「+αの価値を訴求するリノベーション住宅」業界ニュース
現在、住宅業界、特にリフォーム業界で注目されているのが
買取再販事業やリノベーション住宅販売事業です。
多くの事業者が参入したことで、
すでにレッドオーシャン化しているとも言われる同事業では、
各社が工夫を凝らして他社との差別化を図っています。
今回は、+αの付加価値によって
差別化を図るリノベーション住宅を紹介します。
古材リノベで環境負荷を軽減
大和ハウスグループで、
新築マンション事業やリノベーション済みマンション事業などを
手掛けているコスモスイニシアは、
山形県の建築会社である「ヤマムラ」と共同で、
昭和レトロをテーマに古材を活用して商品企画・リノベーションを実施した
「ステーションプラザ代田橋」(東京都世田谷区)の1室を7月に発売しました。
現在、環境負荷の軽減の観点から、
既存の資源や建物ストックの活用などが奨励されていますが、
リノベーションの内装においては、
新品の材料が使われることが一般的となっています。
そこでコスモスイニシアでは、
建物再生に力を入れているヤマムラとコラボレーションし、
内装に古材を活用したレトロなリノベーションを
企画・施工したということです。
販売物件は、「ステーションプラザ代田橋」の1住戸で、
専有面積は50.87平米、間取りは1LDKとなっています。
雰囲気だけではなくライフスタイルにもレトロを取り入れようという考えから、
バルコニー側には広縁を創出しました。
ここにイスとテーブルを置いてお茶を飲んだり、寝転んだりといった、
入居者のライフスタイルに合った過ごし方が
実現できるスペースとして提案しています。
また、広縁と部屋の境には5枚の障子戸を設置。
障子戸と洋室ドア、洗面室ドアは、
実際に墨田区向島地域の古民家で使用されていたものを活用しています。
その他、リビングドア、トイレドア、廊下収納の扉、
洋室クローゼットの引き戸などは、谷中・千駄木付近で引き取られ、
ヤマムラが保管していたものを使用しているということです。
レトロを追求した一方で便利さも享受できるように、
スマートフォンとペアリングすることにより
自動で火加減を調整するガスコンロや、
自動で必要な量の洗剤を投入する食器洗い乾燥機などを採用している点も
特長の一つとなっています。
コスモスイニシアでは、同物件の販売価格を5,480万円としています。
照明で体内リズムを整える住まい
東京都心部を中心に一棟再生リノベーションや、
高級物件のリノベーションを手掛けているリビタは、
大阪府の「遠藤照明」と協業し、
人間の体内リズムから健康に寄り添うリノベーション住宅
「ファインクレスト南荻窪」を、6月末に竣工したことを発表しました。
「ファインクレスト南荻窪」は、
東京メトロ丸ノ内線 荻窪駅から徒歩5分のエリアに立地。
建築年月は1989年3月で、
鉄筋コンクリート造の地上4階・地下1階建ての建物です。
今回発表された販売物件は3階に位置しており、
間取りは3LDK、専有面積は84.81平米、販売価格は8,780万円となっています。
この協業プロジェクトでは、照明計画と建築デザインの2つの側面から、
健康に寄り添うことができる住まいへのアプローチを考えて、
建物プランや実施するリノベーション内容が企画されました。
自然光を再現する遠藤照明の次世代型LED照明
「Synca(シンカ)」を採用することで、
人間本来の体内リズムを、
住宅内で暮らしながら自然に整えることができるということです。
「シンカ」では、焚き火やろうそくの明かりから青空の光まで、
一般的な照明の色温度範囲では実現できなかった
幅広い光色を選択することができるため、
照明を活用したリラクゼーションの効果が期待されています。
また、ダイニングを住戸の中心に据え、
家族間のコミュニケーションを促すようなプランニングを実施し、
床材には屋外を想起させる自然由来のものを選ぶことで、
ダイニングを中庭のような空間へと設えています。
リビタでは、室内の光環境が照明によってコントロールできることで、
心地よい空間づくりと同時に、
照明の心理効果で人の体感温度に働きかけることで、
エアコンなどの設定温度を抑えてエネルギー効率の改善を促し、
エネルギー(電気代)の削減も可能としています。
(情報提供:住宅産業研究)