事例で振り返る2015年住宅業界動向(前編)商品・トレンド,業界ニュース,市場動向,ハウスメーカー
2016年が始まりました。新年ということで、今回は昨年末に実施されたアンケート調査や、2015年に発表された住宅商品の事例から、最新のエンドユーザー像や商品トレンド等を振り返りたいと思います。
リクルート住まいカンパニーが注文住宅の建築者1,641人と、建築検討者1,760人を対象に行ったアンケート調査からは、注文住宅建築者の志向やトレンドを知ることが出来ます。この調査によると、、、
家づくりにかけた土地代を除く建築費用については、
全国平均で2,943万円となっています。
これは、前年の調査より138万円も上昇しています。
次に、新規建築か建て替えかというアンケートでは、
全国では80.6%の人が、新しく土地を購入するか、
すでに所有していた土地に新しく注文住宅を建築したと回答し、
18.3%の人が自分、または親が住んでいた住居を解体し、
注文住宅に建て替えをしたと回答しています。
続いて、家づくりを考えたきっかけを複数回答で聞いた設問では、
新規建築をした24.8%の人が「子どもが成長したから」と回答し、
家づくりのきっかけの第1位となっています。
前年の同じ質問で第1位であった
「いつかは一戸建てに住みたいと思っていたから」は、
2015年の調査では、第2位となりました。
建て替えの場合の家づくりのきっかけは、
「家が古くなったから」が57.4%で、
前年比で12.3ポイントも上昇しています。
また、第2位が「住宅設備が古くなった」で35.7%。
第3位が「家の使い勝手が悪くなった」で26.3%となっており、
いずれも前年より高くなっています。
これらのことから、最新のユーザー像としては、
新規建築の場合のきっかけは、
子どもの成長等の家族構成の変化であり、
建て替えの場合のきっかけは、住宅の経年劣化等、
必要に迫られてというユーザーが多いことが分かります。
また、家づくりにかける建築費用では、
全国的に上昇している傾向にあるようです。
■ 2015年も続いた住宅価格の高額化
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2014年に消費税が8%に増税されてから、
比較的動きのある富裕層をターゲットにした商品や、
アッパー層を狙って、
デザイン性や素材感を強調した商品を
住宅メーカー各社が発表していましたが、2
015年もその傾向は続きました。
住友林業は、住宅のデザイン、仕様部材、
設計プラン等に強いこだわりを持つ富裕層をターゲットとした
「邸宅設計プロジェクト」を具現化した商品として、
2015年1月に「ビーエフグランスクエア」を発売しました。
ビーエフグランスクエアは、
住友林業のビッグフレーム構法の構造特性を最大限に生かし、
耐震性の高さを実現する強固な構造躯体と、
設計の自由度の高さを駆使した広さと
開放感あふれる室内空間とを両立させました。
これにより、建物としての美しさと
住まいとしての機能性を融合した
上質感あふれる住まいを提案するという
コンセプトで訴求しています。
豊富な知識と見識を備える同社の設計集団
「デザインパートナーグループ」の建築士に加え、
全国の支店で難易度の高い物件を担当し、
「デザイナー」という呼称を持つ建築士が担当し、
顧客の一邸一邸のこだわりに応えるというのが特徴です。
外観はシンプルな箱型を基本とし、
建物としての存在感を示すと同時に
都市の街並みに美しく溶け込むデザインを提案しています。
また都市型のデザインでは中庭やインナーテラス等、
家の内側に開かれた空間を、
郊外型では広い開口部等の開放的なデザインイメージを用意し、
顧客の住まい方に合わせて提案・設計しています。
住友林業では、
ビーエフグランスクエアを中心として高額物件への対応を強化し、
年間500棟の販売を目指しているということです。
(情報提供:住宅産業研究所)