人は何をもって「選択」をするのか?【2014年9月15日】
2014.9.15
こんにちは。 ナックの冨田です。 先日、アップルから、 「iPhone6」の発表がありましたね。 日本時間でいうと今週末の18日から 販売開始ということです。 熱烈なアップルファンの中には、 もうすでにお店の前に行列を作って 並んでいる人もいるそうですよ。 まだ発売まで3日もあるというのに。。。 それだけユーザーを虜にする アップルの新商品ですから、 販売戦略についてもかなり綿密に、 考えられていることだと思います。 私もiPhoneユーザーですので、 もちろん「iPhone6」に注目しています。 その中で、 「人の購買心理は変わらないんだなぁ」 と感じたことがありますので、 そのことをお伝えしたいと思います。 ■ 売れ筋の商品を・・・ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回「iPhone6」の商品ラインナップで、 前回と大きく違う点がありました。 それは・・・ 容量のタイプです。 今までのiPhoneでは、 「16GB」「32GB」「64GB」 この3つの容量のタイプでした。 しかし、今回発表した「iPhone6」では、 「16GB」「64GB」「128GB」 この3つのタイプで販売されるんです。 そうです。 「32GB」がなくなったんです。 「別にそんなに驚くことなの?」 「容量とか詳しいことはよくわからない」 という方もいるかもしれません。 では、専門的な難しい話は抜きにして、 これを聞いたらどう感じるでしょうか。 今まで一番売れていた商品は・・・ 実は・・・ 「32GB」だったんです。 売れている商品を ラインナップから外す。 これはかなり、勇気がいることだと思います。 しかし・・・ 「消費者の購買心理」という観点から見てみると、 そこまで驚くことでもないんです。 ■ 多くの人は「竹」が好き!? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ポイントは、容量ではなく、 商品のラインナップを3つにしている ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ということです。 いわゆる、『松竹梅』の戦略ですね。 お寿司屋さんで、 ・松(特上にぎり) ・竹(上にぎり) ・梅(並にぎり) があったとすると、 多くの人が「竹」を選ぶ傾向にある、と。 一番高い「松」はちょっと贅沢すぎる。 でも、一番安い「梅」はちょっと恥ずかしい。 間をとって、「竹」を注文。 このような人の心理を取り入れて、 よく松竹梅の法則なんて言われたりもします。 あの天下のアップルも、 この「松竹梅」を意識したかどうかはわかりませんが。。。 普通に考えれば、今まで売れていた「32GB」を残し 単純に商品ラインナップを増やすだけでよかったはずです。 しかし、あえて3つに絞り込んだところを見ると、 消費者の購買心理を考えたうえでの 商品展開だということは間違いなさそうです。 一番売りたいものを、真ん中に持ってくる。 アップル的には「64GB」を標準にしたいという 思惑があるのかもしれませんね。 ■ 人がもつ購買選択の心理 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「松竹梅にならって、商品展開としては、 3つに絞り込んだほういいということ?」 と思われる方もいるかもしれませんが、 もちろんそれも一つの戦略です。 ただ、3つに絞って展開するということの裏側に 知っておかなければいけない「真意」があります。 それは・・・ お客様に選択の基準を与える ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ということです。 松竹梅を例にしていうと、 お客様の選択の幅を「松竹梅」の中で選ぶ という基準を与えた、ということです。 「松」で上限を。「梅」で下限を。 この枠の中で選ぶということを、 無意識的にお客様に刷り込むんです。 すると、お客様もこの枠内の中で選ぶという基準ができ、 また、自分の中で新たにできた基準ですので、 そう簡単に覆すことができなくなる。 よく、マーケティング用語では『フレーミング』 といわれ、消費者の行動に大きく影響を及ぼします。 同じ内容や情報であっても、 伝え方、表現、見せ方ひとつで お客様の受け取り方も大きく変わります。 今あなたが持っている情報。 例えば、 ・会社の理念 ・商品コンセプト ・工法や部材 ・自社の強み ・住宅ローン ・土地探し などなど。 様々情報を持っていると思います。 それらの情報をただ伝えるだけではなく、 お客様の家づくりが失敗しないための基準として ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 住宅会社の選び方の基準として ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ というように、 基準としてお客様に与えていく。 これが非常に大切です。 今回のアップルではないですが、 身の回りにはたくさんの基準で溢れています。 知らず知らずのうちに、あなた自身も、 様々な基準が出来上がっています。 同じように、家づくりを検討しているお客様に対して、 いかに「基準」を与えることができるのか。 さて、あなたの情報の伝え方を 今一度、振り返ってみてください。 「基準」を意識して伝えていますか? 少しでも気づきとなれば幸いです。 工務店MBA事務局 冨田泰司