知っておきたい、多彩な住宅ローン商品(その他の銀行編)商品・トレンド,資金計画,市場動向
先週に引き続き、現在取り扱われている多様な住宅ローン商品の中から、特徴的なものを解説します。
先週はネット銀行の住宅ローンを紹介しましたが、その他の銀行でも様々な商品が存在します。
■ 生活に役立つ特典を設けた住宅ローン
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住宅ローン商品の中には、金利以外にも特典を設け、
顧客獲得を図っているものがあります。
もっとも有名なものは「イオン銀行」の
住宅ローンではないでしょうか。
同行は、住宅ローンの借り入れから5年間、
イオングループの対象店舗での買い物を
5%割引する特典を設けています。
割引対象買物額の上限が最大で年間90万円ですので、
年間45,000円まで割引を受けられることになります。
また、イオンゴールドカードを無料で発行でき、
イオン店舗内のラウンジ利用なども可能です。
もともと、イオン銀行の住宅ローン金利は、
4月1日現在の金利が変動で0.57%、3年固定で0.38%などとなっており、
ネット銀行に匹敵する低水準です。
そこに、日本最大級の小売流通グループとしてのメリットを
上乗せした商品であるといえます。
日常生活でイオングループを利用しているお客様であれば、
提案する価値がありそうです。
生活関連サービスでユニークな商品を
提供しているのが「新生銀行」です。
同行が提供するパワースマート住宅ローンの
付帯サービスである「安心パックW」に申し込むと、
下記のようなサービスを利用することができます。
・自宅の片付けや家事などを依頼できる
「家事代行サービス」
・水まわりなどのクリーニングを依頼できる
「ハウスクリーニングサービス」
・急な病気になった子供を専門スタッフに預かってもらえる
「病児保育サービス」
借り入れ金額によってサービスを受けられる回数は異なりますが、
例えば家事代行サービスであれば、1回3時間のサービスを
最大50回まで受けることができます。
一次取得層の子育て世代・共働き世代には、
非常にメリットの大きいサービスと言えるでしょう。
ただし、新生銀行の住宅ローンは全国で利用できますが、
上記のサービスは提供エリアが限られていますので、
提案の際は注意が必要です。
■ 手元資金が多いお客様に有効な「預金連動型住宅ローン」
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預金連動型住宅ローンとは、住宅ローンを借り入れている
銀行に対して預金を行うことで、
ローン金利の大幅な軽減を受けることができる商品です。
日本で最初に導入した東京スター銀行は
すでに取り扱いを終了しましたが、現在も地方銀行を
中心に多くの金融機関で取り扱っています。
具体的な商品内容は金融機関により異なりますが、
愛媛県の愛媛銀行を例にとって説明します。
同行の預金連動型住宅ローンは、普通預金の残高に応じて、
住宅ローンの利息相当額を年2回キャッシュバックするというものです。
例えば、2,000万円の住宅ローンを借り入れた方が、
普通預金口座に1,500万円を預け入れている場合、
住宅ローン1,500万円分の住宅ローン利息相当額が
キャッシュバックされます。
そのため、実質的には500万円分の
住宅ローン利息しか支払っていないことになります。
仮に普通預金口座に2,000万円以上を預け入れていれば、
利息の支払が実質0円になります。普通預金の預け入れ額は、
本人分だけでなく、家族分も一部合算が可能です。
このタイプの商品でメリットが大きいのは、
手元資金が多いお客様です。
預金額が住宅ローンの借り入れ額を上回れば、金利0%、
もしくは超低金利で住宅ローンを利用することができます。
繰り上げ返済と異なり、手元に預金が残るので、
万が一の時の備えになります。
また、住宅ローン控除や団体信用生命保険のメリットも残ります。
ただし、このタイプの住宅ローン商品の多くは、
通常の住宅ローンより金利が高めに設定されています。
そのため、手元資金が少ない方には向いていません。
また、手元資金がある方でも、万が一預金を取り崩す必要が生じた際に、
金利負担が発生するリスクがあるので、提案する際は注意が必要です。
まずは、ご自身のエリアの金融機関で取り扱いがあるか、
確認することをおすすめします。
前回・今回ご紹介した他にも、
全国の金融機関には様々な住宅ローン商品が存在します。
ローン獲得競争の激化によって、
今後も新たな付加価値のある商品が誕生するかもしれません。
先々週にもお伝えしたように、資金計画は、
営業初期段階での重要なポイントであり、お客様の関心も高い分野です。
幅広い商品の知識・情報を持ち、お客様へ最適な提案を行うことが、
信頼獲得への近道となるでしょう。
(情報提供;住宅産業研究所)