2015年版 ウェブ集客・営業活動の最新事情(前編)集客・マーケティング,業界ニュース,市場動向
総務省の通信利用動向調査によると、日本国内のインターネット普及率は現在も上昇を続けており、最新の調査(2014年度)では初めて80%を超えました。
世代別で見ると、13歳から59歳までの普及率は90%を超えているほか、60代・70代の普及率が大きく伸びています。また、別の調査によると、1日あたりのインターネット利用時間がここ1・2年で大きく伸びています。
スマートフォンやタブレットの普及により、、、
外出先でも手軽に
インターネットを利用できる人が増えたためと考えられます。
人々の情報収集手段が紙からウェブへと移行しつつある今、
住宅営業においても、ウェブによる積極的な仕掛けが
必要であることは、言うまでもありません。
ところが住宅業界、とりわけ注文住宅業界においては、
ウェブでの営業活動に対して積極的に投資している会社は、
あまり見られません。
集客や受注の実績をあまり出せておらず、
投資をためらっている会社が多いようです。
ホームページの内容強化やウェブ広告への出稿など、
他業種では広く行われているウェブ上での販促仕掛けも、
注文住宅業界ではあまり見られません。
経営者の方や営業責任者の方に話を伺うと、
「紙媒体の集客力が落ちており、
ウェブをやらないといけないのは分かっているが、
どうしても注力できない」という声が多く聞かれます。
「大手だけがうまくいってるんでしょ?」
「うちの地域じゃウェブ集客は無理だよ」など、
ウェブの営業効果に対して懐疑的になっている方も少なくありません。
その一方で、ウェブを集客の柱とする会社が、いくつも現れています。
大手住宅メーカーよりも、地域密着型の工務店・ビルダーにおいて、
成功例が多く見られます。
■ ウェブ集客の成功に、会社規模やエリアは関係ない
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九州地方の工務店A社は、年間30棟弱の受注のうち、
およそ7割がホームページ経由のお客様です。
中核都市から少し離れた小さな商圏ですが、
自社ホームページへの月間アクセス数は数千件、
資料請求やお問い合わせも月10件程度にのぼっています。
この工務店は、3年前にホームページのリニューアルを行いました。
その際、ホームページを見てもらいたいターゲットのお客様を
「住宅の検討を始めたばかりで、ウェブで情報収集を行っている方」と
仮定し、「良い施工会社の見分け方」「家づくりの進め方」
「モデルハウスを見るときの注意点」など、
検討初期のお客様に役立つ情報を大量に掲載しました。
このターゲット設定が当たり、
ホームページ経由の問い合わせ増加に成功しました。
問い合わせ増加に伴い、以前行っていた新聞折込を中止したそうです。
見込み客の増加に加え、広告宣伝費の圧縮にも成功しています。
東海地方で年間25棟程度を手掛ける工務店B社も、
ホームページ経由の集客が主力となっています。
この会社のホームページの狙いは「自社のモデルハウスに関心を持ち、
足を運んでいただく」ということ。
そのため、モデルハウスの情報が非常に充実しています。
多数の外観・内観写真はもちろんのこと、間取り図を掲載し、
建物内の工夫点や見どころを詳細に解説しています。
この工務店では、ホームページ経由で年間100件ほどの
資料請求・お問い合わせがあり、そのうち半数以上の方が
モデルハウスに来場しているということです。
モデルハウス情報の積極的な発信が、
実際の集客に結びついている事例です。
今回は2社の事例を紹介しましたが、この他にも、
ウェブ集客に成功している会社はいくつも存在します。
以前このメルマガで書きましたが、住宅会社の
ウェブ集客・営業においては、「誰に対して、何をPRするのか?」
というターゲット設定が重要です。
今回紹介した2社は、明確なターゲット設定と、
ターゲットに対する的確な情報発信によって、集客に成功しています。
ウェブでの集客にお悩みの方は、まず自社のターゲットを
明確にしなければなりません。
そして、自社のホームページが、
ターゲットに興味を持っていただける
内容になっているかを検証することが必要です。
(情報提供:住宅産業研究所)