住宅会社による「地域社会」に貢献する取り組み業界ニュース
住宅会社の使命の一つとして、
地域に住まう人々が生きる歓びを感じられる生活インフラを作り、
地域社会の活性化や再生に貢献するための
取り組みを推進することが挙げられます。
近年、地域の事業者や金融機関、大学や研究期間などと連携し、
地域の子ども達や、住民を巻き込んだ
地域のコミュニティ拠点を開発する住宅会社の取り組みが多くなっています。
今回は、今年新たに開発され運用がスタートした
2か所のコミュニティ拠点の事例について取り上げます。
公民連携の新たなコミュニティ拠点を開設
大和ハウス工業は、2023年10月より、
千葉県市原市のちはら台公園内において建設していた、
カフェや飲食店、健康増進施設などを併設したコミュニティ施設
「ちはら台TENT(テント)」を6月7日にオープンしました。
同社は、市原市が公園の魅力向上を目的に公募した
「ちはら台公園内施設設置等事業」に採択され、
公民連携の事業として市原市とともに、
ちはら台公園と周辺地域の活性化やさらなる公園の魅力向上を目的に、
「ちはら台TENT」を建設したということです。
「ちはら台TENT」は、
京成電鉄千原線「ちはら台」駅徒歩約10分に位置しており、
多目的スポーツ広場やテニスコート、ピクニック広場などを備えた
約7万7,000平米の都市公園「ちはら台公園」内に設置されています。
敷地面積は約718.6平米の木造平屋建てで、
延床面積は約229.76平米となっています。
施設内には、飲食や休憩ができるコミュニティスぺースや
キッズスペースなどの「地域交流促進施設」と、
ヨガやダンスなどができる「健康増進施設」を設けています。
「地域交流促進施設」には、
地域で人気のカフェや物販、地元の食材を使用した飲食店などが出店。
「健康増進施設」には、さまざまなシェアスクールを設け、
地域の事業者に時間貸しスペースとして提供する計画ということです。
また、アウトドア用のテントやテーブル、椅子等もそろえており、
飲食物等の購入者への貸し出しも可能となっています。
さらに災害時には物資や設備を提供するほか、
炊き出しなども行えるようになっているということです。
今後、大和ハウス工業では、同施設を拠点として、
コミュニティ形成の核となる活動や地域の人々に向けた
イベントを企画・実施していくことで、
地域に暮らす人々の新たな交流やにぎわいを創出していく計画です。
文化やアートに触れる「学びの場」を創出
千葉県千葉市を拠点とするビルダーの拓匠開発では、
千葉市、地域の事業者、金融機関、大学等と連携し、
千葉公園の「芝庭」において、
地域の子どもたちが文化やアートに出会う機会を創出し、
将来、地域に根差した人物として成長し、
活躍することを目的とする「寺子屋プロジェクト」を開始しました。
同プロジェクトは、
JR「千葉」 駅徒歩約10分に立地する総合公園
「千葉公園」内の「YohaSの寺子屋」を使用し、
「芝庭の寺子屋」と称した事業を展開するものです。
子どもたちの好奇心や新しい感性を育むことを目的に、
小学生から高校生までの年代の子どもたちに
アート教室やダンス教室、声優体験教室など、
学校現場では学び切れないアートや文化といった領域を学べる講座を
無償で提供するとしています。
各講座の開催は週2~3日以上で、
年200回ほどを予定しているということです。
産学官金が連携して同プロジェクトに取り組むことで、
多角的なPRや多様なアーティストの参加、
さまざまな知見に基づいた運営が可能になると見込んでいます。
これらの体験・講座は、公園という場で実施されるため、
家庭の経済環境等に左右されず「無償」で提供することによって、
すべての子ども達が、公平な学びを得る機会を提供できるとしています。
「寺子屋プロジェクト」は、
8月末までをプレオープン期間とした上で、
様々な課題の抽出や改善・検証を行い、
9月からの本稼働に向けて運営を続けるとしています。
拓匠開発では、将来的に「芝庭の寺子屋」をモデルケースに、
行政機関や民間企業との業務連携を通じて
全国に「寺子屋プロジェクト」の取り組みを広げていきたい考えです。
(情報提供:住宅産業研究)