選んだ形となりました。途家は楽天LIFULL STAYとの提携も含めて、民泊登録物件を2020年までに日本国内で10万件に増やす計画です。


民泊は増加している外国人訪日旅行客の宿泊先の受け皿として期待されていましたが、民泊事業に対する熱視線は国内外の企業から向けられているようです。


(情報提供:住宅産業研究所)

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