「住まいを守る防犯仕様の住宅設備」業界ニュース
昨年末より全国的に一般住宅をターゲットとした
組織的な強盗事件の発生が相次いでいます。
ホームセンターなどでは、
監視カメラなどの防犯グッズへの問い合わせが増えており、
自治体によっては防犯グッズの購入費用に補助金を出す
といったところも出てきています。
相次ぐ強盗事件の発生によって、
人々の防犯意識に変化が出てきている中、
住宅会社では住まいの守りを強化する
防犯仕様の住宅設備の開発が進められています。
見守り機能を搭載した宅配ボックス
大和ハウス工業とナスタは、
24時間防犯カメラ機能付きインターホンを搭載した
戸建住宅向け宅配ボックス「Next-Dbox+S」を共同開発し、
今年2月に発表しました。
両社では2017年より戸建住宅への
宅配ボックスの普及促進に取り組んでおり、
これまでに累計10,000台以上の宅配ボックスを提供しているということです。
コロナ禍以降、テレワークなどにより在宅時間が増加する中で、
非対面・非接触で荷物を受け取れることに加え、
置き配サービスによる荷物の盗難や破損の心配がない商品としても、
宅配ボックスの需要が高まっています。
今回新たに開発した「Next-Dbox+S」は、
スマートキーを搭載した戸建住宅向け宅配ボックスに、
「24時間防犯カメラ」と自動応答設定が可能な「宅配専用ボタン」付きの
「Nasta Interphone」を搭載しています。
宅配ボックスとインターホンを一体化させたことで、
セキュリティと利便性を向上させたということです。
ナスタが戸建住宅に住んでいる
男女1,000名に実施したアンケート調査によると、
自宅前に防犯カメラを設置したいと回答した人は
全体の約77%となっています。
一方でコストや設置工事に対するハードルが高く、
約85%の家庭では防犯カメラが設置できていない
ということが分かりました。
そこでナスタでは、訪問者の有無に関わらず24時間自宅前を
録画することができるインターホンを開発したということです。
同商品にはナイトビジョン機能が搭載されており、
夜間でも鮮明に撮影・録画することができ、
録画記録はmicroSDカードにデータ保存されるほか、
スマートフォンの専用アプリからも確認することができます。
また、従来の「呼出ボタン」に加え、「宅配専用ボタン」を搭載しており、
宅配業者が「宅配専用ボタン」を押すと、
インターホンが住人の代わりに音声メッセージで対応し、
宅配業者と会話することなく荷物を受け取ることができます。
家事やテレワーク中など作業に集中したい時や
子どもの寝かしつけの際に活用できるということです。
大和ハウス工業では、同商品を4月より全国で発売するとともに、
今後開発・販売する全国の戸建分譲住宅地にも順次導入していく予定です。
自律移動ロボットが不審者へ警告
旭化成ホームズは、
1月にラスベガスで開催された世界最大規模の技術見本市
「CES 2023」に旭化成グループとして出展。
ヘーベルハウスで実装している、
IoTを活用した宅配物の受け取り・発送システム
「スマートクローク・ゲートウェイ」に、
Preferred Robotics社と共に開発を進めている
AI技術を用いた自律移動ロボットを新たに導入し、
宅配物をロボットが受け取り自動で居住空間に運ぶ
という未来の暮らしを提案しました。
スマートクローク・ゲートウェイは、
宅配物を持った配達員のみが知ることができる時限パスワードを発行し、
居住空間のセキュリティを担保しつつ、
外から屋内のクロークへの入室を可能とし、
時間を選ばず安全な空間で宅配サービスを
受けることができるシステムです。
今回公開された自律移動ロボットは、
スマートクローク内に届いた配送物を
自律移動ロボットが居住者のいるリビングまで運ぶほか、
配達員がスマートクローク内部で異常行動を行った際に
自動で警告を発する機能など、
より安全で快適な生活を営むための機能が搭載されています。
ロボットは事前に登録された開錠時間に合わせて
収納ワゴンをクロークの入り口に運んで待機し、
配達員を認識すると収納ワゴンに荷物を置いて出ていくまで監視します。
配達員が進入するなどの不審な行動を取った場合には、
配達員を追尾し警告を発信し、
特に問題がなければ居住者のいるリビングまで
荷物を運んでくれるということです。
両社は今後も住宅内での暮らしに寄り添う
商品やサービスの提供にあたって、
家庭用の自律移動ロボットの共同開発を推進していくということです。
(情報提供:住宅産業研究所)