「競争過熱で進化する中古買取再販」業界ニュース

今回は、施工のコストを抑えるためにパターン化された
リノベーションを実施することが一般的な中古買取再販事業において、
物件に住む人やそのライフスタイル・暮らし方に合わせ
独自のリノベーションを実施する中古買取再販事業者の取り組みを紹介します。

住む人の暮らし方に寄り添うコンセプト型リノベ

1998年に設立し、東京都心部や神奈川県の横浜エリアを中心に、
埼玉、千葉などの首都圏エリアで中古マンションに特化した
買取再販事業を展開しているマイプレイス。
同社では、パターン化されたリノベーションだけでなく、
居住者のライフスタイルなどを元に様々なコンセプトで
プランニングしたリノベーション済み物件を販売しています。

スケルトン状態にした中古マンションの間取りや、
キッチン、バス、トイレなどの水回り設備、壁紙などの装飾を
ユーザー自身が一からフルオーダーできるようにした
サービスを提供するコンセプト型商品が「間取れる」です。

消費者のニーズが多様化していることに対応するとともに、
スケルトンの状態からユーザーに
リノベーションに参加してもらうことで、躯体や給排水管、
電気配線などのライフラインを確認できる安心感と、
ユーザーの理想を反映したオリジナルの住まいづくりを提供しています。

また、子育て世帯向けに
「子どもと過ごす日々をもっと楽しくする」をコンセプトに
現役子育て中の親のアイディアを取り入れた
コンセプト型住宅が「コトスム」です。

コトスムのアイディアが取り入れられた物件では、
玄関のすぐ近くに土間続きのシューズインクロークと
洗面化粧台を設置することで、
外から帰ってきた後で靴のままベビーカーを収納したり、
手洗いなどができるようしたりといった
子育てファミリーに嬉しい仕様や設備を採用しています。

子ども部屋では、子どもの目線に合わせた低い位置に
ハンガーラックを設置することで、子どもが自発的に上着を着たり、
脱いだ時にしまったりといった行動を促す工夫が施されています。
同社ではコンセプト型商品以外にも物件のエリアなどから
オリジナルのプランニングを実施することもあります。

このように様々なプランの物件を販売することで、
社内の設計チームのデザイン力の向上にも
つながっているということです。

多様化する家族形態を反映した住宅

大和ハウスのグループ会社であり、
新築マンション・戸建住宅の分譲などの事業を展開する
コスモスイニシアでは、多様化する家族形態を反映した
リノベーション済み物件を販売しています。

同社では、「その空間で毎日、どのような時間をすごせるか」
をコンセプトに、住まう人のニーズに対応し、
デザイン性や機能性などにこだわった空間づくりを推進しています。
同社が発売した「センチュリー中野南台」は、
LGBTsやDINKS世帯など「大人の二人世帯」をターゲットに設計されました。

同社が社内のDINKSに実施した住まいに対するアンケートによると、
「お互いを尊重し合えるプライバシー性も重視したい」
という声が多かったことから、
洋室２部屋をそれぞれ独立した空間とし分けて、
１室は寝室として、もう１室をワークスペースとして活用したり、
それぞれを個別の寝室として使用したりすることも
選択可能な間取りを採用しています。

洗面室には２人が同時に使用しやすいように
２つのボウルがある洗面台を採用しました。
鏡も２種類設置し、１つはIoT仕様で、
スピーカー機能や調光機能を備えています。
さらに体調管理に便利な埋め込み型のヘルスメーターを搭載するなど、
設備面にもこだわっているということです。

また、商品コンセプトを採用する物件の立地も重要ということで、
LGBTsの顧客が共同名義での購入やペアローンを組むことができるように、
パートナーシップ制度のある中野区の物件を選択しています。
同商品の販売価格は6,180万円で、発売後２ヶ月以内に販売することができたということです。

同社では、今後も物件エリアやターゲット層、
社会問題などを踏まえ、様々な企画やプランニングに挑戦していく計画です。

(情報提供：住宅産業研究所)