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2015年住宅新商品トレンド(前編)商品・トレンド,業界ニュース,市場動向,ハウスメーカー

市場動向
ハウスメーカー
商品・トレンド
業界ニュース
2015.4.27

いよいよ今週からゴールデンウィークに突入します。2015年幕開けの正月商戦は、直前に消費税増税の延期が発表され、駆け込み需要による受注回復は期待外れに終わりました。

しかし、減税や補助金、金利優遇等の住宅取得支援策が続々と発表されたこと、またいよいよ相続税の大増税が実施されたことで、家を売るための環境としては、むしろ好条件が揃っています。消費税5%時に比べても、、、


お得に買えるチャンスはまだまだあることは、具体的な試算を交えて
どんどんアピールしていく必要があります。


それとともに、お客様の傾向や嗜好と商品をマッチさせ、
魅力ある家づくりを発信していくことも重要です。


春季商戦に向けて大手住宅メーカーから発売された
新商品を中心に、最近の住宅商品トレンドを見てみましょう。


■ 「人材」で差別化する富裕層向けデザイン住宅
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本の個人金融資産は増加しているにもかかわらず、
消費は低迷を続けています。


こうした中で、住宅業界に限らず
注目を集めているのが、富裕層です。


消費増税や物価上昇などにより一般家庭の
財布のひもが固くなる一方、株価の上昇基調などを背景に、
富裕層の消費意欲は旺盛になっているという見方が
大勢を占めています。


こうした購買力の二極化は、例えば車では軽自動車と高級車、
お酒では第三のビールとプレミアムビールなど、
様々な業界の商品開発の傾向にも表れています。


大手ハウスメーカーでは、消費税8%への増税前、
駆け込み需要に対応するべく、商談や工期の短縮が可能で、
コストパフォーマンスの良い規格住宅の投入が目立ちました。


しかしそれと同時に、じっくり時間をかけてこだわりの「邸宅」を
提案するという、富裕層向けのアピールも強化し始めていました。


もともと中高級層をターゲットとしていたハウスメーカーでは、
以前から請負金額4000万円〜6000万円を基準に、
専任部隊や社内資格を取得したエキスパートが対応するという制度が
存在していました。


最近では、その精鋭部隊や人材が、広告やホームページ等で
大々的にアピールされるようになっています。


住友林業では2001年から設計の精鋭集団として
「デザインパートナーグループ(DPG)」を組織化しています。


昨年からは、このDPGを全国紙の全面広告で紹介し、
富裕層をターゲットにした「邸宅設計Project」をスタート。


今年1月には、同プロジェクトのコンセプトを盛り込んだ新商品
「BF GranSQUARE」を発売し、総合展示場にも出展して、
「邸宅設計相談会」などで集客を図っています。


この商品を建築する顧客に対しては、DPGの建築士に加え、
各支店においても「デザイナー」と呼ばれる、
難易度の高い物件に対応できる建築士が担当につきます。


北欧デザインの輸入住宅を展開するスウェーデンハウスが
4月に発売した新商品「ヒュース プレミエ ゴーデン」でも、
人材による差別化が図られています。


まず、これまでに顧客から高評価を得ている人材に対して、
さらに書類選考や面接を重ねて
「エキスパートデザイナー」を選抜します。


このエキスパートデザイナーが中心となって、
邸別に設計・インテリアコーディネーター、
ガーデンデザイナーからなるチームを編成し、
「究極の邸宅」を作り上げていきます。


ガーデンデザイナーの起用ということにも表れている通り、
この商品では、自然との一体感を味わえる空間提案が
重要なテーマとなっています。


内装・外装には天然石やタイル、木材などの自然素材を
多用するほか、暖炉や薪ストーブ、天井開閉式の半戸外空間、
耐候性の高いガーデンファニチャーを採用し、見た目だけではなく
暮らし方そのものが自然と一体になるような生活提案を行います。


スウェーデンハウスの新商品は、「北欧」「デザイン」「自然」という
親和性の高い要素で、同社のファン層の嗜好を捉えた商品と言えます。


しかしながら、日本の伝統的な建築手法や素材もまた、
上質なデザインや自然と馴染みやすい要素です。


前述の住友林業の商品でも、左官仕上げの外壁を推奨するなど、
「日本の風情」を重視しています。


また、これまで「1000万円台からの注文住宅」を訴求してきた
アキュラホームも、数寄屋大工や左官職人、庭師など日本の伝統的な
建築の匠を招聘して、富裕層の開拓に乗り出しました。


このほか、元々富裕層を得意としている三井ホームでも、
2015年春のデザインコンセプトの1つとして、和風のデザインや
素材を採り入れた「Luxury Japanese STYLE」を掲げています。


規格や効率を重視して大量生産を実現してきた大手企業が、
昔ながらの素材や職人の手仕事にこだわった家づくりに
回帰することで、富裕層向けの付加価値を創出するという傾向に
あるようです。

(情報提供:住宅産業研究所)

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