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「お客様の声を聞く」の本当の意味マインドセット

マインドセット
2023.8.1

「顧客の声を聞いて、その要望を取り入れて商品(売るもの)の改善をすべき」
よく言われることですよね。


自分であれこれ考えて、床材は無垢で5種類から選べるようにしよう。
断熱材は吹付けにしよう。
耐震性も大切だから等級3にしよう。
・・・などなど。
でも、お客様が本当にそれを望んでいるとは限りません。


売り手が考える「これがいい」とお客様が考える

「これがいい」はズレていることが圧倒的に多いからです。

次から次へとヒット商品を出す、
いわゆる「マーケッター」や「コンサルタント」と呼ばれる人たちも、
経験や勘でヒット商品を作っているわけではありません。
商品をつくり始める前に、必ず市場調査をしています。
「これがいいんじゃないか」と仮説を立てて、
それを検証するためにリサーチをします。


一般的にリサーチとは、市場(第三者)の意見を聞くこと。
何が言いたいかというと、
「お客様の声を聞かなければ売れる商品は作れない」ということです。
では、冒頭で挙げた項目の床材、断熱材、耐震性などについて、
お客様はどんなものを望んでいるのかをリサーチした結果、
すべて自分が考えたものとぴったり一致したと仮定します。


その商品は売れるでしょうか?


答えは、「売れない」です。
じゃあ、これらの性能や素材に関するものを盛り込んでお客様が
「買える価格」で実現したと仮定します。
さらに、その商品をしっかり宣伝し、
普通レベルの接客ができたと仮定します。


この商品は売れるでしょうか?
答えは、「売れない」です。


どうして売れないと思いますか?

お客様が要望する素材を使って、性能も十分だという声を取ることができた。
買える価格に設定することもできた。
広告費をかけてライターに文章を書いてもらい
チラシやカタログのデザインをしてもらった。


出来たものを師匠(仮定)に見てもらってGOが出た。
営業担当も間違った提案をしているわけではない。
土地も資金計画も問題ない。
なのに、売れない??なぜでしょうか。


それは、
顧客が本当に望んでいる商品ではないからです。
わかりやすい例えをするなら、
オレンジの看板が目印の牛丼屋チェーン店がありますよね。
このお店の売りは、安い、早い、うまいです。
でも、顧客にリサーチを行った結果、
本当はちょっと高級感のある牛肉を使って
美味しい牛丼を食べたいという声が出たと仮定します。


もちろん今の価格設定では採算が取れないので
そのためには1杯1,000円までなら払っても良いと顧客が言っていると。
果たして、オレンジの牛丼屋は今と同じくらい商品は売れるでしょうか?
たぶん売れませんよね。
ある一定数は売れるとしても、顧客の数は減り、
売れる牛丼の数も減ると思いませんか。


どうして減ってしまうのかというと、
それは「顧客が本当に望んでいないから」です。
リサーチをして導き出された結果なのに、
本当はそんなこと、顧客は望んでいないのです。


冒頭の話に戻ると、顧客へのリサーチの結果、
床材は無垢で5種類から選びたい。
断熱材は吹付けがいい。
耐震等級3がいい。
などの要望が出てきたとしても、
「その条件を満たせば、契約してくれるかどうか」
を確認しなければいけないのです。


お客様の要望の側面から考えたら、
その裏側である契約の側面からも考えなければいけません。
いろんな側面から考えていくと
本当にやるべき改善や対策が見えるようになります。


もし、~~だったら、〇〇かどうか。
この考え方が日常的になると、
あらゆる物事に対する見え方が変わってきます。
ぜひ、試してみてください。

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