言わなきゃ、わからない?経営・人材育成,コミュニケーション
ナックの松田です。今回は、多くの方が耳にし、体験し感覚的に理解しているであろう言葉。
「暗黙の了解」という言葉をテーマにお伝えしたいと思います。
仕事は暗黙の了解
「暗黙の了解」とは、
口に出して明言しないものの、当事者間の理解や納得が得られている。言葉にしなくても皆が了承している状態。
のことを指します。
この感覚をビジネスの世界では、「暗黙知(あんもくち)」という風に表現されることがあります。
これは、経験や勘に基づく知識のことを指し、個人はこれを言葉にされていない状態でもっている、と言われています。
この言葉の意味する感覚は、例えば職人の世界では、「ワザは見て盗め」にあたるんではないかと思います。
日本の伝統芸能や伝統工芸、職人の世界では、師匠のワザを見て盗むという形で、技能が伝承されてきました。または、稽古に次ぐ稽古を重ねて、師匠に追いついて行く。この感覚は、日常の仕事の中でも同じように感じる部分があるのではないでしょうか?
人に教える、仕事の指示を与える時に教える人が、「なんで、こんなことまで教えて指示をださなきゃならないんだっ!」
教わる人は、「きちんとやるべきことを教えて指示をもらわなきゃ分からない!」
こういう時ってありませんかね汗?こういう時には、「暗黙のすれ違い」が発生しているんですね・・・
コツをつかむ
「暗黙知(あんもくち)」は仕事を習得する上で言いかえれば、コツをつかむとも表現できます。
このコツというのが、どうも、あいまいなようで明確に存在する・・・。雲をつかむようだけど、一度つかんでしまえば確実に自分の力になる!言葉では表現、伝えるのは難しい・・・。
しかも、一生懸命やっても必ずつかめる保証はどこにもない!やっかいなようでもあるし、挑戦しがいのあるような言葉ですよね。
では、仕事を教える、習得するのに、暗黙の知識を体で習得させる、見て盗むしかないのでしょうか!?
感覚を言語に変換する
「暗黙知」に対になる言葉として、「形式知(けいしきち)」という言葉があります。
意味は、知識の分類の一つであり、主に文章・図表・数式などによって説明・表現できる知識を指します。言いかえると、経験や勘などから形成される知識を言語化するということです。
見て盗むしかない状況を打破するためには、この「形式知(けいしきち)」を上手く取り入れることがポイントです。
ひとつの例として、スポーツの世界では天才プレーヤーは名監督にはなれないと言われることがあります。
これは、感覚でやっていたことを言語化し人に伝えられていないという現象がこの言葉を生んでいる、ひとつの要因としてあげられています。
教わる側としても感覚的に分からないことを言語化することでより具体的に質問ができるのではないでしょうか。
ですから、
仕事を教える時や教わる時でも感覚を言語に変換するスキルが必要です。
そして、言語化できたら、次のステップとして、マニュアル化していくことが仕事や技術をうまく習得または教えるための、コツのひとつです。