リフォーム集客におけるウェブ活用集客・マーケティング,市場動向,リフォーム・リノベーション
戸建の受注が思うように伸びない中、ここ数年はリフォームの受注をこれまで以上に強化するビルダー・工務店が増加しています。戸建同様、リフォームにおいても、見込み客確保のツールとしてウェブの攻略は重要な課題です。
近年盛り上がっている「中古購入リフォーム」のボリュームゾーンである若年一次取得層はもちろんのこと、交換・修繕系リフォームの主力となる50代以上も、ウェブでの情報収集が当たり前になっているからです。もちろん、ウェブ集客の基本は、、、
自社サイトにおいて自社の特長を的確にアピールすることで、より多くの反響(リフォームにおいては、現地調査依頼・見積もり依頼・資料請求など)を獲得することです。その点は、新築・分譲マーケットと変わりません。
しかし、リフォームマーケットにおけるウェブ集客は、新築・分譲とは異なる点が存在します。
ウェブ上でのリフォーム集客を成功させるためには、この相違点を正しく把握し、対策を講じることが重要です。そこで今週と来週は、リフォーム業界におけるウェブ集客について解説します。
自社サイトとマッチングサイトの併用が主流に
リフォーム業界のウェブ集客が新築・分譲と大きく異なるのは、「マッチングサイト」と呼ばれるサイトが広く活用されているという点です。
マッチングサイトとは、新築・分譲マーケットにおける「ポータルサイト」「資料請求サイト」に似たものとお考えください。リフォーム会社・ビルダー・工務店が、マッチングサイト運営会社に登録し、リフォームを検討中のお客様からの引き合いを獲得するというスタイルです。
ただし、新築・分譲のポータルサイトの大半が「資料請求」までを管理しているのに対し、リフォームのマッチングサイトは「成約」までを管理していることがほとんどです。具体的な仕組みは、おおむね次のとおりです。
まず、リフォームを希望するお客様が、マッチングサイト内で個人情報と希望のリフォーム内容を登録し、リフォームの申込を行います。
申込情報は、お客様の個人情報を伏せた状態で登録リフォーム会社へ配信され、工事を希望する会社が先着順で立候補します。
立候補した会社は、お客様に対し、マッチングサイトが用意した管理画面上で、詳細のヒアリングや概算金額の提示、会社紹介などを行います。
この時点においても、お客様の個人情報は伏せられています。個人情報が明らかになるのは、お客様が会社に対して現地調査を申し込むタイミングです。
これが、リフォーム業界で主流となっている「マッチングサイト」のシステムです。お客様の個人情報が明かされないまま商談を進めるため「匿名商談サイト」と呼ばれることもあります。
最大手ホームプロは年間工事高200億超
マッチングサイトの最古参であり最大手でもあるのが、リクルートの関連会社が運営する「ホームプロ」です。
2001年にサービスを開始し、今年で16年目を迎えます。現在のサイト訪問者数は月間50万人以上、月間成約件数は1000件以上といいます。
2015年度の年間工事取扱高(成約した工事の総額)は、実に227億円にのぼっています。相当数のリフォーム工事が、ホームプロの匿名商談を通じて成約に至っていることがわかります。
また、平均工事単価も約200万円と、比較的単価の高い工事が発生しています。
リフォーム会社の中には、ホームプロの匿名商談だけで年間10億円以上の受注を獲得している会社も存在します。これらの会社に共通するのは、匿名商談のスキルを向上するための工夫を積極的に行っているという点です。
匿名商談専門のチームを設け、ノウハウの蓄積・対応スピードの迅速化・対応品質の均質化を図っているケースもあります。
また、ホームプロでは、工事が完了したお客様に対して満足度アンケートを実施し、その結果をサイト上で公開しています。
評価の高い会社は、ホームプロ内の会社紹介で「顧客満足度優良会社」というバナーが表示され、お客様へのアピールが可能となっています。
ホームプロ以外のマッチングサイトにも言えることですが、「匿名商談ノウハウの蓄積」と「お客様満足の蓄積」が、マッチングサイト攻略、ひいてはリフォームにおけるウェブ集客を攻略するための重要なポイントと言えます。
(情報提供:住宅産業研究所)