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2014年 住宅新商品トレンド(前編)【2014年5月12日】

2014.5.12

○●○●○●○ 工務店MBA 最新業界ニュース ●○●○●○●



「2014年 住宅新商品トレンド」(前編)


住宅の新商品ラッシュとなる春。
今年もたくさんの商品が発売されました。


昨秋以降、厳しい受注状況が続いている中、
お客様の食指を動かす商品、売上増に貢献できる商品を
生み出すべく、様々な工夫や努力が重ねられています。


今回は、2014年1月以降に発売されたメーカー商品の傾向から、
大手各社が誰をターゲットにどんな家を売ろうとしているのか、
見ていくことにします。



■ 生活提案よりも性能向上
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ここ数年、「スマートハウス」以外でのメーカー商品は、
子育てや家事ラク、女性が暮らしを楽しむ提案、
二世帯・三世代の暮らしなど、「生活提案」を
テーマとしたものが多い傾向にありました。


商品PRにおいても、暮らしの楽しさや、
家族のきずなといったものが強調されていました。


このような生活提案のテーマが飽和状態に達したためか、
今年に入ってからは、技術革新や性能向上といった
ハード面での差別化が目立ちます。


特に多いのは、断熱性の強化です。


積水ハウスは3月から鉄骨2階建商品の体系を
統合・再編し、アルミ樹脂複合サッシと
アルゴンガス入り複層ガラスによる高断熱仕様を標準化。


三井ホームでも、4月から超・高断熱の
「2×6」ウォールを標準化しました。


また、大和ハウスが発売した最上位商品
「xevo Σ(シグマ)」では、グラスウールの厚さを
従来の2倍の120mmに設定しています。


そのほか、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の
商品が増えたこともあり、数多くの商品で
断熱性の強化が謳われています。


耐震性能についても、再強化の動きが見られます。


前述の商品体系の再編に伴い制震装置を標準装備とした
積水ハウスは、戸建住宅にも適用できる液状化対策工法を開発し、
4月から希望者への提供を開始しました。


同じく前述の大和ハウス「xevo Σ」も、
地震発生時に粘り強さを発揮するΣ型のデバイスが、
商品名の由来となっています。


旭化成ホームズでは、高層ビルなどに採用されている
オイルダンパーを戸建向けに改良して、
重鉄3階建商品「FREX」に標準採用しました。


このような耐震性強化は、大空間や大開口の実現にも直結するため、
非常時のみならずメリットを享受できるという点も、
消費者にとってはポイントが高い要素と言えます。


昨今の住宅スペックのブームとも言える
全館空調・空気清浄装置については、三井ホームと
三菱地所ホームの2社が、既存システムを改良して発売。


三井ホームは、PM2.5標準対応のほか、
エネルギー消費効率が業界No.1である点をウリとしています。


三菱地所ホームのシステムは、紫外線と光触媒によって
室内のウィルスや臭気、VOCを除去する機能が付加されました。


そのほかでは、木下工務店の「Ku・ra・su家」も、
発泡断熱材や遮熱シートを採用した高断熱、地震エネルギーを
熱に変える制震システムに加え、電子エアクリーナー搭載の
全館空調システムを用意し、技術力をアピールしています。




■ 多様化する「スマート」の在り方
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PV(太陽光発電)搭載住宅と言うと、
最近ではスマートハウスよりも、10kW以上搭載・全量売電で
収入を生む家の方が話題になっています。


ミサワホームは昨秋、1500万円からの価格設定により、
3%の消費増税負担分をすまい給付金とローン減税で
相殺する商品「SUPER LIMITED」を発売しました。


続いてこの春発売した「SUPER LIMITED Solar Max」は、
10kW以上のPV搭載と全量売電により、
更なる負担軽減に寄与する商品としました。


価格は1700万円台からとアップしますが、
20年間の売電収入は約633万円と試算しています。


同社では、耐震木造ブランドの「MJ Wood」でも
Solar Max仕様を発売し、売電収入と高断熱仕様による
光熱費削減を謳い、価格重視の顧客層にアピールしています。


スマートハウス関連では、エネルギー収支をゼロにする
ZEH仕様の投入が相次ぎました。


大和ハウスの「スマ・エコ ゼロエナジー」は、
同社の戸建全商品に搭載可能なパッケージで、
TVの視聴・録画が可能な防水モニター付き
ハードディスクレコーダーを、業界で初めて
HEMSに採用していることが特徴です。


パナホーム「BlueEnergy」は、高断熱外装パネルや
地熱を活かした換気システム等による省エネ化を図り、
PV4.5kWの搭載量でもゼロエネが可能。


12.85kW搭載の場合は、1990年代の住宅と比較して
光熱費を年間27.5万円削減し、売電収入45万円と併せて
年間72.5万円の経済メリットがあると試算しています。


住宅の性能は、体験施設での実演などに加え、
「光熱費○万円削減」、「売電収入○万円」、
「地震の揺れを○%低減」、「PM2.5○%除去」等々、
メリットの見える化や数値化が進みました。


これによって技術力は、お金を出す理由として説得力がある、
すなわち売上に貢献しやすい要素となりつつあるようです。



(情報提供:住宅産業研究所)

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