国内最大の家電見本市「CEATEC」に見る未来の暮らし商品・トレンド,業界ニュース,市場動向,ハウスメーカー
国内最大の家電見本市である「CEATEC JAPAN 2016」が、10月4~7日に千葉県の幕張メッセで開催されました。今年で17回目を迎える「CEATEC JAPAN」には、前年比9.1%増となる約15万人が来場しました。
今年の「CEATEC」のテーマは、、、
「つながる社会、共創する未来」というものです。
あらゆるものがインターネットにつながる「IoT(モノのインターネット化)」や、「AI(人工知能)」の機能を搭載し、より豊かな暮らしを実現する展示が多くなっています。
また、今年の「CEATEC」では、ハウスメーカーなどの住宅関連企業による展示や、家電メーカーが未来の暮らしを提案する展示が注目されました。
今回は、「CEATEC」で展示されたものの中から、住まいに関連する事例を紹介します。
住宅メーカーが掲げるIoT、AIとは
ミサワホーム総合研究所は、家族形態の多様性、高齢化、少子化などが社会問題となっている中、未来の暮らしで新しい人と人とのつながりをどのように作っていくかを課題とした展示を行いました。
首都大学東京との共同で、地方の街の廃校などの空き施設、空き家、広場などを活かし、IoTを活用した新たな空間を作り、人が集い交流する場として活用するという「交民家をつくろうプロジェクト」を提案しています。
これは、450ミリ×450ミリの木製パネルを組み合わせることで、空いている空間の新しい利用方法を実現するというものです。木製パネルには、窓が付いたパネル、照明になるパネル、トイレの便器が出てくるパネル、テレビモニターが内蔵されたパネルなどがあり、様々な木製パネルを組み合わせることで、個々が楽しい、気持ちの良い空間を作ることができるということです。
IoTは、センサーなどで煩雑になりがちですが、シンプルな空間を作り出すためにこの木製パネルを開発したということで、ハウスメーカーならではの展示となっています。
同社では、IoTに支えられた「交民家」を作ることで、人々の活力が生まれ、街全体が活性化するようなワクワクする楽しい未来を目指すということです。
この他、住宅メーカー系の出展では、大和ハウスがパナソニック、セブンドリーマーズと共同開発した、衣類などを自動で折り畳んで仕分ける世界初のロボット家電「ランドロイド」の試作機が「CEATEC」の会場で公開されました。
ランドロイドの試作機は、黒い箱型で、下段にある投入口に衣類を入れると、内部のロボットアームで折り畳み、中段の棚に重ねていくということです。AIが搭載されており、家族ごとの衣類の種類や色などを見分けることが可能になっています。
2017年3月に国内で先行予約販売を開始する予定で、衣類は30枚、重さ5キロまで投入できる機能を目指すということです。
家じゅうの家電が自発的に考える時代に
シャープは、AIとIoTを組み合わせた「AIoT(モノの人工知能化)」に力を入れています。同社では、家電をインターネット上のデータベースに接続し、人工知能が学習し最適化する「考える家電」を作っています。その考え方を家全体に広げるスマートホーム計画を打ち出しました。
既に製品化している「AIoT家電」を通じて、ユーザーの好みやライフスタイルの学習、機能の最適化、音声による自発的な提案を住まいに展開することで、より便利で快適な未来の暮らしを提案しています。
同社は「CEATEC」において、他社製品を含めた家電機器を自然な対話によって操作することができるロボット「ホームアシスタント」を展示し、注目されました。ホームアシスタントは、ユーザーと対話しながら様々な家電機器を操作する、スマートホームのハブとなる機器です。
家電の制御には、リモコンなどで一般的に使われる赤外線通信のほか、Wi-Fiにも対応することで、家じゅうの幅広い機器への対応を進めていくということです。
同社では、2017年前半の商品化を目指して開発を進めているということで、価格は「数万円前半程度」になるということです。また、今後は住設機器メーカーやハウスメーカーとの連携を進めていく計画です。
(情報提供:住宅産業研究所)