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「住宅が健康に与える影響を改めて考える」コミュニケーション

コミュニケーション
2023.8.1

2025年に新築住宅の断熱等級4の義務化が控える等、
住宅の高性能化は加速しています。
このことは脱炭素という側面も大きいですが、
住まい手の健康のためでもあります。


今回は住空間の断熱性能などが
どのように住まい手の健康に影響を与えるか改めて振り返り、
お客様にどのように訴求していけばよいのかを考えていきます。

高気密・高断熱の住宅ってどう健康に良いの?


厚生労働省の人口動態統計(2021年)によると、
家庭における不慮の事故で亡くなった人は13,352人。
これは交通事故で亡くなった人の約4倍の数です。


死因としては、ヒートショックによる溺死等を含んだ
「不慮の溺死及び溺水」が最多となっています。
また、総務省消防庁によれば、
熱中症発生場所は3~4割が敷地内全ての場所を含む住居で、
室内での熱中症の発生も多くなっています。


他にも、室温が低い家は健康被害が大きく、
室温が18℃未満となると血圧上昇・心血管疾患のリスクが上がり、
16℃未満となると呼吸器系疾患への抵抗力が低下するとされています。


このように、家の中でも決して安全とは言えない
という状況をお客さまにしっかりと伝え、
その上で高気密・高断熱の住宅に住むことが
安全や健康に繋がるということを理解いただくことが大切です。


高性能の家では室温が保ちやすく、部屋ごとの温度差が生じづらくなり、
夏は涼しく、冬は暖かく生活できるため、
ヒートショックや熱中症の防止に繋がります。
室温に加え、健康面でポイントとなるのが結露です。
結露は腐食やカビの原因となり、健康面でマイナスに影響します。


例えば、喘息の主要な原因物質がカビとダニだと言われており、
ダニはカビを餌としています。
結露が悪循環を起こし、住宅における喘息のリスクを高くしていきます。
喘息に限らず、様々な病気がカビを原因としています。
このリスクを理解してもらった上で、
結露防止に高気密・高断熱住宅が効果的なことを訴求すると良いでしょう。


結露が生じる原因は温度差と空気中の水分量。
暖められた空気が冷やされることで、
空気中の水分が液体となって現れるというのが結露の仕組みです。
そのため、住居内の暖かい空気が冷えづらく、
空気中の水分量をコントロールしやすい、高性能住宅が有効です。


健康リスクを鑑みると、
高性能住宅の普及を進めることの重要さがより身近に感じられます。
また、ヒートショックや呼吸器系の病気のリスクが高い
高齢者は築年数が古く、断熱性が高くない住宅に住んでいることも多いです。


そのため、新築住宅だけでなく、
既存住宅でも断熱改修を推進していくことが大切と言えます。

健康を左右する空気環境を良くする方法

コロナウイルスの蔓延とともに、
住空間の空気環境の大切さはさらに見直されたように思えます。


ここからは住空間の空気環境を良くするための手法を紹介していきます。
代表的な手法が全館空調です。
戸建住宅においてもすっかりメジャーとなった全館空調は
各社ごとに進化を遂げてきており、
適温の空気を家全体に循環させるだけではなくなってきています。


例えば、フィルターを用いて空気をきれいに保つものがあります。
パナソニック ホームズの全館空調に搭載されている「HEPAフィルター」は
精密機器工場のクリーンルームなどで使用される高性能エアフィルター。
同フィルターには直径1~10μm以下のガラス繊維濾紙が用いられており、
花粉から黄砂、ハウスダストやPM2.5、ウイルスのように
ごく小さな微粒子まで捕集することができるとしています。


三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」は、
大手医療機器メーカー日機装が開発した「深紫外線LED」を搭載し、
ウイルスや臭気、アレル物質の除去ができるとしています。
これらの他にも、加湿システムを組み合わせ、
全室を常に心地よい湿度に保てるようなものも現れてきています。


空気環境は使用建材からも良くすることができます。


例えば、自然素材の使用です。無垢材や珪藻土、漆喰などには
調湿効果や消臭効果があるとされており、化学物質の発生もありません。
化学物質の発生という面で言えば、
ホルムアルデヒドの発散量が少ないと認定された、
F☆☆☆☆認定を取得している製品を用いることなども良いかもしれません。


その他、壁や床、天井に光触媒コーティングを施すことで、
ウイルス・菌・シックハウスの原因物質・臭いの原因物質を
除去するという方法もあります。
今回は気密・断熱性と空気環境の話をしましたが、
住まい手の健康を守る方法はプランニングの工夫でケガをしづらくする、
IoTを導入しヘルスデータを管理する等、多岐にわたります。


また、メンタル面の健康においても、外構を豊かに取り入れる、
家族とコミュニケーションを取りやすい間取りとする等、
サポートする方法が多くあります。
住宅は住まい手の健康を左右する暮らしの器です。


常にそのこと忘れず、家づくりを行っていきたいものです。


(情報提供:住宅産業研)

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