住宅会社の最新テクノロジー商品・トレンド,資金計画,業界ニュース,市場動向
住宅会社各社では、最新のテクノロジーを駆使し、より快適な住宅の開発が進められています。日々進化していく技術を取り入れて、住む人の利便性の向上を図るのはもちろんですが、最近では住宅営業においても、最新の技術を活用することで、顧客満足度の向上や、社員の働き方の効率化を図る企業も増えてきています。
今回は、人工知能(AI)や、IoTの技術を取り入れた住宅会社の事例をご紹介します。
AI活用・チャット対応サービス広がる
熊本県のエスケーホームは、人工知能(AI)による自動回答機能を持ち合わせた24時間365日のチャット対応サービスを開始しました。
これは、同社の顧客がチャット形式の専用画面から、問い合わせ内容を入力することで、自動的に回答が得られる仕組みを利用したサービスです。
また、AIの機能を活用することで、顧客からの問い合わせの傾向を分析することができ、顧客ニーズの把握と、回答の精度を改善することができるようになっています。
これまで同社では、顧客からの問い合わせがあった場合、社内の受付スタッフが電話かメールで回答を行っていましたが、これに加えAIがチャット形式でいつでも問い合わせに対応できるようになります。
営業時間外に発生した問い合わせにもリアルタイムで回答することで、顧客満足度の向上と社内業務の効率化が図れるということです。
まずは、社員採用の窓口として導入し、同社に就職を希望する就活者向けにサービスを開始します。
将来的にはAIを活用し、住まいの設計プランの初期提案や、顧客一人一人のニーズに対して最適な回答が出来るサービスに拡充していく計画だということです。
住宅ローンの借り換えを希望するユーザーに対して、チャット形式で会話を進めていくことで、借り換えた場合のメリットなどを教えてくれるサービスも出てきています。
住宅ローン情報を提供するMFSでは、スマートフォンで利用できるアプリ「モゲチェック」にチャット機能を加えました。
ユーザーは、はじめに現在利用している住宅ローンの基本情報を入力し、その後はチャット用のイメージキャラクターである「モゲタロウ」と会話をしながら、年収や勤続年数などを入力することで、住宅ローンの借り換えでいくらメリットがあるかといった情報を受け取ることができます。
その他にもユーザーからの簡単な問い合わせであれば、チャットで自動回答も出来るということです。
各社が競う住まいのIoT化
より快適な住空間を提供するための最新テクノロジーとしては、あらゆるモノがインターネットとつながる「IoT」の技術を住まいに取り入れる動きも活発になっています。
ミサワホームは、2016年12月にIoT機器を設置したモデルハウスを活用したワークショップをマスコミ向けに開催しました。
シャープやヤフーなど約10社が参加し、IoTで生活がどう変わるかを表したデモンストレーションが行われました。
シャープが開発したロボット型携帯電話「ロボホン」は、話しかけることでタクシーを呼ぶことができ、ヤフーのスマートフォン向けアプリは、照明やカーテンをその日の天気に合わせて調整することができるなど、各社のIoT機器の活用例が紹介されました。
ミサワホームでは今後、住む人にどんなメリットがあるかを確認しながら、IoT機器と調和する住宅の提案につなげていきたいということです。
中古マンションのリノベーションサービスを手掛けるリノべるは、同社が提供するスマートハウス専用アプリ「コネクトリーアップ」に対応するスマートハウス機能付き賃貸住宅の提供を3月から開始しました。
フィリップ社のスマート照明「Hue」と、ユカイ工学のコミュニケーションロボット「BOCCO」の2種類のIoT機器を導入した賃貸住宅ということです。
居住者は手持ちのスマートフォンで「コネクトリーアップ」を使い、位置情報や生活リズムに連動した照明の自動制御や、家中の照明をワンボタンで操作できる一括制御が可能になっています。
また、天気予報やごみの日など、居住者が必要とする情報をロボットが音声で伝えてくれる機能も利用することができます。
リノべるでは、アプリがアップデートされるたびに新たな機能が追加され、住めば住むほど進化していく住宅を提供していくということです。
(情報提供:住宅産業研究所)