「マンション価格上昇で注目の中古買取再販」リフォーム・リノベーション
不動産経済研究所が1月に発表した調査結果によると、
2022年に首都圏で販売された新築マンションの平均価格は
前年比微増の6,288万円と、2年連続で過去最高を更新しています。
不動産経済研究所が1月に発表した調査結果によると、
2022年に首都圏で販売された新築マンションの平均価格は
前年比微増の6,288万円と、2年連続で過去最高を更新しています。
さらに東京23区に限ると新築マンションの平均価格は、
前年比で1%下がっているものの
8,236万円と2年連続で8,000万円を超えています。
資材や人件費の値上げなどの影響を受け、
今後も新築マンションの価格上昇は続くと見られる中で、
注目されているのが中古買取再販の物件です。
今回は中古住宅市場で供給数を増やしている
買取再販物件について紹介します。
再販物件数は3年間で約2倍に増加
「中古買取再販物件」とは、
マンションや戸建の中古住宅を不動産会社や再販専業の事業者が
買い取り、リノベーションをした後で販売するものです。
内装やインテリアの改修、水回り設備などの交換、
間取り変更などを行うことで、居住者に室内の古さを感じさせずに
新築同様の状態で提供することができるため人気となっています。
不動産・住宅情報サイト「ライフルホームズ」を運営する
ライフルでは、中古マンション市場における
買取再販物件の動向を調査し、昨年10月に発表しました。
同社の調査結果によると、
築30年を超えている流通物件でリノベーションをした後に
販売された中古マンションの物件数は、
2022年9月では1,787戸となっています。
2019年9月では824戸であったため、
中古買取再販物件数は3年間で約2.2倍に増加している
ということです。
また、「ライフルホームズ」に中古買取再販物件を掲載する企業数も
約2.4倍になっているということです。
ライフルによると、中古買取再販物件が増えている背景として、
リノベーションやリフォームをユーザー自身で手配するのは
ハードルが高いため、価格が高くなったとしても
リノベーション済みのマンションを購入したいというニーズが
高まっている点を挙げています。
中古買取再販物件のニーズの高まりを受けて
新規参入する事業者も増えており、
今後も市場は拡大していくと予想しています。
中古買取再販事業者の新たな取り組み
中古買取再販事業の新規参入が増える中、
新たな取り組みを行うことで競合他社との差別化を図る事業者も出てきています。
1995年に設立し中古買取再販事業者のパイオニアである
インテリックスは、17期連続で年間1,000件超の
中古買取再販物件を販売しています。
設立以来、業界を牽引し続けているインテリックスでは、
2021年7月に高気密高断熱で省エネルギーを実現する
リノベーション商品「ECOCUBE(エコキューブ)」を発売し
拡大を図っています。
「エコキューブ」は、
中古マンションの各住戸において温熱計算を行い、
その計算に基づいて断熱性と気密性を高めるリノベーションを
実施することに加え、
高性能な換気システムや高効率エアコンを設置することで、
居住者の健康、省エネルギー、経済的メリットを提供する
リノベーション商品となっています。
温熱計算、断熱材、高性能内窓、熱交換式第一種換気を標準仕様としており、
温熱計算は2021年に設立したグループ会社「TEI Japan」で実施しています。
またインテリックスでは、エコキューブのさらなる普及のため、
2022年2月に新たにグループ会社「リコシス」を設立しました。
リコシスでは、全国の工務店や中古買取再販事業者向けの
フランチャイズ事業「エコキューブFC」の運営を開始しています。
さらに昨年末からはエコキューブをアピールするための
テレビCMを放映し、今後はYouTube動画などでも積極的に
エコキューブを訴求していくということで
エコキューブ搭載済みの中古買取再販物件の販売数を増やすとともに
FC加盟店を獲得していく計画です。
今期の目標は、
インテリックスが販売する中古買取再販物件全体の40%で
エコキューブを採用していくこととしています。
また、「エコキューブFC」の加盟店は早期に100社の加盟を目標としており、
エコキューブを普及させることで既存住宅ストックの
断熱化・省エネ化の推進に貢献していきたいということです。
(情報提供:住宅産業研究所)